Rewrite:SIDE-TERRA

Rewrite:SIDE-TERRA

PCゲーム『Rewrite』のTVアニメ版を基にしたコミカライズ作品。オカルト研究会へ入部した事をきっかけに地球の運命をかけた戦いに巻き込まれていく、人生に空虚さを感じていた少年の天王寺瑚太朗の活躍を描くSF作品。原作ゲームにおける「神戸小鳥ルート」と「MOON編」、そしてクライマックスである「Terra編」が描かれている。「電撃G'sコミック」2016年11月号から2018年9月号にかけて連載された。

正式名称
Rewrite:SIDE-TERRA
ふりがな
りらいと さいど てら
原作者
Key/ビジュアルアーツ
作画
ジャンル
その他SF・ファンタジー
レーベル
電撃コミックスNEXT(KADOKAWA)
巻数
全4巻完結
関連商品
Amazon 楽天

世界観

本作『Rewrite:SIDE-TERRA』は、星の資源をどのように扱うべきかという壮大なテーマを下敷きに展開される物語で、超時間的な空間や惑星規模の話が出て来るSF作品としての世界観を有している。星を存続させるため人類を滅ぼそうとするガイアと、人類の存続のため星の資源を消耗する事をよしとするガーディアンという二つの勢力による争いがあり、その中心には星の端末であり、文明をリセットする力を有する「」という存在がある。星の意志ともいえる「鍵」が望むのは人類が「良い記憶」を見せる事であり、「鍵」が求めるそれとはなにかを推察し、考えた末、人類に実行させるために天王寺瑚太朗という一人の人間が奮闘する事となる。人類と星のどちらが大切なのかを、環境問題なども絡めながら問いかけられる作品となっており、最後には『Rewrite:SIDE-TERRA』という作品そのものがたどり着いたひとつの明確な答えが示される。

作品構成

本作『Rewrite:SIDE-TERRA』は、変則的なループ構造を用いた物語構成となっており、「Case編」「MOON編」「Terra編」という各編で、それぞれ別の時間軸が描かれている。各編では、キャラクター間の因果関係や、年齢なども大きく異なっており、「MOON編」においては時間の流れすら違う超時間的な空間が舞台となっている。「Case編」から順に、1段階ずつ理解を深めていく事で、主人公の天王寺瑚太朗の成り立ちに迫る事が、できるようになっており、彼の背景にある真実を知る事が本作の背後にある大きなテーマにつながっていく。

あらすじ

CASE編(第1巻~第2巻)

風祭学院高校に通う天王寺瑚太朗は、幼なじみである神戸小鳥やクラスメイトの吉野晴彦らと楽しい日々を過ごしならも、自身の人生が空虚であるという漠然とした不安を抱えていた。そんなある日、瑚太朗は寝ているところに少女がのしかかって来るという心霊現象に遭い、新聞部の井上が残したメモを手がかりに、学園の魔女と噂されるオカルト研究会の会長、千里朱音に相談する。経過観察の必要性から入部する事となった瑚太朗は、渡された式神のおかげで安眠を得るが、オカルト否定派の朱音に心霊現象を否定されてしまう。瑚太朗は朱音にオカルトの存在を認めさせたら、胸を触らせてもらうという条件で勝負を挑む事となり、小鳥や後輩の中津静流、クラス委員長の此花ルチア、転校生の鳳ちはやを部に勧誘してオカルトの調査を始める。部活はいつの間にか瑚太朗のかけがえのない居場所となっていくが、瑚太朗へ対抗心を燃やしていた井上が行方不明となった事で、事件に関係している可能性があると判断されたオカルト研究会は活動中止の危機に陥る。瑚太朗は状況を打破するため、オカルト研究会の会員達と井上の捜索を始めるのだった。

MOON編(第3巻)

天王寺瑚太朗が目覚めると、そこは時間の流れのない夜の世界で、世界を滅ぼすと語り継がれて来た存在「」の少女と二人きりになっていた。丘に敷き詰められた用紙の上で作業を進める彼女に幾度となく話し掛けるが、そのたびに首を跳ねられるなどして瑚太朗は殺されてしまう。しかし何事もなかったかのように、次の瞬間には自室で目が覚めるのだった。懲りずに少女とのコミュニケーションを試みる合間、眠りにつく度に瑚太朗は夢の中でかつての記憶を垣間見ていた。ある時は神戸小鳥と所帯を持って幸せに暮らす記憶。ある時は世田谷区に住むOLと結婚する記憶。小鳥以外のオカルト研究会の面々と結ばれる記憶など、瑚太朗が夢として垣間見る記憶には整合性がなかった。少女に話し掛けて殺されては記憶を見る。そんなやりとりを数え切れないほど続けるうち、ついに瑚太朗に限界が来た。進展のない状況に耐えようのない孤独を感じた瑚太朗は、自暴自棄になって少女の側で喚き散らし、自分を消滅させてくれと少女に願う。しかし、そんな様子の瑚太朗に差し向けられたのは敵意ではなかった。静かに歩み寄った少女が口にしたのは、人間には理解できない言葉で表現された「」という彼女の名前だった。

Terra編(第3巻~第4巻)

