SD頑駄無 武者○伝3

SD頑駄無 武者○伝3

一式まさとの代表作である「SD頑駄無 武者○伝」シリーズの第3作目。作者、主人公を変えて展開されている「武者ガンダム」シリーズとしては15作目にあたる。前作『SD頑駄無 武者○伝2』で生み出された悪の勢力・破異武立闘武者を統率する立場として生まれた破牙丸が、武者頑駄無たちの持つ武者魂に憧れを抱きながら、本来は同胞であるはずの破異武立闘たちとの戦いを繰り広げていく。

正式名称
SD頑駄無 武者○伝3
ふりがな
えすでぃーがんだむ むしゃまるでんすりー
原作者
サンライズ
作者
ジャンル
時代劇
関連商品
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世界観

人間世界とは別の場所に、武者頑駄無たちが暮らしている星がある。その中でも天宮と呼ばれる日本列島と酷似した形をした国の中で、武者頑駄無たちと悪の武者たちが永きにわたって戦いを繰り返していた。またこの天宮は代々「大将軍」と呼ばれる役職の頑駄無が国を統治する立場にある。

あらすじ

前作『SD頑駄無 武者○伝2』の最終決戦で吹き飛ばされた破異武立闘武者のプリンスの卵から生まれた破牙丸は、破異武立闘武者として本来持っているべきメモリーの入った種をマサキに食べられたため、プリンスとしては不完全な状態で生まれてしまった。しかし卵の姿ながらに感じた武者魂に興味を持ち、武者頑駄無たちと関わりを深める中で、破牙丸は「破異武立闘武者」でも「武者頑駄無」でもない在り方を模索していく。

関連作品

本作『SD頑駄無 武者○伝3』と世界観を同一にする前作、前々作として、主人公や敵キャラが異なる『SD頑駄無 武者○伝』と『SD頑駄無 武者○伝2』がある。この2作の登場人物も本作に数多く登場し、ストーリーも深く繋がっている。また本作には、作者や主人公を変えて展開されている「武者ガンダム」シリーズの過去作品からも、キャラクターが多数登場している。なお本作は刊行されてから数年を経て「復活ボンボンシリーズ」としてコミックス全3巻分の内容が収録され、上下巻で復刊されている。

登場人物・キャラクター

破牙丸 (ばきまる)

赤い卵から生まれた破異武立闘武者。サバイバル生活を送っていたマサキが自炊していた焚き火に飛び込んできた。普段は赤い卵の殻を被ったような、丸っこい小さな姿で過ごしている。本来は3人いる破異武立闘のプリンスとして生まれるはずだったが、マサキに大事なメモリーの入った破牙麻の種を食べられてしまったため、破異武立闘を率いるための心構えや使命感などを持ち合わせていない。 「現大将軍、そして次期大将軍であるワカを倒す」という目的だけを覚えている。本名は「破牙魔R-01」だが、同じ破異武立闘である磁武械に名前を呼ばれると、虫唾が走ったという理由で、破牙丸と改名している。また孵化する前の状態で前作『SD頑駄無 武者○伝2』での最終戦の様子を聞いていたため、武者魂に強い興味を持っており、武者魂を感じない武者頑駄無たちに発破をかけては、それぞれの武者魂を奮い起こさせている。 「獣王武神形態」になると、頭部がイヌ科の獣のように変形する。かつて敵の侵攻で危機に陥った天宮を守った三人の若武者の生まれ変わりの1人。 同じく生まれ変わりであるワカ、武者丸と心を1つにすると、「鳳凰似帝大将軍」となることができる。またこの鳳凰似帝の力と共鳴すると「超将爆牙」に、鳳凰似帝大将軍時に破牙丸が行動の主導権を得ると「裂ッ駆離大将軍」になる。また無者の月にて破牙魔R-02と破牙魔R-03と合体した際は、「ケルベロス」という三つ首の破異武立闘になった。 さらにケルベロスが倒れた後に一度卵に還った際には、色が黒くなっており、再度孵化した際には自らの意思で武者頑駄無に生まれ変わり、「超将軍闘我」を名乗っている。

マサキ

天馬の国に住んでいる男子小学生。家族構成や過去の経緯など一切不明だが、常にサバイバル生活を送っている。破牙丸と出会った際にも海岸で自炊していた。卵から孵った破牙丸が「破牙魔R-01」と名乗ったのを聞き間違えて「バキマル」と呼んだことが、破牙丸改名のきっかけとなっている。何事にも物怖じしないあっけらかんとした性格で、孵ったばかりの破牙丸が持っていた破牙麻の種を、悪気なく食してしまう。 腹を下った大便の中から、消化しきれず残っていた種を拾ってくる大胆なところもある。それ以来その種を鉢植えにして様々な食材を肥料にして育てており、天宮に渡ってからも、破牙丸の求めに応じて種を渡している。しかしコンニャクやカマボコを肥料にして育てた種では、逆に破牙丸を無力化していた。 誰にでも話を合わせる調子がいいところもあるが、最終決戦を前にして、破牙丸が武者頑駄無たちと共闘することに戸惑いを見せた際には、わざと戦いから遠ざけてその本心を自覚させた。

武侍丸 (ぶしまる)

天宮の首都近くにある村に暮らす武者頑駄無。月代を彷彿とさせる頭部デザインが特徴。真面目で、守るべき村人たちには優しいが、頭が固く融通が利かない性格。破牙丸が破異武立闘武者で、「現大将軍、そして次期大将軍であるワカを倒す」と明言していると知ると、破牙丸の行動の善悪に関わらず、彼を捕らえようとしていた。 先祖代々の家系を尊ぶ気持ちが強すぎ、戦前の口上が長すぎて呆れられることもある。また、家紋の「知」という字を「和」と勘違いしていた、という間抜けな部分も持つ。破牙丸に武侍丸の武者魂とはなにかを問われた際に、自らを省みた結果、本和神城の全壊を狙って亜名刃遺武山から砲撃を繰り返す岩大筒たちとの戦闘中に、武者魂を獲得する。 のちに鉄板丸を相棒と称しており、その関係は破牙丸たちも周知している。使用する武器は一刀松。

鉄板丸 (ぶりきまる)

