SD頑駄無 武者○伝

SD頑駄無 武者○伝

一式まさとの代表作で、「SD頑駄無 武者○伝」シリーズの第1作。作者や主人公を変えて展開されている「武者ガンダム」シリーズとしては13作目にあたる。人間の住む世界である天馬の国に眠っている強大なエネルギー「天馬の国沈没エネルギー」を狙う堕悪闇軍団の手から世界を守るため、武者丸をはじめとする武者頑駄無たちが戦いを繰り広げる。

正式名称
SD頑駄無 武者○伝
ふりがな
えすでぃーがんだむ むしゃまるでん
原作者
鎧王エンターテインメント
作者
ジャンル
時代劇
関連商品
Amazon 楽天

世界観

人間世界とは別の場所に、武者頑駄無たちが暮らしている星があり、その中でも天宮と呼ばれる日本列島と酷似した形をした国の中で、武者頑駄無たちと悪の武者たちが永きにわたって戦いを繰り返しているという世界観が物語の背景となっている。この天宮では、代々「大将軍」と呼ばれる役職に就く者が国を統治する立場にある。

あらすじ

天宮に近付く小惑星・是断の門の中に、巨大カラクリ超時空転移装置が発見された。時間と空間の移動を可能とするこの装置を使って、過去に活躍した悪の武者たちを蘇らせた堕悪魔刃頑駄無は、「堕悪闇軍団」を名乗って武者頑駄無たちに戦いを挑んだ。その最中、堕悪魔刃頑駄無は異世界である天馬の国にあると伝わる強大なエネルギー「天馬の国沈没エネルギー」を狙い、超時空転移装置を使って転送を開始。その計画を阻止するため同じく天馬の国へと転送された武者丸は、そこでたこ焼き屋台を営む少年のススムと出会い、友情を育んでいく。

関連作品

本作『SD頑駄無 武者○伝』の続編として、主人公や敵キャラクターを変更した『SD頑駄無 武者○伝2』と『SD頑駄無 武者○伝Ⅲ』がある。また本作には、作者や主人公を変えて展開されている「武者ガンダム」シリーズの過去作品のキャラクターたちが多数登場しており、『新武者ガンダム 超機動大将軍』や『超武者ガンダム 刕覇大将軍』などが特に関連性の深い作品となっている。なお、本作も最初のコミックス刊行から数年を経て「復活ボンボンシリーズ」として復刊されており、そちらにはコミックス全2巻分の内容に加えて『SD頑駄無 武者○伝2』に深く関係する特別番外編が収録されている。

登場人物・キャラクター

武者丸 (むしゃまる)

夢者遊撃隊の切り込み隊長を務める武者頑駄無。「常在戦場」「夢者遊撃隊」と書かれた旗指物を付けている、少々粗暴な性格の持ち主。しかし超時空転移装置によって天馬の国の大阪に転送され、ススムと出会ってからは武者魂を失い、丸く小さい「武ちゃ丸」と呼ばれるフォルムとなって過ごしている。武ちゃ丸の時にはススムを「シュシュム」と呼ぶなど、舌足らずになる。 ススムがたこ焼き屋台を新装開店するにあたり、旗指物は「技じまん」「味じまん」と書かれた物に変更。もともと指していた旗は、ススムがたこ焼き屋台に立つ際に身につける鉢巻となった。武ちゃ丸の姿の時は関西弁をしゃべるのんびり屋な性格になっているが、怒りを感じたり戦いを決意した際には、もとの武者丸の姿に覚醒する。 大阪で堕悪殺駆との戦闘をした結果、街を破壊してしまったことで、一度はススムによって段ボールに詰められて捨てられているが、福岡で再会後に和解。のちに謎のキャラクターによってブオーを授けられ、ブオーと合体することによって「武王頑駄無」となる。是断の門に突入する際には、小さい武ちゃ丸の姿のまま機王頑駄無となった斗機丸零参とともに突入部隊の指揮を執っていた。 思い込みが激しい性格でもあり、「熱くないと思えば熱くない」などの思い込みで敵の攻撃を無効化したり、猿の着ぐるみを着て「カスタム超武装」と称し、「武者ザル」という姿になったこともある。また武者丸姿の時にススムが焼き上げたたこ焼きを食べると、全身がクリスタルのような輝きを放つ「武者魂閃光形態(むしゃだましいすぱーくばーじょん)」になることができる。 必殺技は「道頓堀断裂灼熱斬」。