天王寺瑚太朗は周囲にうまく溶け込む事のできない少年だった。窒息するような感覚を抱きながら日常を過ごしていた瑚太朗は、環境保全団体である「マーテル会」の会員であった親に連れられ、強制的に集会へと参加させられていた。マーテル会の後援する児童養護施設「えにしの家」を手伝い、「おとん」という言葉以外を話す事のできない少女、千里朱音の面倒などを見ながら、しかし会の方針にも納得のできない瑚太朗は、親への反抗を示して集会で暴言を吐いてしまう。唯一の安らぎは、人気のなくなった校舎や森で見かける不思議な生物を「地球救済ハンター」と称して狩る事だった。血液をあやつって鋭利な刃にする事ができる能力を周囲に秘密にしながら、いつもの通り森へ赴いた瑚太朗はそこで恐竜のような巨大生物と出会い、命の危機に陥る。通りすがりの何者かに助けられて気を失った瑚太朗は、明くる日、森へ落として来た携帯電話にダメ元で電話をかける。すると、電話に出たのは大学の調査で森に入っていたという男性の江坂宗源だった。携帯を受け取りに行った先で自虐的に日常の相談をした瑚太朗は、江坂からの提案で彼とメル友となるのだった。

掲載情報

本作『Rewrite:SIDE-TERRA』は「電撃G'sコミック」誌上での連載が行われたが、単行本1巻の誌上掲載はされず、その続きからの内容が2016年11月号から開始されるという特異な掲載経緯を辿っている。連載はその後、2018年9月号まで同誌上で続けられ完結した。

特殊設定

本作『Rewrite:SIDE-TERRA』の根幹には「アウロラ」という、いわゆる「万能の力」であり、「生命の力」とも呼ぶべきエネルギーの性質が大きくかかわっており、重要な設定として位置づけられている。「アウロラ」は星に宿る事で生命を生み出す力がある一方、ほかの惑星へ旅立ち、遍く広がろうとする本能的な性質がある。「アウロラ」が宿った星は、その表面で活動する知的生命体、すなわち人間が、ほかの星へ種を広げるための発展を遂げるのかどうかを監視するため、定期的に「」と呼ばれる端末を送り込んで文明を監視する。「鍵」はそのような発展の意欲を「良き記憶」と称して探し回り、もし、それらが発見されなかった場合は有限の資源である「アウロラ」の消費を抑えるため、「再進化」という文明のリセットを行う。一度リセットされた文明は、「アウロラ」に記録された活動の履歴をもとに効率的に主要な出来事を再現され、再びターニングポイントとなる地点まで発展を遂げると「鍵」による再度の監視が始まる。「アウロラ」に設定されたほかの惑星へ種を拡散する本能的な欲求という設定が、作品理解の大きなポイントとなっている。

登場人物・キャラクター

天王寺 瑚太朗 (てんのうじ こたろう)

風祭学院高校に通う高校2年生の男子。身長は176センチで、好奇心旺盛な性格をしている。自分の人生に中身がないという漠然とした不安を抱えており、オカルト研究会に所属した事をきっかけに自分を変えようと奮起していく。自分の望むように能力を書き換える事ができる「リライト能力」という特異な力を持っているが、周囲には隠している。 また、過去に遭遇した事故が原因で数年のあいだ昏睡状態にあり、前後の記憶を喪失しているのを、幼なじみである神戸小鳥を除き、秘密にしている。記憶喪失以前から世界がやり直される「Terra編」では野良の超人として登場し、事故に遭う前は江坂宗源のスカウトによりガーディアンのエージェントとして活動していた事実が明かされる。 西九条や今宮、津久野とはガーディアン訓練生時代の同期にあたる。また、親がガイアの人間だったため、マーテル会が後援する児童養護施設「えにしの家」の簡単な手伝いをしており、そこに預けられていた千里朱音の面倒を見ていた過去がある。

(かがり)

星の端末である少女。ガーディアンやガイアに所属する人間からは「鍵」と呼ばれる存在で、文明に裁定を下し「再進化」という「救済」、もしくは滅びをもたらす者とされている。3編ある作中では、すべてにおいて異なる性質や性格を持った存在として描かれる。「Case編」では人の言葉をほとんど話す事のできない、鍵としての使命のみに忠実な人間味のない存在として登場する。 「Moon編」においては滅びをもたらす存在から一転し、人類の可能性を必死に模索する高次生命体として描かれており、無口で没交渉な存在ではあったが、高度な知性と力を持ち、何度も接触を図る天王寺瑚太朗に対して次第に心開くようになっていく。「Terra編」における篝は、会話が可能な個性を持った存在として現れ、文明を「再進化」させないために必要な「良い記憶」を求める少女として最も人間味にあふれた姿で描かれる。 目的のために瑚太朗を下僕と称して使役するなど、どこか人間を見下した性格をしているが、瑚太朗の行動に感化され、そこに「良い記憶」を見出していく事となる。

神戸 小鳥 (かんべ ことり)