天宮に暮らしているNEO鉄機武者と呼ばれる種族の1人。ちなみに、なにがNEOなのかの説明はされていない。大量の火器が搭載され、歯車のモチーフが散見される重厚な鎧を身に着けている。本和神城が破異武立闘武者に砲撃されているという情報を知り、砲撃場所である亜名刃遺武山に駆けつけた。本来は具和殿輪亜駆守内で最終防衛兵器として大切に守られてきた。 しかし、それゆえに出陣が許されておらず、仲間たちの死を看取ることもできなかったことを、激しく悔やんでいる。そのため、登場当初は破異武立闘との戦いで命を落とし、仲間たちの跡を追うことを密かに期待していた。しかし災呼との戦いに勝利して生き残ったことを悔いていた鉄板丸に、破牙丸が「お前の最終決戦はこんなものなのか」と発破をかけて以降、大切なものを守る不屈の魂こそが己の武者魂ではないか、と考えるようになった。 装着している鎧を解除すると、「規制解除活性化形態」になり、非常に素早く動くことができる。破牙丸が現大将軍、そして次期大将軍であるワカを倒そうとしていることを知り、武侍丸とともに行動しているため、周囲からは相棒関係と見られている。 使用する武器は木鍛刀。

ブオー

翼の生えた丸っこい牛のような姿をした謎の生き物。天宮にある具和殿輪亜駆守近くで、マサキが見つけた。額には武者頑駄無たちと同じアンテナが付いている。人の言葉を理解しているが、自身は「ブオー」「ブオブオ」と鳴くだけで話すことはできない。具和殿輪亜駆守から鎧工廠までの間、マサキと破牙丸の乗り物として同行していた。 以降は最終決戦後まで姿を消している。実は前々作『SD頑駄無 武者○伝』で武者丸と合体して「武王頑駄無」にさせることのできる鎧であり、本和神城が破壊された理由のほとんどは、武王頑駄無にパワーアップした武者丸が暴れたためと明かされている。

神槍丸 (しんそうまる)

本来は影舞乱夢の武者であり、王室警護隊の隊長を務めていた武者頑駄無。軽装の鎧を身に着け、幼少期の過ぎたイタズラを戒める金冠を被り、雲に乗って移動するなど、「西遊記」に登場する孫悟空を彷彿とさせる。影舞乱夢きっての槍の使い手であり、現大将軍に破異武立闘武者打倒の秘策を伝えるために、天宮へとやって来た。 過去に部下の世和丸が重傷を負ったのを目の当たりにしており、破異武立闘培養機によって破異武立闘化された影舞乱夢武者たちとの交戦を忌避していた。その弱腰の姿勢を、破牙丸から「武者魂を感じない」と叱責されたことをきっかけに、破異武立闘培養機を攻撃することで破異武立闘化が解けると見抜き、すべてを守ることこそ自らの武者魂だと確信した。 登場当初は、公儀武者の「飛脚」として、武侍丸や鉄板丸に書状や武器を届けていた。

世和丸 (よわまる)

影舞乱夢で王室警護隊に所属している武者頑駄無。戦いでは非常に弱く、隊章も所持していない。しかし神槍丸を慕っており、また神槍丸もガッツのある世和丸に手作りの隊章を渡すなど、非常に可愛がっていた。悪江璃亜守が影舞乱夢の王城本殿を砲撃しようとしていると知った際、城壁に大砲を持ち上げて逆に砲撃し、本殿を守った。 しかし、それに逆上した悪江璃亜守によって腹部を槍で貫かれ、意識を失ったところを無限法士によって拉致。神槍丸との戦いで瀕死となった悪江璃亜守の器として利用された。「新悪江璃亜守」の体となってからも、神槍丸の声に反応し、悪江璃亜守の意識を抑え込むほどの粘り強さを見せた。

紅天 (こーてん)

影舞乱夢の赤い武者頑駄無。鎧工廠の給食係として潜入していた。蒼天とは兄弟であり、常に行動をともにしているが、ケンカが絶えない。また天才料理人を自称しているが、その味は口にした武者の意識が別世界を垣間見見てしまうほどの不味さ。紅天の作ったものは味付けがバラバラと評されている。ただし味付けを蒼天が、火加減を紅天が担当した料理は、ラーメン1つとっても麺が光り輝いているほどの出来映えで、味も素晴らしいものになる。 もともとは影舞乱夢の諜報部員だったが、あまりにケンカばかりしているのでクビになっている。鎧を装着すると「紅天丸」と名乗る。蒼天と合体すると、「荒烈麒麟」という麒麟の姿をした鎧に変形することができる。これもケンカが原因で、その能力を生かせていなかった。 その原因が自分たちにあるとは思っておらず、鎧性能を引き出そうと天宮に渡って、鎧職人の怒貫丸に鎧の修復を頼む機会を窺っていた。

蒼天 (そーてん)

影舞乱夢の青い武者頑駄無。天宮にある鎧工廠の給食係として潜入していた。紅天とは兄弟であり、常に行動をともにしているが、ケンカが絶えない。また天才料理人を自称しているが、その味は口にした武者の意識が別世界を垣間見見てしまうほどの不味さ。蒼天の作ったものは素材がほとんど煮えていないと評されている。 ただし味付けを蒼天が、火加減を紅天が担当した料理は、ラーメン1つとっても麺が光り輝いているほどの出来映えで、味も素晴らしいものになる。もともとは影舞乱夢の諜報部員だったが、あまりにケンカばかりしているのでクビになっている。鎧を装着すると「蒼天丸」と名乗る。紅天と合体すると、「荒烈麒麟」という麒麟の姿をした鎧に変形することができるが、これもケンカが原因で、その能力を生かせていなかった。 その原因が自分たちにあるとは思っておらず、鎧性能を引き出そうと天宮に渡って、鎧職人の怒貫丸に鎧の修復を頼む機会を窺っていた。

怒貫丸 (どっかんまる)

天宮にある鎧工廠で、随一の腕を持つ鎧職人として働いている武者頑駄無。額に大きなパラボラアンテナが付いており、草摺部分が工具エプロンのようになっている。食事も取らず半年間も研究室にこもっており、破牙丸たちが鎧工廠に訪れたタイミングでようやく出てきたが、空腹のため干からびたように痩せ細っていた。紅天と蒼天が共同調理したラーメンを食べて復活し、武者たちの鎧を修復した。 鎧の状態を見る際には、「鎧性能お見積もり」と発言するのが特徴。自走工具箱である「呼突誇工具」が鎧であり、装着すると全身が工具で形成されている状態になる。