ブオー

翼の生えた丸っこい牛のような姿をした謎の生き物。謎のキャラクターが武者丸に授けたもの。額には武者頑駄無たちと同じアンテナが付いている。人の言葉を理解しているが、自身は「ブオー」「ブオブオ」と鳴くだけで話すことはできない。武者丸と合体すると、「武王頑駄無」にパワーアップさせることができる。

ススム

天馬の国の大阪に住んでいる小学生の少年。病気療養中の父親に代わり、たこ焼きの屋台を営んでいる。超時空転移装置によって天馬の国にやって来た武者丸が空腹で倒れた際、売り物のたこ焼きを差し出して以降、一緒に暮らすようになる。武者丸を、武者魂が抜けた丸く小さな姿の時は「武ちゃ丸」、戦闘中は「武者丸」と、呼び分けている。 大阪で戦闘を繰り広げた結果、街を破壊した武者丸を、一度は段ボールに詰めて捨てたが、ススムの祖父に諭されて反省し、謝罪と和解を決意。ススムのたこ焼き屋台に取り付けた武者丸のアーマーに導かれて福岡で武者丸と再会し、和解した。武者丸がピンチに陥った際には、少しでも元気になってもらおうと、ご当地の名物を入れた特製たこ焼きを作って武者丸に食べさせている。

斗機丸零参 (ときまるぜろすりー)

夢者遊撃隊で最速のスピードを誇る鉄機武者。超時空転移装置によって天馬の国にやって来てからは、東京都の刑事としてシンヤの父親の部下となって活躍していた。武者丸と鎧丸からは「斗機丸」、その他のキャラクターからは主に「トッキー」と呼ばれている。主な武器はナギナタライフルだが、刑事になって間もない頃に強盗に遭遇し、誤って通りすがりのタンクローリーを切断して大惨事を引き起こし、シンヤに大怪我を負わせてしまった。 そのトラウマから、一時期は堕悪闇軍団に対してもナギナタライフルを振り下ろすことができずにいたが、シンヤから一喝されたのをきっかけに、再び戦うことができるようになった。堕悪龍将飛将怒號羅の暴走を食い止めるため、斗機丸零参自身のエネルギーを暴発を制御する我致止飛を発動させて一度死亡。 その後はトランス状態に陥ったシンヤによってプログラムを再構築され、「機王頑駄無」として復活した。

シンヤ

天馬の国の東京に住んでいる小学生の少年。逆立った髪にフォックスタイプのサングラスをかけているのが特徴で、思っていることを素直に口に出すことができない性格。斗機丸零参を兄のように慕っているが、武者丸をたこ焼きで援護するススムのように、直接的な支援ができないことを歯がゆく思っている。斗機丸が我致止飛によって一度死亡した際にはトランス状態に陥り、携帯電話を用いてプログラムを再構築させ、「機王頑駄無」として復活させた。

鎧丸 (よろいまる)

夢者遊撃隊の司令塔を務める武者頑駄無。他の武者頑駄無たちの倍近くある巨体と、何者をも恐れぬ強靱な精神を持った武者。実は、その本体は「シャチョー」と呼ばれる非常に小さい武者頑駄無で、鎧丸としての姿は、鎧鋼力服という乗り物によるものであった。武者丸と斗機丸零参は、その事実を知らされていない。 超時空転移装置によって天馬の国にやって来てからは、豊臣秀吉の天下取りをヒントに経営ノウハウを構築し、名古屋を本拠地とする大企業「鎧王グループ」の社長を務めるまでになった。常に名古屋弁で話す。紅零斗丸の演歌歌手デビューをバックアップもしているが、武者魂を失って何事に対しても非常に臆病な性格になってしまっていた。 しかし、紅零斗丸が鎧丸をかばって堕悪魔刃頑駄無の堕悪馬吸夢に吸収されたことをきっかけに武者魂を取り戻し、企業経営を第一としながらも戦線に復帰する。堕悪魔刃頑駄無に大金庫を奪われて会社を倒産させてしまい、鎧鋼力服も差し押さえられた。その後、暴力団「璃ゲ瑠組」から逃亡する浮浪者となっていた。 ナンシー阿久津の声がけによって集まった鎧王工業の創設メンバーの協力によって、成層圏をも突破できる飛行タイプの鎧鋼力服の制作を成功させ、「鎧王頑駄無」となった。

