FRONTIER LINE

FRONTIER LINE

植民惑星のソ・ドムは、大型戦闘ロボットの重装騎を使う凄惨な南北戦争を続けていた。南軍と北軍の戦いの歴史を、それぞれの立場から切り取ったSFオムニバス。

正式名称
FRONTIER LINE
ふりがな
ふろんてぃあ らいん
作者
ジャンル
スペースオペラ
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概要・あらすじ

力を持ちすぎた重装騎隊がサウ・サンジェランドの市民と衝突し、サウ・サンジェランドは重装騎隊の解散を要求。それを断ったニューミノスとの関係が悪化し、サウ・サンジェランドは新国家「サウツ」として独立することになった。またニューミノスは「ノーシス」として「サウツ」と闘うことになる。ここに南軍北軍による南北戦争が開戦した。

南北戦争2年目には、その年の秋までに21町村が破壊され、死者は1000人を超えていた。そのうちのひとつ、アックスヒルで唯一生き残ったチレンは、友人のラハルの仇を取るために、伝説の野装騎を求めて危険な処女谷(ヴァージンバレー)を目指す。(エピソード「錆びた角」)

登場人物・キャラクター

チレン

エピソード「錆びた角」に登場する。アックスヒル唯一の生き残りの男性。ハーツマンの命令に背き、さらに「金と名声が欲しい男」と罵ったことで装騎隊をクビになった。相棒のラハルと野生のガーフ(大型のトラのような猛獣)を狩って暮らしていた。ラハルの仇を取るため、一本角の黒い巨大な野装騎を求めて、誰一人帰る者はないと言われる処女谷(ヴァージンバレー)を目指す。

ラニー・ガーブス (らにーがーぶす)

エピソード「赤の装騎兵」に登場する。北軍第10重装騎隊所属の若い青年兵士。ラ・ヒム砂漠での戦いで初陣を飾る。全滅した村のセントレニー出身で、両親と妹を残して重装騎隊に志願した。セントレニーの難民キャンプで妹の無残な死体を発見し、我を失ってしまう。

RAT・1

エピソード「独立特務軽装騎隊 R・A・T」に登場する。南軍独立特務軽装騎隊R・A・Tの男性隊員。階級は大尉。「エッセンベルクの玉砕」と呼ばれる退却戦で、はぐれた分隊を率いて海岸に停泊する味方の船と合流しようとした際、北軍軽装騎隊に攻められた。そのときRAT・7を含む隊員をすべて見捨てて逃げた過去がある。

RAT・2

エピソード「独立特務軽装騎隊 R・A・T」に登場する。南軍独立特務軽装騎隊R・A・Tの男性隊員。「エッセンベルクの玉砕」と呼ばれる退却戦では特務部隊に所属しており、RAT・1たちが合流しようとしていた、海岸に停泊する船の方に陣取っていた。北軍の新型重装騎の情報収集を任じられていたが、海岸の北軍のために上陸できないでいた。 彼らの代わりにその任務を買って出た5人のうちの一人がRAT・1であり、彼は何がなんでも帰還しなければならなかったのだ、とRAT・7に語った。

RAT・7

エピソード「独立特務軽装騎隊 R・A・T」に登場する。南軍独立特務軽装騎隊R・A・Tの男性隊員。「エッセンベルクの玉砕」と呼ばれる退却戦ではRAT・1と同じ分隊にいたが、RAT・1が他の隊員を見捨てて一人だけ逃げたことから、彼を「臆病者」と呼び続ける。RAT・2と組んで突撃した際に、RAT・2から、RAT・1がどうしても帰らなくてはならなかった理由を聞く。

バドー・チャルディーン (ばどーちゃるでぃーん)

エピソード「ハーヴ・カッツの熱い風」に登場する。ニューミノス西部の北軍の村、ハーヴ・カッツの若者。市民兵に志願しなかったため、「村の裏切り者」と呼ばれている。嫌がらせで家を壊され、塀には「弱虫」などの落書きをされた。恋人のアルニにも、なぜ志願しなかったのかと責められている。ルーア戦争時代の旧型装騎に乗り、ハンス・コービッドと共に村を守るために戦う。

ドゥーズ

エピソード「ヘル・エルデスの魔女」に登場する。南軍第45重装騎隊第6分隊の分隊長。白い髭を蓄えた壮年の男性。隊で最も落ち着いた性格で、渓谷に残された後方守備隊の5人をまとめる。雪が嵐のように吹き荒れ、ほとんど勝機の見出せないなか、北軍の精鋭部隊「白熊(ホワイトベア)」を、「魔女の渓谷」で迎え撃つ。