武者丸 (むしゃまる)

夢者遊撃隊の切り込み隊長を務める武者頑駄無。関西弁を使い、せこい性格が特徴。前々作『SD頑駄無 武者○伝』の主人公。かつて意思伝達体によってブオーを授けられており、ブオーと合体することによって「武王頑駄無」となっていた。しかし言うことを聞かないブオーに愛想を尽かし、新しい鎧を手に入れるために、鎧工廠から鎧を運び出している粗苦たちに交じって、ゾナーを盗み出した。 実は本和神城を破壊した張本人であり、破異武立闘武者たちがバラ撒いていた「武者を破異武立闘化してしまう種」を、すべて食べて微妙に破異武立闘化。「武王頑駄無」になって大暴れしたと自白している。『SD頑駄無 武者○伝』での活躍によって頑駄無流の師範代にまでなったが、あまりのナマケモノさ加減でクビになったと、機王頑駄無が執筆した本「夢者遊撃隊の真実」に書かれている。 しかしその経験から、ワカからは「武者丸師範代」と呼ばれることもある。ゾナーと合体すると、隻眼の「武者○秘将軍」になることができ、巨大兵器「最善門」を起動することができる。 かつて敵の侵攻で危機に陥った天宮を守った三人の若武者の生まれ変わりの1人。同じく生まれ変わりである破牙丸、ワカと心を1つにすると、「鳳凰似帝大将軍」となることができる。またこの鳳凰似帝大将軍時に武者丸が行動の主導権を得ると、「野ッ突化大将軍」になる。天馬の国に住んでいた頃はススムと行動をともにしていたため、たこ焼きが大好物。 ススムからは「武ちゃ丸」と呼ばれている。

ゾナー

巨大兵器「最善門」を起動させることができるとされる赤備えの鎧。頭部に矢が三本刺さったような姿をしている、巨大で赤く丸い鳥。黒目部分はないが目つきが悪く、「ゾナー」と鳴くのが特徴。非常に短い翼を持っており、いざとなればかなり苦しそうにではあるものの、マサキを乗せて空を飛ぶことはできる。

ワカ

武者頑駄無たちの国、天宮を現在統治している現大将軍の息子。ほとんどの武者たちから「ワカ様」と呼ばれている。生き別れの兄であるトノについては、存在も知らなかったようだが、出会って以降は「兄上」と慕っている。頭部には猫耳のような突起があり、足も他の頑駄無たちのように機械らしい造形ではなく、猫の足のように丸く、指のようなものもある。 基本的に丁寧な口調で、「ですぅ」などの間延びした語尾が特徴。前作『SD頑駄無 武者○伝2』の主人公であり、前作の最終決戦時に卵の状態だった破牙丸を弾き飛ばし、間接的にではあるが、破牙丸とマサキの出会いのきっかけを作った。物ではなく人命を第一に考えており、悩威影との戦いで烈帝城が崩壊した時も、「民あってのものだから、城はまた作ればいい」と断言していた。 かつて敵の侵攻で危機に陥った天宮を守った三人の若武者の生まれ変わりの1人。同じく生まれ変わりである破牙丸、武者丸と心を1つにすると、「鳳凰似帝大将軍」となることができる。さらに最終決戦時に正式に大将軍に就き、「珀神丸大将軍」を名乗っている。

トノ

武者頑駄無たちの国、天宮を現在統治している現大将軍の息子。ワカの兄。しかし、首も座らぬ赤ん坊の頃に、円従烏賊族に人質として差し出されたため、ワカと面識はなかった。相棒として、小さい円従烏賊を連れている。登場当初は、自分を捨てた父親への恨みから、天下取りのためにやって来たと語っていた。実際は、現大将軍とはずっと手紙でやりとりしており、破異武立闘武者に協力している城代家老の御豪鬼頑駄無の口車に乗せられている振りをしていた。 円従烏賊族の暮らす密林を好んでおり、烈帝城を乗っ取った振りをした際にも、内部を密林に改造していた。相棒の小さな円従烏賊と合体すると、「火威獣丸」になることができる。またトノ自身は、円従烏賊族の一員として生きていくことを望んでいる。

意思伝達体 (さぽーとぷろぐらむ)

目深に被った帽子と襟の高いコート、大きな靴で全身が隠れている人型のキャラクター。正体は、かつて天宮を救った三人の若武者を祀る烈帝城地下の慰霊碑に眠る、鎧の残留思念が生み出した意思伝達体。前々作『SD頑駄無 武者○伝』から、陰ながら手助けする謎のキャラクターとして登場していた。破牙丸、武者丸、ワカが3人の若武者の生まれ変わりであることを告げ、心を1つにして最強の武者「鳳凰似帝大将軍」になることを促した。

覇利丸 (はりまる)

ラップが趣味という僧。法術を使って戦う時防流に所属している。自分のことを「ミー」、相手のことを「ユー」と呼び、語尾には「Yo(ヨー)」と付ける特徴的な話し方をする。眼鏡をかけており、眼鏡が外れると、ほぼなにも見えない。ブライトとは犬猿の仲で、仲間意識が芽生えた現在も反目し合っているところはあるが、心配している様子が見られる。 大僧正に破牙丸の本質を見定めさせるため、撃鱗将頑駄無が時防流総本山への案内役を命じた。破牙丸が過去の自分と似ているように感じており、たとえ破異武立闘武者であろうと、気持ちが通じ合えば、それだけで仲間になれると力説した。

撃鱗将頑駄無 (げきりんしょうがんだむ)

號號将頑駄無とともにワカを小さい頃から鍛えている師匠。最強の流派と言われる頑駄無流の師範をしている武者頑駄無。現大将軍とともに氷の亜名刃遺武山の火口跡に作られた基地に移っており、現大将軍の身辺警護を務めている。覇利丸からは、その厳しさから「オニ」と呼ばれている。

號號将頑駄無 (ごーごーしょうがんだむ)