風祭学院高校に通う高校2年生の少女。天王寺瑚太朗の幼なじみで、クラスメイト。中学時代に告白されるが、瑚太朗を振った過去がある。身長は156センチで、体重は44キロ。スリーサイズはB83センチ、W54センチ、H83センチ。瑚太朗とは仲がよく、いつも夫婦漫才のような掛け合いを繰り広げている。優しく親しげな性格をしているが友人は少なく、よく風祭市の郊外にある森で一人過ごしている。 趣味であるガーデニングは人並み外れた腕前をしており、瑚太朗の家のベランダのガーデンも神戸小鳥によるもの。ボランティア団体である緑化委員会に所属しているほか、学校内でも緑を増やそう委員会に所属している。好きな物は小銭で、毎月小銭を自由にできる人と結婚するのを夢としている。 幼い頃に飼い犬であるペロを失った傷心を癒やすため、両親と出かけた家族旅行で事故に遭っている。神戸圭介、神戸理香子の二人は跡形を留めないほどの悲惨な事故で、山間部に放り出された小鳥は偶然見つけた「ドルイド」と呼ばれる、人々の記憶を宿す「宿り木」に触れた事で、「魔物使い」としての力とドルイドとして鍵を守る使命を帯びる事となった。 その際、ドルイドの秘法によって両親を蘇生しているが、人格を持たない魔物としての蘇生に過ぎなかった。ペロの死骸を基に作成した魔物のちびもすを森で連れ歩いている。

千里 朱音 (せんり あかね)

風祭学院高校に通う高校3年生の少女。オカルト研究会の会長を務めている。身長は160センチで、体重は47キロ。スリーサイズはB86センチ、W57センチ、H85センチ。天王寺瑚太朗達よりも1学年上の先輩で、周囲からは魔女として恐れられている。オカルト研究会の部室を私室として好き放題に使用しており、ネットゲームからシャワーまで校内の一室とは思えない設備が揃えられている。 FPS好きでよく徹夜でゲームをしているなど引きこもり気味な性格をしており、ふだんの尊大な言動の割にどことなく地味で庶民的な部分がうかがえる。超常現象に対して否定的だが、深いオカルト知識を有しており、心霊現象に悩まされていた瑚太朗の経過を観察するため部に勧誘した。 ガイアの聖女である加島桜の養女であり、次期聖女として養育されている。聖女の記憶や経験の転写が進むにつれて、次第に性格が豹変し、人類や世界を憎み、厭世的で破滅的な行動が目立つようになっていった。実は幼い頃に「えにしの家」という児童養護施設に預けられており、手伝いをしていた瑚太朗とは古くからの知己。森で木から下りられなくなった朱音を助けた事が、瑚太朗の運命を大きく変える要因となった。

鳳 ちはや (おおとり ちはや)

風祭学院高校に転入して来た高校2年生の少女。天王寺瑚太朗と同じクラスになる。身長は159センチで、体重は46キロ。スリーサイズはB82センチ、W55センチ、H84センチ。純粋で素直な性格をしており、執事として従っている兄を自称する青年の鳳咲夜の存在も相まって、育ちのいい印象を周囲に与える。その一方で並外れた怪力の持ち主であり、机を片手で軽々と持ち上げるほどの膂力(りょりょく)がある。 また、千里朱音とは風祭学院高校に転校して来る前からの知己である。ガイアの集落の生まれで、魔物使いの両親のもとで育てられた。そのため、卓越した魔物使いとしての素養を持つ。しかし、ガーディアンの襲撃により集落は壊滅し、その際、偶然にも強力な魔物である鳳咲夜と契約を交わした。 その後、ガイアに保護され魔物使いとして咲夜と共に生活を送っていたが、大規模な作戦に備えて風祭市に引っ越して来る事となった。常人離れした怪力は咲夜との契約が原因で、契約によって彼の力の一部を鳳ちはや自身が使用しているためである。防御結界などを使用する事が可能で、戦闘時には包帯に加護を宿して瑚太朗に託したりしている。

中津 静流 (なかつ しずる)

風祭学院高校に通う高校1年生の少女。天王寺瑚太朗らよりも1学年下の後輩で、風紀委員を務めている。身長は149センチで、体重は39キロ。スリーサイズはB75センチ、W52センチ、H73センチ。無口な性格をしているが、その代わり豊かな感情表現の持ち主で、表情や立ち居振る舞いから考えが読み取れる。幼い見た目で、つねに右目に着用している眼帯がトレードマークとなっている。 過去の事故が原因で右目の色が変わっており、眼帯は親しい人の前でしか外す事はない。秋刀魚が好物で、中庭で昼食のおかずにサンマ缶をいつも幸せそうに食べている。一方、学生ではあるが、ガーディアンに所属する超人でもあり、「薬品生成」という汚染系能力の使い手。体内で薬品を生成し、治癒や自己強化などを自在にこなしてみせる。 貧しい一般家庭の生まれで、ガーディアンとガイアの抗争に巻き込まれて重傷を負った際、超人として目覚めた。能力の暴発により両親から自分に関する記憶を失わせてしまっており、その後はガーディアンで江坂宗源に預けられて育った。

此花 ルチア (このはな るちあ)

風祭学院高校に通う高校2年生の少女。天王寺瑚太朗のクラスメイトであり、クラス委員長を務めている。身長は167センチで、体重は52キロ。スリーサイズはB93センチ、W59センチ、H86センチ。口よりも先に手が出るような勝ち気な性格で、問題児達に鉄拳制裁を加える事で有名な人物。さまざまな武勇伝に事欠かないが、かわいい物好きでシャイな一面もある。 潔癖症だからか、つねに白い手袋を着用しており、他人との直接の接触を避けている。実はガーディアンに所属する超人で、伐採系の「超震動」能力と、汚染系の「毒能力」を使いこなすエージェント。かつて、ガーディアンの狂信的一派によって進められていた、次世代の人類を作り出すプロジェクトの被験者だった過去がある。 西九条らによって救助されたあとも「毒能力」の暴走などに悩まされ、トラウマとなっており、唯一毒の中和能力を持っている中津静流だけが友人だった。戦闘時は主に「超震動」能力により威力を増した刀を使用している。

