概要・あらすじ
大国同士の紛争で荒れ果てた南太平洋の孤島馬蹄島で調査中の科学者山田野博士は、身長数十センチの知的生命体を捕獲する。山田野博士の旧知の私立探偵伴俊作は捕獲された知的生命体を見せられるが、突如出現した謎の飛行物体に誘拐された。
伴俊作の甥敷島健一伯父の行方を捜索するが、その前に謎の知的生命体であるフウムーンのロココが出現する。その頃、宇宙から地球へ大いなる脅威が迫っていた。
登場人物・キャラクター
敷島 健一 (しきしま けんいち)
私立探偵ヒゲオヤジの甥で、その助手を務めている青年。失踪した伯父の行方を捜索する内に、突然変異した新人類であるフウムーンのロココが現れる。ロココによって、宇宙から来襲する暗黒ガス星雲の存在を知り、地球を救うために奔走する。
イワン・レドノフ (いわんれどのふ)
超大国ウー連邦大統領。突然変異で誕生した新人類フウムーンの存在をもう一つの超大国スター国の陰謀と誤解して攻撃を命じる。
ノタリアン
超大国スター国の首相。突然変異で誕生した新人類フウムーンの存在を、もう一つの超大国ウー連邦の陰謀と誤解して攻撃を命じる。短気な性格だが、娘のココアを溺愛している。
ピーチ
ケン一の妹。幼いながらも家事全般をこなすしっかり者。好奇心旺盛で危険も省みず、ケン一と行動を共にした。興奮すると「アッチョンブリケ!」という言葉を発する。
モーズ
突然変異で誕生した新人類フウムーンの指導者。人類を愚かで野蛮な種族と軽蔑し、迫りくる暗黒ガス星雲から逃れるために同胞を率いて、地球を脱出する。
ロココ
紛争で環境が激変した馬蹄島で突然変異のために出現した新人類のフウムーンの一人。馬蹄島に調査に来た山田野博士に捕獲されるが、同胞に救出された。人類を愚かで野蛮な種族と軽蔑していたが、ケン一やその伯父のヒゲオヤジ達と出会って、その良心を知る。 地球を脱出した同胞に逆らい、一人地球に迫る暗黒ガス星雲を消滅させるためにフウムーン の円盤型飛行物体であるゴンドーラで立ち向かった。
ロック・クロック (ろっくくろっく)
超大国スター国の新聞記者。突然変異した新人類であるフウムーンが引き起こした動物消失事件を追う内に、ケン一と出会い、共にフウムーンを追う。スター国首相ノタリアンの令嬢ココアは恋人。
山田野博士 (やまだのはかせ)
生物学者であり、現地調査に赴いた馬蹄島で、突然変異で誕生した新人類フウムーンのロココを発見し、捕獲する。ヒゲオヤジとは旧知の仲。
K・ガマタ (けーがまた)
日本を代表する巨大企業角紅物産の社長。スター国のホテルで、突然変異で誕生した新人類フウムーンに襲われた山田野博士に出会い、儲け話の臭いをかぎつけて暗躍する。
伴 俊作 (ばんしゅんさく)
ケン一の伯父である私立探偵。旧友の科学者山田野博士の依頼を受けて護衛を引き受けるが、突然変異した新人類であるフウムーンによって誘拐された。
フウムーン
『FUMOON フウムーン』に登場する種族。南太平洋の孤島馬蹄島の環境の激変によって、島の生物が突然変異を起こして誕生した新人類。体長数十センチで、テレパシー能力がある。全員女性を思わせる風貌だが、雌雄の存在は不明。 指導者モーズの元で共同体を形成しており、馬蹄島の地下深くに巨大な居住区を作っていた。重力コントールなど、人類を上回る科学技術を持ち、円盤型の乗り物ゴンドーラが移動手段。 地球に迫りくる暗黒ガス星雲から逃れるべく、地球上の動物達を捕獲し、共に脱出しようとする。
ココア
超大国スター国の首相ノタリアンの娘。新聞記者ロック・クロックの恋人。常に取材で忙しいロック・クロックにデートの約束をすっぽかされている。
場所
ウー連邦 (うーれんぽう)
『FUMOON フウムーン』に登場する国。世界に大きな影響力を持つ超大国。もう一つの超大国スター国と激しく対立しており、突然変異で誕生した新人類フウムーンの存在を陰謀と誤解して、戦争に突入する。 指導者は大統領のイワン・レドノフ。20世紀に存在した共産主義国家、ソビエト連邦をモデルにしている。
馬蹄島 (ばていとう)
『FUMOON フウムーン』に登場する島。南太平洋で発見された孤島。各国の領土獲得の標的となり、紛争に巻き込まれる。その戦闘ですっかり荒廃して、環境も激変。そのために島の生物が突然変異を起こして新人類フウムーンが生まれた。
暗黒ガス星雲 (あんこくがすせいうん)
『FUMOON フウムーン』に登場する天体。北極星付近にある太陽の二百倍の恒星が、十年前に超新星爆発を起こした後に発生した巨大なガス星雲。様々な星を包み込みながら地球へ来襲する。
スター国 (すたーこく)
『FUMOON フウムーン』に登場する国。世界に大きな影響力を持つ超大国。もう一つの超大国ウー連邦と激しく対立しており、突然変異で誕生した新人類フウムーンの存在を陰謀と誤解して、戦争に突入する。 指導者は首相のノタリアン。アメリカをモデルにしている。
その他キーワード
ゴンドーラ
『FUMOON フウムーン』に登場する乗り物。突然変異で誕生した新人類フウムーンが移動手段に使う円盤状の飛行物体。反重力を推進力としており、空中や海中のみならず大気圏外でも飛行可能。
クレジット
原作
来るべき世界 (きたるべきせかい)
地球最後の日をテーマに、東西冷戦や度重なる核実験など、描かれた当時の世界状況を反映しつつ、引力を操る新人類、空飛ぶ円盤、地球を襲う暗黒ガス雲など、多くのSF的アイディアを盛り込んだ作品。手塚治虫の初期... 関連ページ:来るべき世界