撃鱗将頑駄無とともにワカを小さい頃から鍛えている師匠。最強の流派と言われる頑駄無流の師範をしている武者頑駄無。現大将軍とともに氷の亜名刃遺武山の火口跡に作られた基地に移っており、現大将軍の身辺警護を務めている。かつては叛多亜武者だったが、幼少時のワカに出会って以降は、現大将軍家に忠誠を誓っている。 前作『SD頑駄無 武者○伝2』で死亡した弟の「烈號」から、破異武立闘武者の指揮系統で重要な役割を持つ「補助頭脳」の位置を聞いており、ワカを筆頭とした精鋭部隊に直接無者の月に乗り込んで、補助頭脳を破壊する計画を伝えた。

大僧正 (だいそうじょう)

時防流総本山に身を置いている時防流の最高権力者。仏具の法輪に似た巨大なものを背中に背負っている。破牙丸が時防流総本山に到着した際には、無限法士との戦いで負傷した状態だった。破牙丸を敵であるが敵ではないとし、時防流の教えの1つである「1つにしようとせず1つになろうとすべし」を説いた。

現大将軍 (げんだいしょうぐん)

ワカとトノの父親にして、現在の天宮を納めている大将軍。正式な名前や姿は不明。破異武立闘武者への反撃に備えて、氷の亜名刃遺武山の火口跡に作られた基地に移り、秘密裏に宇宙用ロケットの開発や破異武立闘兵の捕獲、調査や指揮系統の分析を進めさせていた。ワカからは「お父上様」、トノからは「親父」と呼ばれている。

機王頑駄無 (きおうがんだむ)

夢者遊撃隊で最速のスピードを誇る鉄機武者。シンヤを弟のように思っており、天馬の国で暮らしていた時には、シンヤの家で世話になりつつ警察組織に属していた。富士山に集まりやすい特性を持つ天馬の国沈没エネルギーを、破異武立闘武者たちが狙っていることを知り、奪われる前に確保するため、ブライトとともに富士山頂で我致止飛、及び活殺裏葛篭を利用した作戦を実行しようとしていた。 しかし2人の命を犠牲にする作戦に異を唱えた破牙丸と、破異武立闘の天馬の国沈没エネルギー吸収装置を確保して利用するというマサキの代案のおかげで、命を救われている。最終決戦時には、応援用ドームに集まった多くの人を空中から警備するという名目で、こっそりと無者の月での戦いに赴こうとしていた。 しかし、シンヤに釘を刺されて不参戦となった。「夢者遊撃隊の真実」という本を出版してベストセラーにもなっており、その中で武者丸の数々の怠惰ぶりを書き記しているため、読者たちからは「暴露本」として知られている。

ブライト

前作『SD頑駄無 武者○伝2』では天馬の国にやって来ていた武者頑駄無。ワカを陰で守護する役目を与えられていた。覇利丸とは仲が悪いが、ワカを守る仲間として認識している様子が見られる。コージとは以前からの友人で、常に体を心配している。かつて命を落としたワカを蘇生させるために、活殺裏葛篭を用いて命を移したが、その後復活して「光斧雷頑駄無」になった。 今作では富士山に集まりやすい特性を持つ天馬の国沈没エネルギーを、破異武立闘武者たちが狙っていることを知り、奪われる前に確保するため、機王頑駄無とともに富士山頂で我致止飛、及び活殺裏葛篭を利用した作戦を実行しようとしていた。しかし2人の命を犠牲にする作戦に異を唱えた破牙丸と、破異武立闘の天馬の国沈没エネルギー吸収装置を確保して利用するというマサキの代案のおかげで、命を救われている。 最終決戦時には応援用ドームに集まった多くの人を空中から警備するという名目で、こっそりと無者の月での戦いに赴こうとしていたが、コージに釘を刺されて不参戦となった。

シャチョー

前々作『SD頑駄無 武者○伝』から「鎧王頑駄無」の本体として登場している小柄な武者頑駄無。かつては名古屋を本拠地とする大企業「鎧王グループ」の社長を務めていたが、一度倒産させている。その後は武者小路財閥の経済援助を得ながら、どうにか継続させるために奮闘している様子が見られる。天馬の国沈没エネルギーを破異武立闘武者に奪われないために、やむなく機王頑駄無とブライトの命を犠牲にする作戦を立てていた。 マサキの代案を採用し、自ら破異武立闘の用意した天馬の国沈没エネルギー吸収装置を確保するため、鎧王頑駄無の鎧鋼力服の出力を調節しての砲撃に臨んだ。

ナンシー阿久津 (なんしーあくつ)

天馬の国の名古屋で、「鎧王グループ」社長としてのシャチョーの秘書を務めている女性。長い金髪をポニーテールに結った、アシンメトリーの前髪が特徴。鎧王グループが倒産した後も、秘書としてシャチョーを支えており、さらに「鎧王頑駄無」のオペレーターとしての活動も行っている。実は腕っ節が強く、以前はヤクザに鉄拳を見舞って、顎で使っていた時期もある。

武者小路ナオミ (むしゃのこうじなおみ)

武者小路財閥の令嬢。大きなポニーテールにリボンをつけ、眼鏡をかけている。非常に気が強い性格。天馬の国で流行している武者頑駄無たちによる非合法の武者バトルを合法化してリーグ化した「武者リーグ」を開催している。天馬の国を訪れていたワカが所属していた武者バトルチームのオーナーでもあり、ワカを非常に可愛がっている。 天馬の国沈没エネルギーを確保するための作戦に参加しており、シャチョーに対し経済援助を行っていることを強調していた。

磁武械 (じむかい)

破異武立闘武者の1人。卵から孵ったばかりの破牙丸を迎えに、天馬の国まで小隊を率いて来た。破牙丸を破異武立闘のプリンスとして迎え入れようとしていたが、あくまでも自分の意思で行動しようとした破牙丸を捕獲しようと戦闘を開始。のちに破牙丸を反乱因子と断定し、破牙丸の獣王武神形態で撃破された。

岩大筒 (がんきゃのん)

破異武立闘武者の1人。本和神城を砲撃する部隊を率いており、亜名刃遺武山に陣を敷いていた。亜名刃遺武山にある英霊碑を前にした武侍丸を砲撃し、一時は追い詰めたが、破牙丸の言葉で武者魂に目覚めた武侍丸によって撃破された。

災呼 (さいこ)