ナンシー阿久津 (なんしーあくつ)

天馬の国の名古屋で、「鎧王グループ」社長としての鎧丸の秘書を務めている女性。長い金髪をポニーテールに結った、アシンメトリーの前髪が特徴。鎧王グループが倒産した後も秘書として行動しており、鎧王工業の創設メンバーを集めるために声をかけて回っていた。実は腕っ節が強く、暴力団「璃ゲ瑠組」の構成員に鉄拳を見舞いながら、浮浪者となっていた鎧丸を探させていた。 その実力から、「璃ゲ瑠組」の構成員からは畏怖を込めて「姐さん」と呼ばれている。

太田 彩乃 (おおた あやの)

女性司会者。天馬の国の名古屋で、「鎧王グループ」傘下の「鎧王ミュージック」に所属している。紅零斗丸のCDデビューイベントの司会や、「堕悪紅零斗丸」となってしまった紅零斗丸をもとに戻すため、武者丸主催で開催されたカラオケ歌合戦の司会を務めた。

紅零斗丸 (ぐれーどまる/くれないれいどまる)

「鎧王グループ」傘下の「鎧王ミュージック」から、演歌でCDデビューを果たした武者頑駄無。『超武者ガンダム 刕覇大将軍』の主人公。堕悪魔刃頑駄無に過去から呼び出され、超時空転移装置によって天馬の国の山形県でサクランボ農家として暮らしていたが、のどじまん大会で優勝したことをきっかけに、才能を開花させた。 鎧丸を庇って堕悪魔刃頑駄無所有の堕悪馬吸夢に吸収され、以降は「堕悪紅零斗丸」として敵対する。しかし歌への情熱を捨てきれず、武者丸主催のカラオケ歌合戦に、言い訳をしつつも歌の得意な堕悪闇軍団メンバーを伴って現れた。この時、武者丸が紅零斗丸のデビュー曲「人生大津波」を熱唱し、太田彩乃が紅零斗丸愛用のマイクを見せたことをきっかけに、「刕王頑駄無」として覚醒を果たす。

號斗丸 (ごっどまる)

博多でラーメン屋台の手伝いをしている武者頑駄無。『新武者ガンダム 超機動大将軍』の主人公。責任感が強い性格で、武者頑駄無のリーダー的存在と目されている。堕悪魔刃頑駄無に過去から呼び出され、超時空転移装置によって天馬の国の福岡県に来た。その際、ナツミの営むラーメン屋台の鍋に落ちてしまい、ナツミの父親秘伝のスープを駄目にしてしまった。 その償いに、スープを完成させて店を守ると決意している。ナツミとは相思相愛の仲であり、当初はナツミを守ることを優先し、戦線復帰を断念していたが、ナツミの後押しを受けて最終決戦に参戦。是断の門内部に隠されていた機動武神天鎧王に一対一で戦いを挑んだ際、ナツミの愛情から生まれた不死鳥型の飛行パーツと合体し、「爆王頑駄無」となった。

ナツミ

天馬の国の福岡県博多でラーメンの屋台を営んでいる女性。號斗丸が天馬の国に現われた際、行方不明となったナツミの父親が残した秘伝のスープ鍋に落ちて、スープを駄目にしてしまったその彼を怒ることなく、大火傷を負った號斗丸を手厚く看病した心優しい性格。是断の門が富士山頂に現れた際、號斗丸が戦いたがっているのを察して、涙ながらに送り出した。 また、遠くにいながらも號斗丸の危機を察知し、なんの力添えをすることもできないもどかしさに涙したが、その涙が落ちたコンロの炎から、不死鳥型の飛行パーツが出現。この不死鳥型の飛行パーツに自身の愛情を託して號斗丸のもとに届けた結果、「爆王頑駄無」が誕生することとなった。