鳳 咲夜 (おおとり さくや)

ガイアに所属する男性。物腰柔らかでいつも涼しげな態度を崩さない好青年。身長186センチの長身痩軀な体型をしている。鳳ちはやの兄を自称しており、ふだんは鳳家の執事としてちはやに仕えている。彼女とその友人からのどんな要望にも応えてみせる卓越した執事術を見せるが、その一方でちはやに対して過保護に接しすぎるきらいがある。 また、天王寺瑚太朗の事を嫌っており、彼にだけは慇懃無礼な態度で接している。一般人のように見えるが、実はかつてちはやによって古い桜の大木から生み出された魔物で、ガイアに所属する人間からは「最強の魔物」と称されている。かつて瑚太朗と同じリライト能力の使い手だった過去があり、能力による書き換えの末、永劫を生きる事となった。 そのため、瑚太朗の先達として接する事があり、能力者として未熟な彼を特訓する事もあった。

江坂 宗源 (えさか そうげん)

ガーディアンに所属する超人の初老男性。現在は半ば隠居状態にある。伐採系の能力者として名を馳せた人物で、かつて「バイアーン帯剣緑地騎士団」と呼ばれるガーディアン最強の部隊に所属していた。ガイアとの戦いが激化したのに伴い、現場に復帰して指揮を執る事となる。また同じくガーディアンの超人である中津静流と共に生活していた時期があり、静流からは「じー」と呼び慕われている。 「Terra編」では野良の超人として活動していた天王寺瑚太朗と友人となり、その後、ガーディアンにスカウトしている。瑚太朗のネガティブな性格を、逆に超人にありがちな奢りのない性格として評価し、英雄ではなく兵士として育つよう目をかけていた。しかしガーディアンでもなく、ガイアでもない第三の勢力として活動を始めた瑚太朗と最終的に激突し、雌雄を決する事となる。 美味しい物に目がなく、風祭市にある有名な飲食店を瑚太朗と食べ歩く事を趣味としていた。

西九条 (にしくじょう)

ガーディアンに所属する超人の女性。任務のため、風祭学院高校に教師として赴任している。中津静流や此花ルチアの後見人的な人物で、超人としてふつうの人間社会で生きられなくなった彼女達に希望を与えるための活動をしている。風祭学院高校に通っていた天王寺瑚太朗に対して教師として接していたが、「Terra編」では今宮や津久野(長居)らと共にガーディアン訓練生時代の同期だった事が明かされる。 訓練生の頃は精神的に未熟で、周囲に対して攻撃的な態度を取っていた。また、今宮と同様に出世欲に取り憑かれており、組織内での立身出世を目指し、日頃から功を焦っていた。しかし、瑚太朗が海外へ修行へ出ているあいだに人間的に成長し、つねに柔和な表情を浮かべている落ち着いた女性へと成長した。

今宮 (いまみや)

ガーディアンに所属する超人の青年。街に溶け込むため、伊達眼鏡をかけて地元の悪ガキ風なカジュアルな出で立ちをしている。森で発生した「鍵」を巡った大規模な戦闘において、鍵を探していた天王寺瑚太朗の前に現れ、初対面であるはずの瑚太朗の事を天王寺と呼び捨てるなど、認識のある様子を見せる。「Terra編」では瑚太朗や西九条、津久野(長居)とはガーディアンの訓練生時代の同期だった様子が描かれ、成績下位グループとして連なってた過去が明かされる。 当初は瑚太朗に対して強く当たる嫌味な人間だったが、年齢を重ねて責任を負う立場になり、精神的な成長を遂げた。海外に修行へ出ていた瑚太朗と再会後は、西九条と共に改めてグループを結成し、任務の内外における連携を同期の友人として誓い合った。

津久野 (つくの)

ガイアに所属する「マーテル会」の女性。年齢は24歳。事務員を本職としており、黒色の長髪でメガネをかけている。オカルト研究会の活動で天王寺瑚太朗らがツチノコを追いかけている際に、懸賞金目当てで参加していたところに遭遇した。実は元ガーディアンの超人で、挫折を機に能力を失った過去を持つ。「Terra編」では、瑚太朗と今宮、西九条とはガーディアンの訓練時代の同期で、当時は「長居」と名乗っていた。 ガーディアンを辞めてからしばらく、監視下での生活を余儀なくされていたが、解かれたあとにガイアへと鞍替えし、マーテル会が運営している児童養護施設「えにしの家」で職員として働いていた。「鍵」による再進化の際には「石の町」に千里朱音らと共に避難していたが、瑚太朗が朱音を連れ戻しに来た際には、朱音を渡すまいとする周囲の人間達に逆らって瑚太朗の背中を押した人物の一人だった。 超人としての能力は伐採系で、ダミーナイフを切り裂けるほど爪を鋭利にする事ができる。