破異武立闘武者の1人。「破異武立闘示威武装」とともに具和殿輪亜駆守を襲撃した。巨大な体躯をしており、具和殿輪亜駆守からの砲撃をものともしない屈強さを兼ね備えている。一度は鉄板丸をも力で圧倒したが、破牙丸からの言葉により自らの使命を改めて認識し、「規制解除活性化形態」となった鉄板丸によって撃破された。

粗苦 (ぞっく)

破異武立闘武者の1人。鎧工廠に収められている大量の鎧を盗み出し、輸送を担当した部隊を率いていた。女性のような口調で話す。偽の攻撃情報を流して鎧工廠にいた武者頑駄無たちを出撃させるなど、策士な面を見せる。紅天と蒼天が合体した「荒烈麒麟」によって撃破された。

御豪鬼頑駄無 (ごごうきがんだむ)

破異武立闘武者の1人。烈帝城に勤める城代家老の1人でありながら、烈帝城を手に入れられるという欲望に負け、破異武立闘化していた。トノの立場を利用して次期大将軍にと擁立しながら利用し、ワカや城内の武者頑駄無たちを投獄。いざトノが邪魔になった際にも、楽に始末できるようにと仕組んでいた。しかし逆にトノに罠にかけられており、本性を見せて「火威獣丸」となったトノに敗れた。 トノからは「ジイ」と呼ばれていた。

悩威影 (のいえ)

破異武立闘武者の1人。巨大な体躯を持っており、蝶やトンボの腹部のように長い下半身を持つ。「神武兜頑駄無」となったワカを烈帝城ごと押し潰そうとした結果、烈帝城を全壊させ、誰も存在を知らなかった烈帝城地下の慰霊碑までワカと武者丸、破牙丸を墜落させた。その結果、3人が合体した「鳳凰似帝大将軍」に撃破された。

悪江璃亜守 (あくえりあす)

破異武立闘武者の1人。もともとは影舞乱夢の首都を襲っていた部隊を率いていた。破牙魔R-02たち破異武立闘のプリンスを疎んじており、自らこそが破異武立闘を指揮するべき存在だと自負している。影舞乱夢での神槍丸との戦いで瀕死の重傷を負ったが、無限法士の錬金術によって、同じく瀕死の重傷を負っていた世和丸の肉体を使って「新悪江璃亜守」として復活。 神槍丸の呼びかけに応える形で意識を取り戻した世和丸によって動きを封じられ、神槍丸とワカたちの合体した「鳳凰似帝大将軍」によって撃破された。

無限法士 (むげんほうし)

時攻流に属する僧。全体に白い印象を持つ時防流の僧に対し、全身が黒い。『SD頑駄無 武者○伝』シリーズの流れを意図的に作り上げた黒幕。前々作に登場した堕悪闇軍団や前作登場の叛多亜武者までも陰から操り、天馬の国沈没エネルギーと錬金術を用いて破異武立闘武者たちを作り出した。時防流の開祖が時防流総本山内に封印していた教典を奪うため、大僧正たちを襲った。

破牙魔R-03 (ばきまあーるぜろすりー)

破牙丸と同じく、破異武立闘のプリンスと呼ばれるうちの1人。破牙丸の赤いパーツをそのまま青くした姿をしている。一撃の威力は重いが、技術面では破牙丸、武侍丸に一日の長がある。兄弟である破棄魔R-02には、力をうまく引き出せていないと言われている。無者の月にて破牙丸、破牙魔R-02と合体した際は、「ケルベロス」という三つ首の破異武立闘になった。

破牙魔R-02 (ばきまあーるぜろつー)

破牙丸と同じく、破異武立闘のプリンスと呼ばれるうちの1人。破牙丸の赤いパーツをそのまま金色にした姿をしている。常に上からものを言うような自信家で、技術、攻撃ともに卓越している。鉄板丸の木鍛刀と武侍丸の一刀松を軽々とへし折るほどの力の持ち主。しかし力の持続力がなく、力を使い切ると、金色の卵の殻を被ったような、丸っこい小さな姿になる。 その上、性格も気弱で泣き虫、蝶を追いかけて走るような無邪気なものに変化する。無者の月にて破牙丸、破牙魔R-02と合体した際は、「ケルベロス」という三つ首の破異武立闘になった。さらにケルベロスが倒れた後に一度卵に還り、無者の月内に安置されていた巨大な卵に転送された後は、破異武立闘武者の王「破棄魔王」として生まれ変わった。

ススム

天馬の国の大阪に住んでいる小学生の少年。カツミの兄。病気療養中の父親に代わり、たこ焼きの屋台を営んでいる。『SD頑駄無 武者○伝』では、超時空転移装置によって天馬の国にやって来た武者丸が空腹で倒れた際、売り物のたこ焼きを差し出して以降、一緒に暮らしていた。最終決戦時には、応援用ドームの中央壇上から武者丸に声援を届けた。

カツミ

天馬の国に住んでいる男子小学生。別々に暮らしているが、ススムの弟。武者バトルのファンで、強いチームのサポーターになりたいと思いながらも、万年最下位の弱小チームのサポーターをしていた。戦い方を充分に知らなかった頃のワカと出会い、戦い方を教えたりしながら、ともに最強の武者を目指していた。最終決戦時には応援用ドームの中央壇上からワカに声援を届けた。

シンヤ

天馬の国の東京に住んでいる小学生の少年。逆立った髪にフォックスタイプのサングラスをかけ、自信に満ちあふれた態度が特徴。以前は思っていることを素直に口に出せない性格だったが、現在ははっきりと物を言えるようになっている。機王頑駄無を兄のように慕っており、最終決戦時には、応援用ドームに集まった多くの人の士気を高めようと声を張り上げる中で、こっそりと無者の月での戦いに赴こうとしている機王に、釘を刺すような抜け目なさを見せた。

コージ

天馬の国の田舎にある総合病院で入院していた病弱な少年。ブライトを「事故から救ってくれた恩人」と言っているが、この事故について作中では触れられていない。ブライトを大切にしており、最終決戦時には応援用ドームの壇上で武者たちに声援を送る一方、こっそりと無者の月での戦いに赴こうとしているブライトに対し、シンヤに便乗して釘を刺していた。

集団・組織

夢者遊撃隊 (むしゃゆうげきたい)