堕悪魔刃頑駄無 (だーくまじんがんだむ)

鉄仮面が超時空転移装置を使って呼び出した悪の武者の1人。世界征服を命じた鉄仮面に反発し殺害。鉄仮面が呼び出して錬金術で強化した「闇軍団」など、過去の悪の武者たちを「堕悪闇軍団」と命名し、以降指揮下に置いている。天馬の国沈没エネルギーを手中に収め、全宇宙最強の支配者となる野望を抱いている。そのために過去の武者頑駄無たちを呼び出し、改造して使役しようと考えていた。 所持している堕悪馬吸夢は、天の国沈没エネルギーを吸い取る以外に、武者頑駄無そのものを吸収することも可能。紅零斗丸はこれによって吸収され、「堕悪紅零斗丸」に改造されることとなった。また天の国沈没エネルギーが収められていると思い込んで「鎧王グループ」の大金庫を奪った結果、入っていた金塊や株券などを使用し、高層マンションの最上階を購入。 高級ワインなどを楽しむ生活を送っている。

ススムの祖父 (すすむのそふ)

天馬の国の大阪に住んでいるススムの祖父。病気療養中だというススムの父親に代わり、ススムと武者丸を養育している。武者丸を家族と思って接しており、ススムが武者丸を捨てて帰って来た際には、武者丸に対してススムが本当はどう考えているのか気づかせるように優しく諭した。

シンヤの父親 (しんやのちちおや)

天馬の国の東京に住んでいるシンヤの父親。刑事として数々の凶悪事件の捜査にも関わっており、部下の斗機丸零参を、家族同然に大切にしている。仕事の都合でシンヤとの約束を破ることも多いが、シンヤの素直でない性格も熟知しており、堕悪闇軍団との戦いに赴く斗機丸に同行させた。

ナツミの父親 (なつみのちちおや)

天馬の国に住んでいるナツミの父親。秘伝のラーメンスープを作って以降、行方不明となっていた。しかし最終決戦を前に、ナツミの営む屋台にフルヘルメットを着用した状態で登場。ラーメン屋を始める前の、凄腕レーサーだった経験を活かし、堕悪闇軍団の攻撃を掻い潜って、號斗丸を是断の門がある富士山麓に送り届ける運転手を務めた。

鳳凰頑駄無 (ほうおうがんだむ)

堕悪魔刃頑駄無によって過去から呼び出され、超時空転移装置によって天馬の国に飛ばされてしまった過去の武者頑駄無。『SD戦国伝 天下統一編』の主人公の1人。富士山頂に着地した是断の門を本拠地とした堕悪闇軍団との対決を前に、富士山周辺に敷かれた本陣から、軍団長として先発隊に指令を出すなどの指揮を執った。

謎のキャラクター (なぞのきゃらくたー)

性別、年齢、種族などすべてが謎の存在。目深に被った帽子と襟の高いコート、大きな靴で全身が隠れている。武者丸たちの成長と戦いを陰から見守りつつ、時には正体を明かさぬまま手助けしており、武者丸にブオーを授けた。

堕悪殺駆 (だーくざく)

堕悪闇軍団に所属している悪の武者。武者丸が天馬の国の大阪に到着してから半年後に、超時空転移装置によって転送されて来た。三人兄弟であり、うち1人は近くにあったショベルカーと堕悪融合して街を破壊した。当初は、武者魂を失って小さい武ちゃ丸の姿でしかいられなかった武者丸を侮り、目の前でススムの作ったたこ焼きを踏みつけた。 しかしこれをきっかけに、武者丸は武者魂を取り戻すこととなり、道頓堀断裂灼熱斬によって討たれた。

堕悪憎櫓圧斗 (だーくぞろあっと)

堕悪闇軍団に所属している悪の武者。斗機丸零参が天馬の国の東京に到着してから半年後に、超時空転移装置によって転送されて来た。店頭販売されていた多数のカニ型電子ペットを気に入り、堕悪融合して襲いかかった。しかし「サルはカニに強い」という思い込みで「武者ザル」となった武者丸に、柿を投げつけられて撃破された。

堕悪紅陰慢査 (だーくくいんまんさ)