ジレム・アジルス (じれむあじるす)

エピソード「終戦」に登場する。グランド・オーミターの出身の兵士の男性。幼なじみのエリオン・マーミンを探すために、装騎隊に志願する。北軍23重装騎隊伍長で、アリアニアで量産体制に入った新型空騎「マドゥ」の試験操縦士(テストパイロット)だった。エリオンが亡くなったことを聞かされて奮起するが、命の危険のあるマッハ2、マッハ3で飛び墜落する。 フォリノに想いを寄せている。

ラハル

エピソード「錆びた角」に登場する。アックスヒルの男性。相棒のチレンと野生のガーフ(大型のトラのような猛獣)を狩って暮らしていた。「ブルハートタウンにいるヘルガ・ハーコック似の女を抱きたい」と口癖のように語っていたが、アックスヒルを攻めた装騎隊によって殺される。

ハーツマン

エピソード「錆びた角」に登場する。第16重装騎隊の中尉の中年男性。北軍に寝返ったワッジウェーの住民を皆殺しにするように、チレンに命令するが断られ、更に「金と名声が欲しい男」と罵られたため、チレンをクビにした。立派な大義名分を掲げるが、実際にはチレンが言うとおりの俗物。

グリク

エピソード「赤の装騎兵」に登場する。北軍第10重装騎隊所属の男性。階級は准尉。初陣で憔悴したラニー・ガーブスの世話を、バーグから頼まれる。看護担当のアイラ・ジェラミーとは、同郷で恋人である。ロディリニアの小さな村でバーグに救われた過去がある。その際、バーグが肉体を失ったことに責任を感じていて、自分は絶対に死ぬわけにはいかないと考えている。

アイラ・ジェラミー (あいらじぇらみー)

エピソード「赤の装騎兵」に登場する。北軍第10重装騎隊の看護担当の女性。グリクとは同郷で恋人同士。初陣で憔悴し寝込んだラニー・ガーブスの看病をし、ラニーの故郷や家族についての話を聞いた。そのため、難民キャンプで見た若い女性の死体が、ラニーの妹であることを察した。ロディリニアの小さな村で、バーグに救われた過去がある。

バーグ

エピソード「赤の装騎兵」に登場する。北軍第10重装騎隊の中尉。敵の南軍には「赤の装騎兵」と呼ばれている男性。彼の使う重装騎は旧タイプのリノクスで、どんなに破損しても手放さない。12年前のルーア戦争の時には「赤い悪魔」と呼ばれ、すさまじい戦績を残した。ロディリニアの小さな村でグリクとアイラ・ジェラミーを救うために死亡したが、戦歴を惜しんだ軍が、脳を重装騎に移植した。

ハンス・コービット (はんすこーびっと)

エピソード「ハーヴ・カッツの熱い風」に登場する。ニューミノス西部の北軍の村、ハーヴ・カッツの老人。元北軍少将。現在は村でスープを作って配給しているが、常に南軍の無線を傍受して戦況を掴んでいる。ルーア戦争時代の旧型装騎を操縦し、バドー・チャルディーンと共に村を守るために戦う。

アルニ

エピソード「ハーヴ・カッツの熱い風」に登場する。ニューミノス西部の北軍の村、ハーヴ・カッツの村長の娘。バドー・チャルディーンの恋人で、気の強い美人。市民兵に志願しなかった裏切り者のバドーとの付き合いを、村長である父親に禁止されるが、彼とはこっそり会っている。

ガース

エピソード「ヘル・エルデスの魔女」に登場する。南軍第45重装騎隊第6分隊後方守備隊基地に所属。線の細い女性のような顔立ちの男性。雪の嵐が谷に反響するのは魔女の叫び声で、谷を通るものはその声に呼ばれるのだ、という「魔女の渓谷」の伝説について詳しい。自分たちも魔女に魅入られ呼ばれているのだと語る。

ビック、コンラッド、マグー、ジャヌー

エピソード「ヘル・エルデスの魔女」に登場する。南軍第45重装騎隊第6分隊後方守備隊のメンバーたち。ビックは若く冷静な男性。コンラッドは迷信を語るガースに腹を立てる血気はやった男性で、戦いでも最初に飛び出した。マグーはちょびひげを生やした食事担当の男性。ジャヌーは戦いの最中に、装騎が故障する不運に見舞われた男性。

