概要
22世紀初頭、統一された政府地球連邦の元に統治される地球。厳格な管理社会の中で、宇宙パイロットとして成長した青年ゴドー・シンゴは、科学技術を統括する機関科学センター長官のロックに超生命体火の鳥の捕獲任務を与えられる。
しかし、特権階級の娘レナと身分違いの恋に落ち、駆け落ちを図って逮捕された。収監された強制労働キャンプで、科学者サルタ博士から、火の鳥の正体を知らされたゴドー・シンゴは宇宙船を奪って旅立つ。
登場人物・キャラクター
ゴドー・シンゴ (ごどーしんご)
精子と卵子を人工的に受精させた試験管ベビーとして生まれ、その適性から宇宙パイロットとして育てられた青年。宇宙パイロットとしての能力も高く、科学技術を統括する機関科学センターの長官ロック・シュラークによって、超生命体火の鳥捕獲任務に抜擢された。 しかし、偶然出会った特権階級の娘レナと恋に落ちたために、反逆罪でアイスランドの強制収用キャンプに送られるが、そこで反体制科学者サルタ博士と出会って、火の鳥を捕獲するために共に脱走。 宇宙船スペース・シャーク号で火の鳥を追う。自分を育てた女性型育児ロボットオルガとの間に強い絆を持っている。
元老院 (げんろういん)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する機関。22世紀初頭の地球圏の統一国家である地球連邦を支配する少数の特権階級から構成される最高機関。22世紀初頭における議長は、ゴドー・シンゴが恋におちたレナの父イート卿。 急速に衰退する地球の現状に危機感を持ち、不老不死をもたらすという超生命体火の鳥の血を入手して独占しようとしている。
ロック・シュラーク (ろっくしゅらーく)
22世紀初頭の地球圏の統一国家である地球連邦の科学技術分野を所轄する機関科学センターの長官。天才的な知能を持ち、地球のエネルギー源として地下のマントルを利用するマントル対流計画や、生命に不老不死にする血を持つ超生命体火の鳥を捕獲する計画等を推進する。 野心家で、権力に近づくために特権階級の実力者イート卿の娘レナと結婚した。精子と卵子を人工的に受精させた試験管ベビーとして生まれた22世紀の地球人だが、ゴドー・シンゴと同じ精子と卵子から生まれた兄弟である。
サルタ博士 (さるたはかせ)
元老院の議長イート卿の娘レナと身分違いの恋をしたゴドー・シンゴが反逆者として送られた、アイスランドの強制収容キャンプに収監されている科学者。22世紀の地球を代表する科学者だったが、地球連邦を批判して反逆罪に問われた。 超生命体火の鳥の存在を知り、地球を救う最後の希望と考えている。強制収容キャンプの所長のブラック・ジャックや警備隊長のブーンからも尊敬されている。
宇宙パイロット訓練所 (うちゅうぱいろっとくんれんじょ)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する機関。科学技術を統括する科学センターの付属機関で、ゴドー・シンゴが訓練を受け、優秀な成績で超生命体火の鳥捕獲任務に選ばれた。教官は大尉のボルカン。
イート卿 (いーときょう)
22世紀初頭の地球圏の統一国家である地球連邦を支配する特権階級の機関元老院の議長。科学技術を統括する機関科学センターの長官ロック・シュラークのを高く評価し、娘のレナとの縁談を進める。
クラック
ゴドー・シンゴが反体制科学者のサルタ博士と共に超生命体火の鳥の手掛かりを探して訪れたレグルス23番星に住む、サイコロのような姿をした異星人。サルタ博士の旧友バンの営む宇宙生物センターの牧童であり、火の鳥の居場所を知る異星人プークスの通訳をする。 苛性ソーダの風呂が大好き。
地球連邦 (ちきゅうれんぽう)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する国家。地球上の国家が統合されて発足した統一国家。22世紀初頭、徹底した管理社会を構築して、人口を抑制するために試験管ベビーで計画的に出産を行い、各人を厳密に適正検査を行った上で職業に就ける。 少数の特権階級で構成される元老院という機関が統治している厳格な階級社会でもある。
プークス
ゴドー・シンゴが反体制科学者のサルタ博士と共に超生命体火の鳥の手掛かりを探して訪れたレグルス23番星に住む、バグパイプのような姿の異星人。火の鳥の居場所を知っているが、地球人の言葉を話せないので、サイコロのような姿の異星人クラックを通訳として、会話する。
レナ
22世紀の地球を支配する特権階級の機関元老院議長イート卿の娘。偶然出会ったゴドー・シンゴと恋に落ちるが、父の薦める科学技術分野を所轄する機関科学センター長官のロック・シュラークと結婚した。
火の鳥 (ひのとり)
22世紀初頭の地球連邦がコードネーム2772コスモゾーンと呼ぶ、光る鳥の姿をした超生命体。高い知能を持ち、テレパシーで人間と会話も出来る。その血は生命体を不老不死にすると言われ、地球の特権階級である元老院が独占するために捕獲計画を推進していた。 色々な姿に変形する能力もあり、ゴドー・シンゴが宇宙船スペース・シャーク号で対決した時には巨大な怪鳥の姿になって、全身から超高熱を発した。