堕悪闇軍団に所属している悪の武者。性別は男性だが、顔には化粧を施し、女口調で話す。鎧丸が経営する鎧王グループの大金庫に天馬の国沈没エネルギーが隠されていると考え、堕悪魔刃頑駄無とともに天馬の国の名古屋にある鎧王グループ本社を襲撃した。

ラジオング

堕悪闇軍団に所属している悪の武者。、堕悪時穏愚がラジオと堕悪融合した姿。堕悪闇軍団の宿将と呼ばれており、多数のアンテナを使った情報分析と、それを用いた心理戦が得意。天馬の国の栃木県、日光で武者丸たちを襲った際、ススムたち人間に助けられている様がペットのようだ、と揶揄してプライドを刺激し、友情を引き裂いて弱体化を図った。

堕悪龍将飛将怒號羅 (だーくりゅうしょうひしょうどっごーら)

堕悪闇軍団に所属している悪の武者。「堕悪龍将飛将」と「堕悪怒號羅」が堕悪融合した姿。天馬の国の富山県、神通川付近で噴出した竜巻状の天の国沈没エネルギーの影響で理性や意識を失い、暴走しながら、周辺の街全体を堕悪融合しようとしていた。

鉄仮面 (てつかめん)

邪悪な錬金術師。是断の門内部に眠っていた超時空転移装置を発見した。頭部をすっぽりと覆う鉄仮面のせいで、年齢や性別が判別できない。かつて武者頑駄無たちに倒された「闇軍団」「暗黒軍団」「天魔軍団」など、悪の武者を超時空転移装置で過去から呼び寄せ、錬金術による強化を施した。しかし世界征服を命じようとした直後、堕悪魔刃頑駄無によって殺害されている。 なお鉄仮面のデザインは、劇場版アニメ『機動戦士ガンダムF91』に登場する「カロッゾ・ロナ」のものと同一。

機動武神天鎧王 (きどうぶしんてんがいおう)

是断の門内部に隠されていた巨大な石像。もともとは天宮を見守る守護神であり、號斗丸と「魔星大将軍」の戦いを見届けたあと、自ら眠りについたはずだった。しかし堕悪魔刃頑駄無に操られ、意識のないまま天の国沈没エネルギーを根こそぎ奪う役割を与えられていた。参戦した號斗丸からの攻撃に反応して反撃に出たが、號斗丸が「爆王頑駄無」になったことによって破壊された。

集団・組織

夢者遊撃隊 (むしゃゆうげきたい)

武者丸、斗機丸零参、鎧丸により構成されている武者頑駄無の部隊。多勢に無勢の逆境であっても、武者魂を忘れない不屈の精神力を持っている。3人がそろうと、鎧丸の所持するビームライフルのビームで武者丸と斗機丸を包み、ビーム発射時の加速に乗って敵に攻撃を加える「武者遊撃断」を使うことができる。

堕悪闇軍団 (だーくやみぐんだん)

堕悪魔刃頑駄無が統率している、膨大な兵力を誇る悪の武者たち。もともとは鉄仮面が超時空転移装置を使って過去から呼び寄せた「闇軍団」「暗黒軍団」「天魔軍団」などの所属者だった。堕悪魔刃頑駄無が鉄仮面を殺害して以降、堕悪魔刃頑駄無を首魁として付き従っている。鉄仮面の錬金術により付属されたスコープで、敵対者の武者魂の数値を知ることができる。 その数値は果物や野菜で表現される。

鎧王グループ (がいおうぐるーぷ)

鎧丸が社長を務める巨大企業。傘下に「鎧王不動産」「鎧王フーズ」「鎧王エンターテインメント」「鎧王工業」などがある。「鎧王グループ」の倒産後は、暴力団「璃ゲ瑠組」に、本社ビルや鎧丸の鎧鋼力服なども差し押さえられた。

璃ゲ瑠組 (りげるぐみ)

鎧王グループの倒産後、本社ビルや鎧丸の鎧鋼力服を含むすべてを差し押さえた暴力団。構成員は全員黒スーツを着用し、サングラスをかけている。当初は逃亡した鎧丸を口汚くののしりながら捜索していたが、のちにナンシー阿久津によって鉄拳制裁され、「善意」により鎧丸を捜す任に就くようになる。以降、構成メンバーは、ナンシーのことを畏怖を込めて、「姐さん」と呼んでいる。