加島 桜 (かしま さくら)

ガイアの実質的指導者である老女。組織の隠れ蓑である「マーテル会」の聖女として宗教的な業務を一手に担っており、実務や経済面を一手に担う元恋人である洲崎周一郎の派閥と組織を二分している。指導者としてのカリスマ性のほか、魔物使いとしての素質も一流であり、常人には目視すらできない魔物から伸びた契約線を契約者まで辿る事ができる。 元は心優しい人物だったが、聖女となった事で歴代聖女の記憶と人類に対する憎悪の感情を引き継ぐ事となった。結果、性格が豹変し、厭世的なガイアの思想を体現する怪物のような存在となっている。その妄執は自らの一念のみで世界の秘密を解き明かし、枝世界すべての加島桜の思念を束ね、人類の存続する可能性を模索する篝のもとへ刺客を送るほどだった。 養女である千里朱音を聖女としての後継者に任命しており、老いてからはつねに側に置いていた。

洲崎 周一郎 (すざき しゅういちろう)

ガイアの隠れ蓑である「マーテル会」の重鎮。初老の男性で、組織の実務いっさいを取り仕切っている。ガイアの実質的な指導者である聖女の加島桜の元恋人であり、守人だった過去を持つが、過去の聖女の因縁や記憶、感情を継承する事で変貌していった加島と対立し、袂を分かった。現在では加島を代表とする聖女派と組織を二分する洲崎派のトップとして君臨しており、厭世的な聖女派とは異なり、現世での実利や権力を求める、実際的な活動を行っている。 そのため、鍵は救済(再進化)をもたらす存在ではなく、管理下に置いて利用すべき存在と考えており、救済を求めるガイアの主義主張とは相反している。千里朱音からはそうした性格だからこそ、魔物使いとしての素質がないと糾弾されていた。

吉野 晴彦 (よしの はるひこ)

風祭学院高校に通う2年生の男子生徒。天王寺瑚太朗のクラスメイトで、クラス内で唯一の不良でもある。アウトローを気取っているため、決闘をデュエルと言い換えるといった、横文字を会話に混ぜ込む特徴的で芝居がかった話し方をする。不良として街のスラムにいる集団からリスペクトされており、リーダーとして慕われている。しかし、思春期に特有な反抗的な口調と態度ながらも授業態度はまじめで、先生の指示にも目立った反抗は見せない。 瑚太朗の事をライバル視しており、顔を合わせる度に勝負を挑んでいるが、そのたびに言動をからかわれるなどして怒り狂っている。

井上 (いのうえ)

風祭学院高校の新聞部に所属する女子生徒。肩口ほどに伸ばしたロングヘアにしている。学校や風祭市に存在するあらゆる噂を追いかけるアグレッシブな性格の持ち主で、スクープのために強引な取材を行っている。初めは天王寺瑚太朗の事を裏口入学と疑っていたが、オカルト研究会に所属し、校内・市内に存在するオカルトの取材を始めた事を契機にライバル視するようになった。 ある日、森の奥にあった虹色に輝く沼の取材に行って行方不明となる。

志麻子 (しまこ)

ガイアに所属する幼女。「マーテル会」で崇められる存在である聖女の次代候補として千里朱音のもとで指導を受けている。言葉をうまく話す事ができず、引っ込み思案な性格をしているが、魔物使いとしては高い素養を持ち合わせている。

福 井子 (ふく いこ)

ガイアに所属する女性。児童養護施設である「えにしの家」を運営しており、主に発育に問題のある少年や少女達を預かって養育している。「マーテル会」の会員でもあり、子供達を連れてミーティングに参加していた。「えにしの家」の簡単な手伝いを頼まれていた天王寺瑚太朗ともかかわりがあり、ミーティングの際などに子供の面倒を見て貰うなどしていた。 のちに、「えにしの家」に預けられた子供の将来に絶望し、「鍵」による「再進化」を誘発する戦いに参加し、巨大な魔物の契約者の一人となった。彼女が運営していた「えにしの家」には幼い頃の千里朱音が預けられていたほか、津久野が職員として働いていた。

ヤスミン

天王寺瑚太朗が民間軍事会社の派遣先で出会った少女。貧困層の少女でパソコンに興味を持っており、いつかプログラミングの腕を磨いて貧困からを脱する事を夢見ている。実はガイアに属していない魔物使いで、同じく貧困層の子供達と共に魔物と契約させられ、麻薬組織によって利用されていた。のちに麻薬組織を壊滅させに来た瑚太朗とルイスによって救出され、ほかの子供達と安全な都市へ移り住んだ。 移住後は瑚太朗の活動によって自然発生的に誕生した魔物使いや、ガーディアンに発見されていない超人達を保護する組織のまとめ役として、瑚太朗を海外から助けた。

ルイス

ガーディアンに所属する超人の青年。天王寺瑚太朗が派遣された先の民間軍事会社で出会った人物。人のいい性格をしており、集団の中で孤立しがちだった瑚太朗のよき友人となった。母国では陸上選手としての道を歩んでいたが、ルイス自身の過失により事故を起こしてしまった事をきっかけに、自分を痛めつけるため民間軍事会社に所属している。 瑚太朗と参加した作戦で、街で共に遊び、僅かながら経済的な支援をしていた子供達を誤って銃で撃ってしまった事で、ガーディアンを離れる決意をする。超人としての能力は槍を強化して投げつける事で、爆撃機によって投下された爆弾を狙って撃てるだけの威力と精度がある。

