Jの総て

トランスジェンダーの少年Jの家族の崩壊から、学園寮での青春、その後クラブ歌手として成功する人生を同性や異性の恋愛模様を絡めて描いた物語。スピンオフとして『ばら色の頬』の頃や『彼の左目』がある。

正式名称
Jの総て
作者
ジャンル
同性愛
 
恋愛
レーベル
F×comics(太田出版)
巻数
全3巻
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概要・あらすじ

マリリン・モンローに憧れていた美しい少年Jは幼い頃、ある事件をきっかけに家庭を失ってしまう。その後、全寮制の男子校カレンズバーグ高等中学校で運命の人ポール・アンダーソンとの出会いを経て、ニューヨークでクラブ歌手として働くが、どんどん人間関係が煮詰まっていく。そして4年ぶりに再びポール・アンダーソンと出会うことになる。

登場人物・キャラクター

J (じぇい)

幼い頃からマリリン・モンローに憧れており性自認は女性で女言葉でしゃべる。金髪の巻き毛が特徴で妖艶な容姿をしている。13歳の時父のロナウド・モンタン・オースチンにレイプされたことで家庭は崩壊し、孤児院を経てカレンズバーグ高等中学校の理事長であるカレンズバーグに引き取られカレンズバーグ高等中学校に入る。 不良のアンドルー・モーガンに気に入られる一方で優等生のポール・アンダーソンと同室にされ惹かれ合い身体の関係を持つようになる。そのうち隠れて寮を抜け出してバーで歌手をするようになり、その際アーサー・ユースタスに出会いニューヨークでクラブ歌手をしないかと誘われ寮を出る。 2年後クラブ歌手として成功をおさめていたが、付き人として拾ったリタ・バーセルミとアーサー・ユースタスとの関係をこじらせてしまい姿を消す。そして浮浪罪で逮捕され☆刑務所に収容されていたアンドルー・モーガンと再会し、更に弁護士になったポール・アンダーソンと面会することになる。その時Jは自分とリタ・バーセルミとの間に子供が生まれていたことを知り、以来情緒不安定で自暴自棄になる。 その後ポール・アンダーソンに引き取られ新生活を始めようとしていた矢先Jの実母アンジェラ・M・オースチンが危篤との知らせを受け病院へ向かうが、その場にいた親戚のカウフマン夫妻の夫に過去のことを責められ更に情緒不安定になる。 自殺を図るもポール・アンダーソンに助けられ、お互いの想いを確かめあい結局二人はまた恋人として暮らすようになる。

ポール・アンダーソン

Jの初恋の人でJより3歳年上。カレンズバーグの甥でカレンズバーグ高等中学校の優等生で堅物。父親のアイザック・アンダーソンはユダヤ人の司祭。両親を押さない頃に失っており叔母のカレンズバーグのもとで育てられる。背が高く中高生の頃はくせ毛だったが成長するにつれて直毛になった。 最初はJのお目付け役を担っていたが次第にJに惹かれていき身体の関係を持つ。しかし自分が同性愛者であることを認めたくないがためにJを一度は突き放してしまう。4年後弁護士見習いとなり浮浪罪で逮捕されたJに面会し、再会を果たす。再会当初は情緒不安定なJに拒絶されるもののエドモント・クレモンスの助けもあり自分がJのことが好きな同性愛者だということを受け入れる。 Jの出所に際し、Jを引き取ることにした。自殺を図ったJを助け、Jへの想いを告げることで二人は再び恋人同士になる。その後正規の弁護士となる。

アンドルー・モーガン

Jより3歳年上でポール・アンダーソンの同級生。市長であるマイケル・フェルディナント・モーガンの息子。素行が悪くカレンズバーグ高等中学校では不良少年で通っている。素直でないところもあるが基本的に面倒見の良い兄貴分。生意気なJを可愛がり、何かと目をかけている。高校卒業を機に戦争推進派の父マイケル・フェルディナント・モーガンに反発し、兵士としてベトナムへ行く申請をするもそれを勝手に取り消され、昔からの不満が爆発しマイケル・フェルディナント・モーガンを刺して逮捕される。 その後Jと☆刑務所で再会し、面倒を見るようになる。学生時代はポール・アンダーソンと折り合いが悪くよく突っかかっていったが、本当はポール・アンダーソンのことが好きだった。 大人になってから和解する。