先発隊 (せんぱつたい)

飛行を得意とする武者頑駄無たちの部隊。鳳凰頑駄無の指揮に従い、堕悪闇軍団の注意を引くために是断の門に向かって出陣した。『新SD戦国伝 伝説の大将軍編』に登場した「武者頑星刃」や、『新武者ガンダムムシャ戦記 光の変幻編』の主人公である「武者ウイングゼロ」、『新武者ガンダム 七人の超将軍』の主人公である「武者飛駆鳥」、『新武者頑駄無 天星七人衆』に登場した「迅風頑駄無」が所属している。

突入部隊 (とつにゅうぶたい)

堕悪闇軍団殲滅を目的として、是断の門上部から突入した武者頑駄無たちの部隊。武者丸と、「機王頑駄無」となった斗機丸零参が指揮を執る。部隊には『新武者頑駄無 天星七人衆』の主人公「武者頑駄無零壱」や、『SD戦国伝 天下統一編』の四獣王の1人である「獅頑駄無」が所属している。

鎧王工業の創設メンバー (がいおうこうぎょうのそうせつめんばー)

鎧丸が天馬の国にやって来た時からの知人である5名の男性。鎧王グループの倒産後、鎧丸の新たな鎧鋼力服を作り上げるために集まった。TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』に登場するガンダム開発者たちと外見が酷似しているが名前が違い、ドクターJ似の老人は「ポリマー博士」、プロフェッサーG似の老人は「平滑博士」、ドクトルS似の老人は「タービンの源さん」、H教授似の男性は「マグナコイルの忠さん」、老師O似の男性は「チタンの徹っつあん」と呼ばれている。 またこの5人以外に、鎧丸も知らない6人目の男性がおり、その人物はTVアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するテム・レイに酷似している。

場所

是断の門 (ぜだんのもん)

武者頑駄無たちが暮らしている星に、数百年周期で接近するとされる小惑星。形状はTVアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズに登場する架空の宇宙要塞「ア・バオア・クー」と酷似しているが、その頂上部には虎口や天守閣を備えた日本様式の城がそびえている。また内部には超時空転移装置が備えられており、最終決戦の際には機動武神天鎧王が隠されていた。

天馬の国 (ぺがさすのくに)

人間たちが暮らしている世界。「天馬の国沈没エネルギー」と呼ばれる強大なエネルギーが眠っているという伝説がある。堕悪魔刃頑駄無はこのエネルギーを手中に収めて全宇宙の支配者となる野望を抱いており、超時空転移装置を用いて転送を試みた。しかし多数の武者頑駄無たちが転送時に詰めかけたため、超時空転移装置がオーバーロードを起こし、堕悪闇軍団よりも武者頑駄無たちの方が、およそ半年早く到着して、平和に暮らしていた。

天宮 (あーく)

武者丸たちの国。武者頑駄無たちが暮らしている星にある。列島で、日本と酷似した形状をしている。天宮が確立した際、異世界から武法と錬金術が伝承されたと言われている。武法によって武者丸たちの先祖は武者になり、錬金術は生活の基礎を築いた後に発達を繰り返し、やがて鉄機を生み出したとされる。この起源は明らかにされていないが、鎧丸は、この2つの文化をもたらしたのは、天馬の国の人間ではないかと考察している。

その他キーワード

超時空転移装置 (ぶっとびしすてむ)

是断の門内部にある巨大な機械。時間と空間の移動を可能とする驚天動地のカラクリとされており、鉄仮面によって発見された。巨大な4段ケーキのような形状で、上部には歴代の頑駄無大将軍の像があり、その頭上には、転送させる対象の画像データが表示されるようになっている。

ススムのたこ焼き屋台 (すすむのたこやきやたい)

ススムが引いているたこ焼きの屋台。一見普通のたこ焼き屋台だが、側面には武者丸のアーマーが取り付けられている。ススムが武者丸を川に捨てた後は、ススムの反省と武者丸への謝罪の気持ちを汲んでか、屋台ごと音速を超える速さでススムを武者丸のもとへと導いた。