神戸 圭介 (かんべ けいすけ)

神戸小鳥の父親。単身赴任で家を離れている事が多い。天王寺瑚太朗が高校生の頃に、一家でとなりに引っ越して来た。娘である小鳥が、人嫌いではあるが、利発な性格をしている事に期待をかけており、ガイアの隠れ蓑である「マーテル会」が科学団体を標榜していた事もあって、瑚太朗の両親の誘いに乗る形で団体のミーティングに小鳥を連れて行くなどしていた。 飼い犬のペロを亡くした小鳥の傷心を癒やすために向かった家族旅行で、車の事故を起こして亡くなった。その際、ドルイドの力に目覚めた小鳥によって魔物化されており、小鳥の護衛として使われている。生前は猟友会に所属しており、ライフルの扱いに長けていた。

神戸 理香子 (かんべ りかこ)

神戸小鳥の母親。天王寺瑚太朗が高校生の頃に、一家でとなりに引っ越して来た。飼い犬のペロを亡くした小鳥の傷心を癒やすための家族旅行で、車の事故により亡くなった。その際、ドルイドの力に目覚めた小鳥の手によって魔物として蘇らされているが、自己のない、命令を聞くだけの存在となっている。小鳥の護衛として使役されており、戦いとなった際にはチェーンソーを武器とする。

ともこ

心霊現象に悩まされた天王寺瑚太朗が千里朱音から譲られた式神。紙を人の形に切り出したもの。朱音の言うところによれば、卒業したオカルト研究会の人間によって作成され、部室に放置されていたものとされているが、真偽は定かではない。瑚太朗の夢の中に少女の霊のようなぼんやりとした姿で現れ、相手が強大な力を持っている事を告げた。 その際、平和になったら、その時は自分とデートしてほしいと約束を交わしたが、翌朝、瑚太朗の安眠と引き換えに体を切り裂かれ、無惨な姿となっていた。

ちびもす

神戸小鳥の連れているボディーガード。小型犬ほどの大きさの象のような姿をしている。飼い主である小鳥からは天王寺瑚太朗達に犬だと紹介された。実際は小鳥の作り出した魔物であり、かつて飼っていた飼い犬のペロの死骸を基に作成されている。ある程度自律した意思があり、戦いの際には瑚太朗のピンチを救うために致命傷を負いながらも戦った。

ペロ

神戸小鳥がかつて飼っていた犬。ガイアの隠れ蓑である「マーテル会」に所属するのを拒否した小鳥が、交換条件として両親からペロを飼う事を指示された。前の飼い主によって耳をハサミで切られるなど、酷い虐待を受けていた。そのため、極度の人間不信に陥っており、誰にも懐こうとせず、飼い主である小鳥にすら嚙み付いていた。 虐待が原因で弱っていたのか、小鳥に飼われてから長生きする事なくその命を終える。のちに、ドルイドの力に目覚めた小鳥によって、その遺骸が魔物、ちびもすの素材として利用される。

集団・組織

オカルト研究会 (おかるとけんきゅうかい)

風祭学院高校に存在する部活。部員達は既に卒業しており、消滅寸前だった部を千里朱音が自分で自由にできる部屋ほしさに引き継いだ。のちに心霊現象に悩まされた天王寺瑚太朗が入部した事をきっかけに、彼が中心となって部活として再始動する。活動内容は学校内や市内に存在するオカルト現象を調査し、そのレポートをブログに掲載するというもの。

ガイア

星と自分達を救うため、「鍵」による「救済(再進化)」が必要だと考える厭世的な思想を持った組織。「魔物使い」と呼ばれる、人工的に生み出され、人の命を糧に活動する存在「魔物」を使役する人々の多くが所属している。「マーテル会」と呼ばれる環境保護団体を隠れ蓑としており、海外にある「マグナ・マーテル」のほか、風祭市に本拠地を置く「環境保護団体日本マーテル会」といった多数の支部を持つ。 組織には聖女と呼ばれる宗教的な指導者が存在しており、今代は加島桜という傑物が務めている。しかし、老齢であるため後継者として千里朱音が指名されており、主従として行動を共にしている。世界を救うという目的を同じにしながら、星を犠牲にして人類を優先させる思想のガーディアンとは対立関係にあり、魔物使いと超人による血を血で洗う闘争が日夜繰り広げられている。

ガーディアン

人類の存続を最優先に考える組織。「超人」と呼ばれる特殊能力者達の集団であり、「ガイア」の唱える「鍵」による「救済(再進化)」が、本当に人類に益するのかどうか疑問視している。そのため、「鍵」の抹殺を至上命題として掲げており、「ガイア」とは血を血で洗う対立関係にある。超人の性質上、武闘派集団となっており、日本国内での活動のほか、海外でも民間軍事会社として傭兵のような活動を行っている。 また超人となった事で、一般人として日常に溶け込む事の難しくなった人物の保護を行っており、中津静流や西九条などが保護を受けている。その一方で、超人としてのポテンシャルを追い求めた非人道的な研究や思想の実現も行われており、此花ルチアはそうした実験の被験者だった過去がある。 風祭市における鍵を抹殺する作戦においては江坂宗源が現場の指揮を執っている。