武者丸、機王頑駄無、シャチョーにより構成されている武者頑駄無の部隊。多勢に無勢の逆境であっても、武者魂を忘れない不屈の精神力を持っている。現在は別々に行動しているが、その名は機王が出版した著書「夢者遊撃隊の真実」によって広く知られている。

円従烏賊族 (まるじゅういかぞく)

古来から武者頑駄無を苦しめていたとされる凶獣の一族。大きな丸い目と、トゲの付いた4本の足が外見的特徴。密林に住んでおり、地中を自在に行き来することができる。外皮も硬く、武者頑駄無たちの刀を弾き返すことができると言われている。また口は特に凶刃で、武者頑駄無を食料にして恐れられていた。しかし現大将軍が討滅戦を実行した結果、勝利。 武者頑駄無と円従烏賊族は和平を結び、現大将軍は信頼の証としての人質に、赤ん坊だったトノを差し出している。

三人の若武者 (さんにんのわかむしゃ)

かつて敵の侵攻によって危機に陥った天宮を救った若武者たち3人。烈帝城地下の慰霊碑に祀られている。破牙丸、武者丸、ワカの前世であり、「智」「勇」「豪」それぞれのエネルギーを融合させて巨神に変化し、天宮を守ったとされる。

頑駄無流 (がんだむりゅう)

最強の武者頑駄無集団と言われる流派。師範代だけで約25人、師範代補佐なら100人以上存在すると言われている。超優秀とされる武者たちの頂点に立ち、師範として教えているのが撃鱗将頑駄無と號號将頑駄無の2人。武者丸はこの師範代に大出世したが、怠け者なことが発覚してクビになった。

時防流 (じぼうりゅう)

ハッチャンが所属している「僧」の流派。「式神」を使役したりと、特殊な術を使うことができる。「自己利己なし」の精神を掲げており、常に感情を支配して、自我に溺れることなく精進することを最大奥義としている。武者を蘇生するためには、生きている武者の命を移すしか方法がなく、その術は活殺裏葛篭と呼ばれている。もともとは時操流という流派だったとされる。

時攻流 (じこうりゅう)

無限法士が所属している「僧」の流派。「式神」を使役したりと、特殊な術を使うことができる。もともとは時操流という流派だったが、武者頑駄無と戦い支配することを望む時攻流と、和平と共存を望む時防流の開祖たちで内部対立が起きた。その結果、時防流に敗北し、天宮を追放されたとされる。

時操流 (じそうりゅう)

天宮の世界に初めて現れた、錬金術を使える勢力。時間をも自在に操ることができるため、時操流を名乗ったとされる。その力が天宮の武者頑駄無たちを脅かすまでになった時、表損と和平を望む一派である時防流と、戦いの後の支配を望む一派である時攻流に分かれた。教典はこの時操流の秘術を記したもの。

破異武立闘武者 (はいぶりっとむしゃ)

叛多亜武者たちが作り出した存在。改造武者という位置づけであり、一種のサイボーグやアンドロイドのようなもの。本拠地は無者の月にあり、破異武立闘武者のプリンスを頂点とした指揮系統のもとで行動している。指示の大もとを担っているプリンスと幹部たちの間には補助サーバーが介在しており、これによって指示が円滑に行われている。

堕悪闇軍団 (だーくやみぐんだん)

前々作『SD頑駄無 武者○伝』の敵対勢力。「堕悪魔刃頑駄無」が統率していた、膨大な兵力を誇る悪の武者たち。もともとは時攻流の1人である「鉄仮面」が超時空転移装置を使って過去から呼び寄せた「闇軍団」「暗黒軍団」「天魔軍団」などの所属者だった。堕悪魔刃頑駄無が鉄仮面を殺害して以降、堕悪魔刃頑駄無を首魁として付き従っていた。

叛多亜武者 (はんたーむしゃ)

前作『SD頑駄無 武者○伝2』の敵対勢力。武者頑駄無たちを敵視している月の国の武者。時攻流の無限法士と手を結び、無敵生命体として破異武立闘武者や破異武立闘のプリンスを作り出した。

鎧王グループ (がいおうぐるーぷ)

シャチョーが社長を務める巨大企業。現在は一度倒産したということもあり、武者小路財閥の経済援助の上でどうにか成り立っている。傘下に「鎧王不動産」「鎧王フーズ」「鎧王エンターテインメント」「鎧王工業」などがあったが、現在はどの程度継続しているのか不明。

武者小路財閥 (むしゃのこうじざいばつ)

武者小路ナオミを令嬢とする財閥。本来は非合法であるはずの武者バトルを、自社主催のものに限ってとはいえ合法化、リーグ化した「武者リーグ」を開催するなど、かなりの権力を持っている。また子会社として「武者小路エレクトロニックス」が確認でき、所有物件にムシャノコージスタジアムが存在する。倒産した鎧王グループに経済援助を行っている。

鎧王工業の創設メンバー (がいおうこうぎょうのそうせつめんばー)

鎧丸が天馬の国にやって来た時からの知人である5名の男性。鎧王グループの倒産後、鎧丸の新たな鎧鋼力服を作り上げるために集まった。TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場するガンダム開発者たちと外見が酷似しているが、名前が違う。ドクターJ似の老人は「ポリマー博士」、プロフェッサーG似の老人は「平滑博士」、ドクトルS似の老人は「タービンの源さん」、H教授似の男性は「マグナコイルの忠さん」、老師O似の男性は「チタンの徹っつあん」と呼ばれている。

場所

天馬の国 (ぺがさすのくに)

人間たちが暮らしている世界。天馬の国沈没エネルギーと呼ばれる強大なエネルギーが眠っているという伝説がある。一度は天宮との道は閉ざされていたが、超時空転移装置のレプリカを用いて、比較的自由に行き来することができるようになっている。また天馬の国では武者頑駄無同士がバトルを行う武者バトルが流行している。

天宮 (あーく)

ワカたちが本来暮らしている国。武者頑駄無たちが暮らしている星にある。列島で、日本と酷似した形状をしているとされる。天宮が確立した際、異世界から武法と錬金術が伝承されたと言われている。この起源は明らかにされていないが、この2つの文化をもたらしたのは、天馬の国の人間ではないかとされている。

影舞乱夢 (えいぶらむ)

天宮と海を隔てた大陸の国。武者頑駄無たちが暮らしている星にある。天宮にある建物や鎧が日本の物をモチーフにしているのに対し、影舞乱夢の建物や鎧は中国の物をモチーフにしている。