リタ・バーセルミ

Jより9歳年上の赤毛の女性。詩人に憧れサンフランシスコに向かっていたが道中騙されてニューヨークに行き着く。荷物もなく路上で行き倒れているところをJに拾われ、付き人になる。最初は髪が短く、服装や振る舞いからもよく少年と間違われる容姿をしていた。強がりなところがあるが純粋でまっすぐな性格。 Jと生活を共にするうちにJに惹かれていく。しかしJにその想いを拒絶されたこともありJの勤める店のオーナーでありJとも肉体関係を持っているアーサー・ユースタスと身体の関係をもってしまう。更に、そのことをJに挑発されJとも体の関係を持ち、その際子どもを授かる。出産後、見た目も女性らしくなり姿を消したJを探すため雑誌記者のエドモント・クレモンスのもとをたずねる。

アーサー・ユースタス

Jが勤めるブルー・ラピッドのオーナー。Jが学生時代、寮を抜け出してバーで歌っていた時に出会う。その後、ニューヨークにJを連れて来ることになる。22歳の時に祖父の代から続いていたブルー・ラピッドを父親から引継ぎ、経営が傾き気味だったところをJの力を借りて盛り返すことに成功する。 Jには恋人というわけではないが好かれており肉体関係もある。冷血で女装したJをオカマと揶揄することもあるがJのことをそれなりに大事にしている一面もある。純粋なリタ・バーセルミに惹かれ、肉体関係を持ちプロポーズまでしようとするが、時を同じくしてJがリタ・バーセルミと肉体関係を持っているのを目撃してしまい激高してJを追い出す。

エドモント・クレモンス

雑誌記者でJが失踪する前日に新創刊の雑誌のインタビューとしてJに会いに来る。それをきっかけにリタ・バーセルミとも顔見知りになる。お人よしで気の良い性格。その後、雑誌廃刊に合わせてヒラに降格していたがJの行方を捜して尋ねてきたリタ・バーセルミと共にJを探すことになる。 Jの行方を追う過程でポール・アンダーソンと接触する。収監されたJの言葉によって傷ついていたポール・アンダーソンの良き相談相手になり、結果的に色々な人を引き合わせる要になる。その後、長年に渡ってリタ・バーセルミに想いを寄せるが直接的に口には出せないでいる。

ジーン

Jとリタ・バーセルミの間に生まれた娘。J譲りの巻き毛とリタ・バーセルミ譲りの赤毛が特徴。1歳の頃リタ・バーセルミに連れられて初めて父であるJに出会う。成長後、婚約者を連れてリタ・バーセルミ達の住まう地を訪れに帰ってくる。明るく、おおざっぱな性格で自分の複雑な出生を受け入れている。

カレンズバーグ

Jを養子に引き取った中年女性。また、ポール・アンダーソンの母親サミュエラの姉であり叔母に当たる人物。祖母から受け継いだカレンズバーグ高等中学校の理事長を務めている。小太りで少女趣味な服装が特徴。優しく、子どもに愛情深い。妹のサミュエラを奪っていったポール・アンダーソンの父親であるアイザック・アンダーソンのことを良くは思っていなかったが、それでも両親亡き後のポール・アンダーソンや養子のJに愛情を注いできた。 ポール・アンダーソンから同性愛者であること、Jと肉体関係を持っていたことを告白された際には動揺したものの最終的に一緒になった彼らを受け入れ、仲良くしている。

ロナウド・モンタン・オースチン

Jの父親。当初は自動車工場の機械技師をしており大柄で優しいしっかりものだった。Jが叱られていると助けに入ったり、飲み屋へ連れて行き歌を歌わせたりとJのことを可愛がっていた。しかし、工場の自動化が進んだことで仕事をクビになりアルコール依存になる。Jが13の時Jをレイプし、その現場を見た母のアンジェラ・M・オースチンに拳銃で撃ち殺される。

アンジェラ・M・オースチン

Jの母親。17歳の時夫であるロナウド・モンタン・オースチンと出会い18歳でJを出産する。カトリック信者でこっそり映画館に出入りするJを厳しく躾けていた。ロナウド・モンタン・オースチンが職を失ってからというもの仕事に出ていたが、帰宅した際ロナウド・モンタン・オースチンがJをレイプしているのを目撃しロナウド・モンタン・オースチンを射殺する。 その際、精神に異常をきたしてしまい本人も病院に入る。5年の入院後は妹のカウフマン夫婦の元に身を寄せた。年老いてからは病院に入りJとも良好な関係を築けている。