場所

風祭市 (かざまつりし)

四方を山に囲まれた地方都市。文明と緑の共存という理念を掲げる緑化実験都市として知られており、さまざまな研究機関が企業が環境問題に取り組んでいる。そのため、市内には多数の緑があふれており、どこに行こうとも自然を目にする事ができる。「収穫祭」と呼ばれる祭りが年に一度、町を挙げて行われており、市外からも多数の観光客が訪れる催しとなっている。

石の町 (いしのまち)

風祭市に元から存在していた別世界。異次元空間のようなものであり、人間にとって不可視のエネルギーが蓄積する事によって生まれたとされる。小規模な生態系ならば移植できるほどの規模があり、風祭市の一部を正確に模倣している。しかし建物や道路、自然などは再現されているが、電気や水道をはじめとするインフラが再現されておらず、洲崎周一郎らガイアの人間によって「鍵」による再進化を乗り越えるためのシェルターとしての整備が進められている。 洲崎はシェルターへ人々を効率よく導くため、耳触りのいい名前として「人工来世」と名付けていた。

風祭学院高校 (かざまつりがくいんこうこう)

天王寺瑚太朗らが通う高校。ガイアの聖地であるとされる風祭市に存在する学校であるため、加島桜の次の聖女である千里朱音をはじめ、ガイア関係者の子女が少なからず通っている。また、対立する組織である中津静流をはじめとしたガーディアンのエージェントも、任務における必要性から素性を擬装して入学、あるいは教員として活動しており、表向きは一般の高校ながら対立組織の人間が所属する事となっている。

その他キーワード

再進化 (さいしんか)

「鍵」の力によって行われる文明のリセットの事。「ガイア」の主義者からは「救済」と呼ばれている。基本的に、知的生命による文明の発展が袋小路に陥り、これ以上は篝のいうところの「良い記憶」にたどり着けないと判断された場合、資源の消費を抑えるために発動される。例外的に特定の歌によって発動を促進する事ができ、「ガイア」ではこれを聖歌としていた。 再進化が一度発動すると、すべての生命はアウロラの形に戻され、アウロラに記録された履歴を参照する事で、同程度の文明が誕生するまで効率的に同様の出来事が繰り返される。最進化を行うためにはある程度のリソースを必要とするため、資源が消費されすぎていると、再進化による可能性の模索が行えなくなる。 「MOON編」の時点で、世界が再進化を行える残りの回数は1回だけとされていた。

魔物使い (まものつかい)

人の命を糧にして動く「魔物」と呼ばれる存在をあやつる能力の持ち主。厭世的でネガティブな性格の人間に高い素養が見られる傾向にあり、その多くは「ガイア」という組織に属している。一方で、その存在に目をつけられた野良の魔物使いも多く存在しており、麻薬組織などにその力を利用されている。あやつる魔物の規模や強さによって負担する事になる命の量が異なるため、複数の魔物使いが一つの魔物と契約する事もある。 魔物使いと契約が結ばれた魔物のあいだには契約線と呼ばれる線が結ばれており、加島桜のような強い素養を持った魔物使いのみが目にする事ができる。契約線を通して魔物と魔物使いはリンクしており、魔物の負ったダメージや毒物による影響を魔物使いの側も受けるというリスクがある。 ほかに、魔物をあやつったり作り出す事も可能であり、その方法は主に生物の死骸を利用し、新たな生物として魔物を作り出す事が多い。一方で、人間を魔物化して延命化するといった芸当も可能だが、延命された人物は傀儡人形のような命令を聞くだけの存在となったり、加齢が不自然に止まるといった副作用も併発する。

超人 (ちょうじん)

特殊能力に目覚めた人間。人間社会で一般人として生きる事が難しくなるような身体能力に目覚める事が多く、能力を発現した超人はガーディアンと呼ばれる超人による組織に保護、あるいはスカウトされる。狩猟系や伐採系、汚染系といった能力分類のほか、中には「鍵」を発見する空間把握能力を持つ者もおり、人物に合わせて多種多様な力が存在している。 そうした超人の力に目をつけた組織による非人道的な研究もなされており、此花ルチアの様に人工的に強力な能力を発現させられた存在もいる。

魔物 (まもの)

「魔物使い」によって生み出された使い魔のような存在。その多くは生物の死骸などを利用して生み出された人為的な生物であり、契約によって結ばれた魔物使いの命令に忠実である事が多い。その一方で強烈な自我を持ち、自ら考えて行動する「鳳咲夜」のように例外的に強力な魔物も存在する。基本として魔物使いの命を糧として行動するため、行動すればするほどに魔物使いの寿命を縮めるという性質を持つ。 また、規模が強大であればあるほど消費量は跳ね上がるため、その場合には複数人の魔物使いが並行して契約を結ばなければ、その存在や行動を維持できない。また、人間も魔物とする事が可能だが、自我を失って不自然に加齢が止まる、といったさまざまな副作用が見られるため、魔物化された人間はその時点で人間とは異なる存在となっている場合が多い。 ほかに、魔物と魔物使いのあいだには契約線と呼ばれる目に見えない線が結ばれており、それを通して魔物の負ったダメージや毒物の影響を魔物使いとリンクするリスクが存在している。