本和神城 (ほんわかじょう)

天宮に転送された破牙丸たちが最初に辿り着いた場所。破異武立闘武者たちからの襲撃を受けて各所が崩れ、黒煙が上がっていた。当初は岩大筒が率いる砲撃部隊の仕業と思われていた。のちに武者丸が「武者を破異武立闘化してしまう種」をすべて食べて微妙に破異武立闘化し、「武王頑駄無」になって大暴れしたことが原因と判明した。

亜名刃遺武山 (あなはいむざん)

天宮にある山。かつては「亜無覇域夢山」と呼ばれていた。空に向かって鋭く尖った岩山で、山肌には草木が生えていない。10年前に起きた「霊峰決戦」で命を落とした英霊たちを奉る意味から、「名のある武者たちがその刃と武勲を残した山」として現在の亜名刃遺武山に名を改められている。また山頂付近には、この史実を遺す石碑と、一刀松を奉じている刀塚がある。

具和殿輪亜駆守 (ぐわでんわーくす)

天宮にある工場の1つ。天宮に必要な城、街、橋などほとんどすべての部品を作っており、全国に輸送して現地で組み立てられている。各地に点在しているが、本来鉄板丸が待機を言い渡されていた具和殿輪亜駆守が一番大きく、生産量も最大とされている。

不穏不乱峠 (ふおんぶらんとうげ)

天宮にある峠。昔、影舞乱夢から天宮に渡って来た影舞乱夢武者の子孫たちが暮らしている村がある。村には、先祖の遺した伝説の槍を引き継ぐ勇者が現れるという伝説がある。峠には昇雲龍の滝がある。

昇雲龍の滝 (しょううんりゅうのたき)

天宮の不穏不乱峠にある、水量の多い滝。滝の中央を駆け上がるような形で長大な龍の彫刻が立っている。神槍丸の武者魂に反応してこの彫刻が崩れ、それと同時に伝説の槍、天宮乱夢が射出された。

鎧工廠 (よろいこうしょう)

天宮にある鎧の工廠。天宮に存在した過去すべての鎧の詳細データの保管し、またその各機能を熟知した職人がいるとされている。入り口周辺は鎧ギャラリーとなっており、本来はさまざまな鎧が展示されているが、破牙丸たちが到着した時には、粗苦が率いる部隊がすべて盗み出していた。

烈帝城 (れっていじょう)

天宮を治める歴代の大将軍が住んでいる大きな城。本来は現大将軍やワカがここで暮らしているが、破異武立闘武者との戦いに備えて、現大将軍は氷の亜名刃遺武山に本拠地を移していた。地下には、ワカですら知らない烈帝城地下の慰霊碑がある。

烈帝城地下の慰霊碑 (れっていじょうちかのいれいひ)

三人の若武者を祀った慰霊碑。烈帝城の地下に存在する。烈帝城で暮らしているワカでさえ、悩威影が烈帝城を全壊させるまで、その存在を知らなかった。3人の若武者の生まれ変わりである破牙丸、ワカ、武者丸が力を合わせて「鳳凰似帝大将軍」になれるよう、意思伝達体がこの場所に導いた。

無者の月 (ですむーん)

破異武立闘武者の本拠地。もともとは破異武立闘を生み出した叛多亜武者たちの本拠地だった。地上からは丸く見えるが、その原因は無者の月本体を包み込んでいるガス。本体そのものは牙のように尖った岩が、何本も立つ巨大な岩の塊。内部には破異武立闘武者のプリンスから幹部たちへの指示を円滑にする「補助サーバー」が備えられている。

氷の亜名刃遺武山 (こおりのあなはいむざん)

天宮最北の地にそびえている霊峰。亜名刃遺武山の兄弟山ではあるが、その存在はあまり知られていないとされる。頂上の火口跡には巨大な基地が建造されており、対破異武立闘武者戦の反撃に備えて現大将軍、撃鱗将頑駄無、號號将頑駄無が移動した武者頑駄無側の作戦本部となっている。

時防流総本山 (じぼうりゅうそうほんざん)

天宮にある、大僧正をはじめとする時防流の僧たちが生活を送り、修行している場所。雲に隠れるように天空に浮かんでいる複数の巨石の上に、寺院が建造されており、それぞれが吊り橋で繋がっている。「封宝院」と呼ばれる場所には、巨大なカラクリを使用した封印が施されており、教典が隠されている。

富士山 (ふじさん)

天馬の国にある実在の場所。作中においては天馬の国沈没エネルギーが集まりやすい場所とされており、前々作『SD頑駄無 武者○伝』から重要な場所とされてきた。シャチョーたちは富士山山麓に、破異武立闘武者たちが送り込んで来た天馬の国沈没エネルギー吸収装置を天頂部に設置した応援用ドームを、突貫で建設した。

応援用ドーム (おうえんようどーむ)

シャチョーが鎧王工業の創設メンバーに頼んで突貫で富士山山麓に建設した、大きなドーム。破異武立闘武者たちが送り込んで来た天馬の国沈没エネルギー吸収装置を捕獲し、再利用したものを天頂部に取り付けてある。かなりの人数が収容でき、武者頑駄無たちと縁の深い人間が集められて、声援とともに天馬の国沈没エネルギーを送った。

イベント・出来事

武者バトル (むしゃばとる)

天馬の国で流行している、武者頑駄無たちのチーム同士による非合法バトル。開催許可を得ていない往来などで突如として開始されるため、警察組織「交通機動隊」による取り締まりが行われている。のちに、武者小路財閥主催の合法武者バトルリーグ、「武者リーグ」が開催される。本来は武者たちが精神修養のために行っていたらしいが、現在はスポーツとして定着している。

その他キーワード

超時空転移装置 (ぶっとびしすてむ)

前々作『SD頑駄無 武者○伝』で発見された巨大な機械。時間と空間の移動を可能とする驚天動地のカラクリとされている。本物は現在使用されていないが、簡易的なレプリカが天馬の国、天宮の両方に設置されており、比較的自由に行き来ができるようになっている。

一刀松 (いっとうしょう)