カウフマン夫婦

Jの母であるアンジぇラ・M・オースチンの妹夫婦。Jの叔母夫婦にあたる。Jがロナウド・モンタン・オースチンにレイプされた事件の後、アンジェラ・M・オースチンの面倒を見ている。夫の方は父であるロナウド・モンタン・オースチンと関係を持ったJのことを良くは思っておらずJに心無い言葉を投げかけた。

サミュエラ

ポール・アンダーソンの母親。ポール・アンダーソンの父であり夫のアイザック・アンダーソンがユダヤ人であることを考慮して、彼亡き後もユダヤ教の教えを守っていた。結婚前は姉のカレンズバーグととても仲の良い姉妹だった。その後ポール・アンダーソンが小さいうちに亡くなる。

アイザック・アンダーソン

ポール・アンダーソンの父親。ポール・アンダーソンの父親。ユダヤ人の司祭であり、戦時中ヨーロッパに渡り拘束されてしまう。妻でありポール・アンダーソンを身篭っていたサミュエラをなんとかアメリカに帰した後、死亡。カレンズバーグからは妹のサミュエラを変えてしまった人物として憎まれていた。

ジョージ・フリーマン

カレンズバーグ高等中学校で史学の教師を務める男性。寮を抜け出してJが歌手を務めていたバーに出入りしておりJに気がある。Jと成績を良くことを交換条件に肉体関係を持とうとするが拒絶され逆切れする。

ロイ

カレンズバーグ高等中学校でのJの同級生。級長を務めるしっかり者で最初はJにも親切だったが、何かと目立つJのことを良く思わないようになる。後にJとジョージ・フリーマンの関係を噂してJを馬鹿にする発言をしたところをポール・アンダーソンにたしなめられている。

チャップ

カレンズバーグ高等中学校でのJの同級生。気の良い性格で度々Jをフォローしており、少しJに惹かれていたところもあったがJとポール・アンダーソンが階段で喧嘩しているのを見て見ぬふりをした。

マイケル・フェルディナント・モーガン

アンドルー・モーガンの父親。市長を務めていた。息子のアンドルー・モーガンのことを思っている反面そのやり方が強引でアンドルー・モーガン自身のやりたいことを先回りして潰して来た。ベトナム行きを志願していたアンドルー・モーガンの申請を勝手に取り下げたことにより逆上されアンドルー・モーガンに刺される。

ウィリアム・ガズマン

ニューヨーク州の州上院議員。大物と言われているが有色人種や同性愛者などの少数派を弾圧する急先鋒に立っている。KKKの一員だとも噂されているが本人は否定している。マックス・チェットナム議員を通じてJを一晩買った。その際、暴行にも近い行為をJに行い、同性愛者を迫害するような発言を浴びせかけた。

ニコラ・フィッシャー

Jやアンドルー・モーガンが収容されている刑務所にきた新人刑務官の青年。Jに惹かれJが刑務所の医務室にいる時に顔を出しJに誘われるがまま肉体関係を持ってしまう。

所長

Jやアンドルー・モーガンが収容されている刑務所の所長。アンドルー・モーガンに理解があり、暖かく見守っている。

洗濯屋のスティーブ

Jが幼い頃、近所に住んでいた友人。洗濯屋の息子なので洗濯前の客の女性服をJと着替えっこして遊んでいたが他の友人にからかわれたことでJをおとこおんなと罵り疎遠になった。Jの父親のロナウド・モンタン・オースチンにはJのことが好きなのだと言われている。

集団・組織

カレンズバーグ高等中学校

カレンズバーグの曾祖母が創設した男子校。寄宿生の有名大学新学校。中高一貫校で昔は生徒の半数が牧師になっていた。不良もいるが規律が厳しい。

ブルー・ラピッド

アーサー・ユースタスの経営するクラブ。祖父の代から続いている。当初は経営が傾いていたがJが歌うことでパトロンがつき改装も施され流行りのクラブになった。

場所

刑務所

Jやアンドルー・モーガンが収容されている☆刑務所。ポール・アンダーソンが面会に来ることで三者が再会する場所。主にニューヨークで犯罪を犯した者が収監される。

書誌情報

Jの総て 全3巻 太田出版〈F×comics〉 完結

第1巻

(2004年7月発行、 978-4872338553)

第2巻

(2005年5月発行、 978-4872339505)

第3巻

(2006年3月発行、 978-4778320096)

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