強制労働キャンプ (きょうせいろうどうきゃんぷ)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する機関。アイスランドの火山に設置された、地球連邦に反抗的な犯罪者を50万人収容している。元老院の議長イート卿の娘レナと身分違いの恋をしたゴドー・シンゴが反逆者として収容され、科学者のサルタ博士と出会った。 地下のマントルをエネルギー源として活用するマントル対流計画を遂行中の現場でもある。
ブラック・ジャック (ぶらっくじゃっく)
元老院の議長イート卿の娘レナと身分違いの恋をしたゴドー・シンゴが反逆者として送られた、アイスランドの強制収容キャンプの所長。任務に忠実だが、地球の現状を憂いている硬骨漢であり、収監されている反体制科学者のサルタ博士の思想にも共鳴している。
オルガ
精子と卵子を人工的に受精させた試験管ベビーとして生まれたゴドー・シンゴを母親替りに育てた女性型宇宙パイロット用育児ロボット。ジェット、車、トランクなどに変形する能力があり、力も強い。欠陥があるため、ゴドー・シンゴを機能を超えて守ろうとすることが度々あったが、それが愛する気持ちになっていった。 自分がロボットである事で人間であるゴドー・シンゴとの間に超えられない壁を感じて悩む。超生命体火の鳥とゴドー・シンゴが戦った際には自分を犠牲にして、高熱に包まれたスペース・シャーク号の外に消化剤を散布した。
ブーン
元老院の議長イート卿の娘レナと身分違いの恋をしたゴドー・シンゴが反逆者として送られた、アイスランドの強制収容キャンプの警備隊長。規則には厳しいが収監者の科学者サルタ博士を尊敬している。
ピンチョ
地球で留学生として来ている、大きな耳と黄色い毛並みが特徴の異星人。ゴドー・シンゴが恋に落ちた、最高統治機関元老院議長イート卿の娘レナのペットとなっている。清潔を重んじる文化を持つ種族で、いつも小さな箒を持ち歩いている。 地球人のキスを「不衛生な習慣」と違和感を抱いている。
バン
ゴドー・シンゴが反体制科学者のサルタ博士と共に超生命体火の鳥の手掛かりを探して訪れた、レグルス23番星に住む地球人。サルタ博士の旧友で、ゴドー・シンゴを火の鳥の居場所を知る異星人プークスに紹介する。 手塚治虫キャラのヒゲオヤジである。
科学センター (かがくせんたー)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する機関。22世紀初頭の地球圏の統一国家である地球連邦の科学技術分野を所轄する機関。超生命体火の鳥捕獲計画も遂行し、専用の宇宙船スペース・シャーク号を建造している。 長官はゴドー・シンゴの兄弟ロック・シュラーク。
ボルガン
宇宙パイロット訓練所の教官。階級は大尉。傲慢で残虐な大男。後にゴドー・シンゴ が乗ったスペース・シャーク号と同型の宇宙船で超生命体火の鳥捕獲任務に出動し、殺される。
場所
レグルス23番星 (れぐるすにじゅうさんばんせい)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する惑星。さそり座の恒星アンタレスの付近にある地球型惑星で、ゴドー・シンゴが反体制科学者のサルタ博士と共に超生命体火の鳥の手掛かりを探して訪れた。 サルタ博士の旧友のバンが住んでいる。宇宙空間から見るとアンタレスが涙をこぼしたように見えるので涙星とも呼ばれる。
イベント・出来事
マントル対流計画 (まんとるたいりゅうけいかく)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する計画。急速に衰退する地球の新たなエネルギー源として、地下のマントル対流を利用するため、反体制派を収容するアイスランドの強制主要キャンプを現場として行われている。 科学技術を統括する機関科学センターの長官ロック・シュラークが推進していた。
その他キーワード
スペース・シャーク号 (すぺーすしゃーくごう)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場する乗り物。超生命体火の鳥を捕獲するために、地球連邦の機関科学センターが建造した宇宙船。パイロット一人で全ての機能を操作出来る。ゴドー・シンゴが、反逆者として送られたアイスランドの強制収用キャンプから、この宇宙船で宇宙へと逃亡する。 ゴドー・シンゴを宇宙パイロット訓練所で教えた教官のボルカンが、同型の宇宙船で火の鳥の捕獲に出撃するが、撃破される。
試験管ベビー (しけんかんべびー)
『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』に登場するシステム。22世紀初頭の地球では人口抑制のために、精子と卵子を人工的に受精させて、計画的に赤ん坊を出産させている。ゴドー・シンゴと科学センターの長官ロック・シュラークが同じ精子・卵子から誕生した兄弟である。