亜名刃遺武山にある石碑の前にある刀塚に突き立てられていた刀。武侍丸の先祖が祀ったとされており、この一刀松も、もともとは武侍丸の家の家宝だった。また石碑の中にも武侍丸の家に伝わる鎧が納められており、武者魂を自覚した武侍丸は、一刀松とともにこの鎧も入手している。

木鍛刀 (ぼくたんとう)

具和殿輪亜駆守で出陣した鉄板丸に届けられた巨大な木刀。巨木を圧縮し続けて何万層にも木々が重なっているため、刀身は曲がることも折れることもないとされている。輸送機を使ってしか運べないほどに重いが、鉄板丸はこれを片手で扱うことができる。

天宮乱夢 (あーくらむ)

不穏不乱峠にある昇雲龍の滝に隠されていた槍。峠に暮らす影舞乱夢武者の子孫たちがその存在を語り継いでいたが、その存在や在処は不明とされていた。故郷を想う神槍丸の心に反応して、勝運流の滝にある龍の彫刻内部から射出された。

破牙麻の種 (ばきまのたね)

本来破異武立闘武者のプリンスが食べているべきだったとされる種。中には大切なメモリーが入っていたとされているが、破牙丸が食べるはずだったものは、マサキが食べてしまった。以降はマサキの大便とともに排出された種を植えて実ったものを使用しているが、破異武立闘武者として保持しておくべき知識が得られていない。 破牙魔R-02いわく、万能の力が得られるとされている。

破異武立闘培養機 (はいぶりっとばいようき)

種のようなもので、武者の顔面めがけて張り付く機能がある。この種の中には特殊な培養液が入っており、種が顔に張り付くと同時に注入される。その後は外殻が形成され、言語も持たない破異武立闘武者として使役される。

教典 (きょうてん)

時防流総本山の「封宝院」という場所に封印されている巻物。もともとは時操流の秘術を記したものであり、中には武者頑駄無の世界を支配できる錬金術が記されているとされる。時防流の開祖たちがこれを封印していたが、無限法士は武者頑駄無たちだけでなく、破異武立闘武者をも支配できる力を求めて、この教典の強奪を図った。

天馬の国沈没エネルギー吸収装置 (ぺがさすのくにちんぼつえねるぎーきゅうしゅうそうち)

破異武立闘武者たちが天馬の国の富士山上に転送して来た巨大な装置。強大なエネルギーと言われている天馬の国沈没エネルギーを吸収して無者の月に転送し、破異武立闘の能力強化などに利用するために作られていた。しかしマサキの提案によって、シャチョーが「鎧王頑駄無」の姿でこれを捕獲。再利用し、武者頑駄無たちに縁の深い人間を集めた応援用ドームの天頂部に取り付け、天馬の国沈没エネルギーとともに、無者の月で戦う武者たちに声援を届けた。

鎧鋼力服 (よろいすーつ)

シャチョーが「鎧王頑駄無」の姿になるために乗り込んでいる乗り物。取り外し式のコントローラーがそのまま鎧鋼力服の開閉キーになっている。背中の鍵穴に差し込むと、鎧鋼力服のうなじ部分が大きく開いて、中に乗り込むことができる。内部には視界をぐるりと廻る形でモニターが取り付けられており、さらに内部にもう1つある鍵穴にコントローラーを差し込むと、思う通りに操ることができる。

天馬の国沈没エネルギー (ぺがさすのくにちんぼつえねるぎー)

天馬の国に眠っているとされる強大なエネルギー。天宮の歴史で、2002年に天馬の国を海の底に沈めたとされる。これまでのシリーズでは、このエネルギーの正体は不明とされてきたが、今作で「人の気持ちや想いが生み出す」エネルギーと判明した。あまりに長い名称なので、シャチョーは「ペガチン」と省略して呼んでいる。

武者頑駄無 (むしゃがんだむ)

天宮に暮らしている種族の総称。機械でできているように見えるが、親子関係もあり、成長もする、人間と変わらない生態を持っている。天宮が成立した際に異世界からもたらされた武法によって、武者となったとされている。またこの武者頑駄無の中には、設計図から製造された鉄機武者も含まれる。

鉄機武者 (てっきむしゃ)

武者頑駄無のうち、設計図から製造された人造武者。「鉄機心得」という、感情の働きをする機能が備わっている。この鉄機心得を消去すると最強の武者になれるが、心のないただの機械になってしまう。感情を失った鉄機武者の最後の暴走を食い止める機能は、我致止飛と呼ばれる。

我致止飛 (がちゃんぴ)

鉄機武者に備わっている機能。鉄機武者の感情の働きをしている「鉄機心得」を失い、力だけを振り回す機械となった鉄機武者の、最後の暴走を食い止める機能と言われている。これを使用すると、膨大なエネルギーの発動とともに、使用した鉄機武者は死亡する。富士山山頂では本来、この我致止飛のエネルギーを使って天馬の国沈没エネルギーを吸収するコアを作る、という作戦が実行されるはずだった。

破異武立闘のプリンス (はいぶりっとのぷりんす)

前作『SD頑駄無 武者○伝2』内で叛多亜武者たちが「亜プ皿巣」に育てさせていた卵から生まれた存在。破異武立闘武者全体に戦闘指示を出す「戦場頭脳(サーバー)」であり、各プリンスが武者頑駄無と戦うことによって戦力情報が蓄積される。最終的にプリンスたちが肉体ごと一体化すると、覇王として再生するとされている。 本来は4体のプリンスが生まれるはずだったが、卵が1つ割れてしまったため破牙丸、破牙魔R-02、破牙魔R-03の3人だけが成長した。

武者魂 (むしゃだましい)

武者頑駄無が持っている戦いへの意欲や戦闘力そのもの、精神力の強さなどの総称。破異武立闘武者は持っておらず、また、武者魂を獲得することもできない。磁武械はこれを「武者頑駄無たちの甘さの根源」と一言で切り捨てている。

活殺裏葛篭 (かっさつうらつづら)

時防流の僧が使用することができる蘇生の術の1つ。死亡した武者頑駄無を生き返らせることのできる術。これを成功させるには、生きている武者の命を死んだ武者の体に入れなければならない。しかし本作においては、我致止飛のエネルギーを使って作り出した天馬の国沈没エネルギーを吸収するコアを、活殺裏葛篭で空の入れ物となったブライトの体に確保する、という作戦が、富士山山頂で実行されるはずだった。

クレジット

原作

サンライズ

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