鎧鋼力服 (よろいすーつ)

鎧丸の姿になるため、シャチョーが乗り込んでいる乗り物。取り外し式のコントローラーがそのまま鎧鋼力服の開閉キーになっており、背中の鍵穴に差し込むと鎧鋼力服のうなじ部分が大きく開き中に乗り込むことができる。内部には視界をぐるりと廻る形でモニターが取り付けられており、さらに内部にもう1つある鍵穴にコントローラーを差し込むと、思うとおりに操ることができる。 1台目の鎧鋼力服は璃ゲ瑠組に差し押さえられたが、2台目の鎧鋼力服は鎧王工業の創設メンバーが製造し、成層圏をも突破できる飛行タイプとなった。

堕悪馬吸夢 (だーくばきゅーむ)

堕悪魔刃頑駄無が所持している。天馬の国沈没エネルギーに反応して甲高い音を発する。他に武者頑駄無を吸収することもでき、紅零斗丸を吸収したこともある。しかし、富山県神通川付近で、多量の天馬の国沈没エネルギーが竜巻状の嵐となって吹き荒れた際には、吸収しきれず壊れてしまった。

天馬の国沈没エネルギー (ぺがさすのくにちんぼつえねつぎー)

天馬の国に眠っているとされる強大なエネルギー。天宮の歴史で、2002年に天馬の国を海の底に沈めたとされる。富山県神通川付近では、多量の天馬の国沈没エネルギーが噴出して竜巻状の嵐となって吹き荒れた。このエネルギーの中では何者も意識や理性を失うとされ、堕悪龍将飛将怒號羅も暴走した。

武者頑駄無 (むしゃがんだむ)

天宮に暮らしている種族の総称。機械でできているように見えるが、親子関係のある者もおり、成長もするなど、人間と変わらない生態を持っている。天宮が成立した際に、異世界からもたらされた武法によって武者となったとされている。またこの武者頑駄無の中には、設計図から製造された鉄機武者も含まれる。

鉄機武者 (てっきむしゃ)

武者頑駄無のうち、設計図から製造された人造武者。「鉄機心得」という、感情の働きをする機能が備わっている。この鉄機心得を消去すると最強の武者になれるが、心のないただの機械になってしまう。感情を失った鉄機武者の最後の暴走を食い止める機能は我致止飛と呼ばれる。

我致止飛 (がちゃんぴ)

鉄機武者に備わっている機能。鉄機武者の感情の働きをしている「鉄機心得」を失い、力だけを振り回す機械となった鉄機武者の、最後の暴走を食い止める機能といわれている。これを使用すると、膨大なエネルギーの発動とともに、使用した鉄機武者は死亡する。斗機丸零参の場合、この起動スイッチは武者丸と鎧丸が所持している。

悪の武者 (あくのむしゃ)

天宮に暮らしている者たちの中で、悪に染まった存在。堕悪闇軍団の所属者がこれにあたる。過去にも「闇軍団」「暗黒軍団」「天魔軍団」などが存在しており、永きにわたり武者頑駄無と敵対関係にある。

武者魂 (むしゃだましい)

武者頑駄無が持つ、戦いへの意欲や戦闘力・精神力の強さなどの総称。天宮から超時空転移装置によって天馬の国にやって来た武者頑駄無たちの多くは、半年ほど平和な暮らしを送っていたため、この武者魂を失っていた。

堕悪融合 (だーくゆうごう)

堕悪闇軍団に所属している悪の武者たちが使うことができる能力。任意の道具や建物、相手に取り憑き、思い通りに操ることができる。この堕悪融合を使う時は、多くの場合、触手のようなもので対象を巻き取る。

道頓堀断裂灼熱斬 (どうとんぼりだんれつしゃくねつざん)

武者丸の必殺技。所持している刀を地面にこすりつけた状態で、ブースターを用いて加速し、刀身を高熱体と化してそのまま敵に斬りつける。天宮で堕悪闇軍団を窮地に陥れた技とされ、道頓堀断裂灼熱斬発動の兆候を目にした堕悪殺駆は、それだけで恐れおののいた。

クレジット

原作

鎧王エンターテインメント

構成

北嶋 博明

キャラクターデザイン

横井 孝二

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