リライト能力 (りらいとのうりょく)

自分の体を自身が望んだ通りに書き換える力。天王寺瑚太朗やかつての鳳咲夜が有していた能力。身体能力の向上をはじめ、知能レベルの上昇や体の物理的な変化や進化まで行える汎用性に富んだ能力である一方、書き換えは一方通行であり、一度書き換えてしまうと、容易に戻す事ができないというデメリットがある。能力の発動には命、即ちアウロラの力を消費するため、リライト能力を使用すれば使用するほど寿命を削る結果となる。 また行きすぎた書き換えによって人間の限界を超えてしまうと、体や精神の崩壊によって死に至る危険性も秘めており、その逆に永劫を生きる存在となってしまう場合もある。

アウロラ

万能の力や生命力、命の力などさまざまな言い回しをされるエネルギー。生命発生を促進する活力とされており、重力の強い影響を受ける。そのため、大きな質量を持った惑星の表面にある資源と結合する事で堆積する。通常は目に見る事ができないが、波長が合う人物などにはオーロラ状に認識される。また特別な環境下に置かれると常温で液状化する事があり、風祭市の森の奥で虹色に輝く沼のような形で現れていた。 アウロラを宿した生命の活動を記録し、その履歴を参照して再現する性質がある。それらを利用して異なる星や世界に生命を拡散しようとする力があり、一種の本能や星のシステムそのものとなっている。アウロラのそうした性質は次元を超えて拡散、あるいは漏出しており、時空間を超えた現象を引き起こす事さえ可能としている。 こうしたアウロラの力を利用できる人間を「魔物使い」や「超人」「リライト能力者」と呼び表す。

可能性の系統樹 (かのうせいのけいとうじゅ)

時間線上での多元的振動現象による樹状のもつれ。短時間に資源が大量消費されるなどした事で、大気中にアウロラが放出された事により発生した。未来方向に起こるこの振動現象によって、アウロラ本来の持つ拡散する性質により樹が枝を広げるように世界を拡散し、成長していく。端的にいうならば、幹を軸として分岐する、異なる可能性を持った世界が増殖する現象の事であり、一種の並行世界論である。 アウロラが持つ「拡散」という本能に従って、時空間に広がった可能性はアウロラが異なる星に到達する可能性を模索する。

枝世界 (えだせかい)

「可能性の系統樹」における幹から派生した世界。アウロラの本能とも呼べる性質に従ってあらゆる可能性を模索しつつ拡散しており、異なる星へアウロラを届けうる可能性を求めている。逆にそうした見込みのない枝世界は「鍵」による再進化などの影響で早々に潰えてしまう。枝世界ごとに異なる因果関係を持つ世界が誕生しているため、天王寺瑚太朗が作中のヒロインの誰かと結ばれる未来がある一方で、OLと結婚して一般的な家庭を築く世界が存在する。

(かぎ)

過去、幾度となく世界に現れた「救済(再進化)」をもたらす存在であり、星の端末と伝えられる存在。人間社会に現れて文明を学び取るため、高度な学習能力を持っている。文明を学習した結果、その文明がアウロラをほかの星々へ拡大する可能性に乏しいと判断した場合、鍵の意思にかかわらず自動的に再進化を発動し、文明をリセットする。 唯一の知的生命である人間から文明を学び取るため、人間の少女のような姿をして現れるが、現れたばかりの時は言葉を話す事もできないほどに純粋無垢な存在であり、学習できない環境に隔離された場合、知能を成長させる事ができない。また、通常は周囲の認識を阻害しており、認識するための能力を獲得した超人や、特に波長の合う人間にしか見えない。 過去、幾度となく再進化を行っているほか、役目を終える前にガーディアンによって討伐されるといった事もあった。しかし、その度に新たな鍵が生まれ、文明の裁定を行って来た。

庭の文明 (にわのぶんめい)

拡張された天体の空間で再現された、より大きな天体の文明の事を「庭の文明」という。表面積の少ない天体で発生する、物理定数の書き換えが促進される現象により、実際の面積よりも大きな空間が利用できるようになる。こうして生み出された文明では生命の生存は容易となる一方、物理的な強度に乏しいため、生み出された知的生命をより高みへ導く事が難しいとされている。

聖女 (せいじょ)

ガイアにおいて宗教的な指導者として崇められる存在。魔物使いの突然変異種であり、太古の昔に宗教指導者であったが民衆に裏切られた聖女が、自身の人間社会に対する憎しみを後世に伝えるために生み出した記憶と経験の継承技術を、記憶や感情と共に受け継いでいる。代々の聖女は死期を悟ると、身近においた後継者に記憶と感情を転写していく。 そのため元の人格への強い影響は避けられず、加島桜や千里朱音も転写が進むにつれて徐々に人格に異変をきたし、人間世界の滅びを望むようになっていった。

クレジット

原作

Key/ビジュアルアーツ

協力

TVアニメ「Rewrite」製作委員会

書誌情報

Rewrite:SIDE-TERRA 全4巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉

第1巻

(2016-09-27発行、 978-4048923606)

第2巻

(2017-03-27発行、 978-4048928540)

第3巻

(2017-12-16発行、 978-4048934978)

第4巻

(2018-09-25発行、 978-4049120714)

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