フォリノ

エピソード「終戦」に登場する。グランド・オーミターの出身で、高台のお屋敷町に住むお嬢様。エリオン・マーミンの行方をジレム・アジルスが探してくれるのを、町で待っている。しかしジレムが復員し、グランド・オーミスターに戻った時には、行方が分からなくなっていた。

エリオン・マーミン (えりおんまーみん)

エピソード「終戦」に登場する。グランド・オーミターの出身の兵士の男性。北軍第34重装騎隊に所属していたが、配置換えになり行方が分からなくなった。ジレム・アジルスの2年前に重装騎隊に志願兵として入り、ラ・ヒム砂漠で死んだと伝えられた。実際に亡くなったのは、ヘル・エルデスでの戦いであった。ジレムの幼なじみで、フォリノの恋人。

ハニー

エピソード「終戦」に登場する。2万ガオス(高価な自空騎が新品で5台買える値段)でフォリノの父親が買ったロボット。人間の腰ほどの高さで、キャタピラーで自走する。2本の腕があり、言葉によって意思疎通が図れる。高台のお屋敷街が爆撃された後、ガラクタ屋で売られていたのを、復員したジレム・アジルスに引き取られた。

集団・組織

南軍 (さうつ)

新国家「サウツ」の軍隊。レンディアンの討伐のために重装騎を量産した重装騎隊が力を拡大し、ついにはレンディアン以上の脅威となったもの。ソ・ドム22年に、サウ・サンジェランド北のホリバスにおいて、第48装騎隊が装騎隊に抵抗したホリバス市民2800人を虐殺した。そのため、サウ・サンジェランド首長ロベルト・ライが装騎隊の解散を求めるが、ソ・ドムの初代大統領ミラ・ハイネンベルクはその要求を却下。 これをきっかけにサウ・サンジェランドは独立し、「サウツ」となった。

北軍 (のーす)

ソ・ドム最大の大陸ニューミノスの国家「ノーシス」の軍隊。新国家「サウツ」が独立し、サウツ特務攻撃隊がニューミノス大統領ミラ・ハイネンベルクを暗殺。更にはニューミノス西端エッセンベルクにサウツ重装騎隊が侵攻し、宣戦布告をしたため、ニューミノスは「ノーシス」となり、「サウツ」を迎え撃つこととなった。

レンディアン

ソ・ドム原住の少数民族。野装騎と呼ばれる大型二足歩行ロボットに乗って町を襲い、略奪を繰り返した。ルーア戦争、南北戦争が始まっても彼らは存在し、北軍であれ南軍であれ、構わず攻撃する。

場所

ソ・ドム (そどむ)

植民惑星。ウ・ノビク2133年に、エルタニア第一次開拓団がソ・ドムに入ったことをきっかけに開拓が始まった。しかしその3年後に、第12太陽系第5惑星ルーアが連邦の抑止勧告を無視し、ソ・ドムに開拓団を送った。その年の5月には、連邦およびエルタニアがソ・ドムに軍隊と大規模な開拓団を送り、ソ・ドム最大の大陸ニューミノスに、巨大都市グランド・オーミターが建設された。

イベント・出来事

ルーア戦争

ソ・ドムで9年間もの間続いた戦争。連邦の警告を無視して、惑星ア・ムーラと惑星ソ・ドムに侵攻した惑星ルーアは、連邦から除籍された。それに伴い、ソ・ドムに駐留するルーア軍とエルタニア軍および連邦軍との戦いが起こった。エピソード「赤の装騎兵」に登場するバーグ、「ハーヴ・カッツの熱い風」に登場するハンス・コービットは、この戦争の経験者。

その他キーワード

野装騎 (むすたんぐ)

人間が中に入って操縦する大型戦闘ロボット。ソ・ドムのあらゆる所に不時着した地球人以外の生物が、遺していった建設機械。原住民族レンディアンはこれを使用し、開拓民の町を襲っている。開拓民たちはこの野装騎に武装を施し、重装騎という兵器として完成させることになった。

装騎兵、重装騎 (どらごーん、どらごーん)

人間が中に入って操縦する大型戦闘ロボット。野装騎がもとになっているが、それを更に研究開発して武装させ、兵器として特化させたもの。戦争が進むにつれて新しい重装騎の開発も進み、戦いは凄惨なものになっていった。動力は赤油(せきゆ)を使っている。

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