概要・あらすじ
中学校からサッカーを始めた少年の瀬戸柚樹は、部に上級生が少なかったという事もあり、初心者ながらものびのびとサッカーを楽しんでいた。ところが、ある日からサッカー部に上級生の朝美圭右が参加し始めた事によって状況は一変。朝美は、県内トップクラスのサッカークラブに所属していたが、暴行事件を起こした事でクラブを辞めたという経験を持つ少年。
サッカーの実力は確かだが、自分のプレーに合わせられないものには容赦なく叱責する、という性格の持ち主だった。朝美から怒られたくない一心で、必死で朝美の動きを研究した柚樹は、自分でも気づかないうちにサッカーの才能を開花させはじめる。その1年後、柚樹は、さまざまな名門校からスカウトされた朝美とは別の高校に進学した。
今度こそ怖い上級生がいない場所でのびのびとサッカーを楽しもうと思っていた柚樹だったが、入部初日、部室に行ってみると、何故かそこには朝美がいるのだった。
登場人物・キャラクター
瀬戸 柚樹 (せと ゆずき)
中学校から部活動でサッカーを始めた少年。朝美圭右に叱責され続けて、失禁した事もあるほど気弱な性格の持ち主。とにかく他人から叱責される事を嫌がっており、特に朝美に対しては中学校以来、苦手意識を持ち続けている。一方で、細かいデータを積み重ねて分析する事に関しては、常人離れした几帳面さを見せる。朝美の動きを研究した際には試合の動画などから、彼の走ったコースや表情などを詳細にデータ化。 自室の壁一面にメモ書きや写真を貼り、家族を呆然とさせていた。しかし、その成果もあり、いつしか朝美に対して最適なタイミングでパスを出せる技術を身につけている。県立春日高校に進学し、サッカー部に入ってからは、「他人から怒られたくない」という理由ではなく、自分からサッカーが上達したいと意識するようになる。
朝美 圭右 (あさみ けいすけ)
瀬戸柚樹の1年上の先輩で、同じ中学に通っていた少年。非常に口が悪く、乱暴で自己中心的な性格。他人を叱責するときに、英語のスラングを使う癖がある。中学時代は県内トップクラスのサッカークラブに所属していたが、性格が災いして監督を殴ってしまい、クラブを辞める事になる。その後、中学校のサッカー部に入部して柚樹と知り合う。 柚樹の事は「チビリ」と呼んでいる。中学卒業後はスカウトされ、有名私立高校に進学するが、怪我のために転校。高校2年生の4月から県立春日高校に編入し、柚樹と再開する事になる。
會澤 要 (あいざわ かなめ)
県立春日高校サッカー部部長。高校3年生の男子。徹底した合理主義者であり、時には厳しい意見を出す事もある。ヨーロッパのサッカー最前線で行われている、詳細なデータに基づいた正確なポジショナルプレーを「美しく、かつ勝てるサッカー」と表現し、自分でもそれを実践するという野望を持っている。そのため、全国大会にも出場した有名中学のサッカー部出身者でありながら、新設校の春日高校に進学し、新たにサッカー部を立ち上げている。
藤ヶ谷 リキ (ふじがや りき)
県立春日高校サッカー部副部長。高校3年生の男子。長身で筋肉質な体格の持ち主。會澤要とは同じ中学のサッカー部出身。會澤とは対称的に、熱血漢で大雑把な性格の人物。坊主頭で目つきが鋭く、見た目はいかついが、仲間想いでもあり、彼の事を慕う後輩も多い。
書誌情報
TIEMPO―ティエンポ― 17巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第14巻
(2022-09-16発行、 978-4088923987)
第15巻
(2023-01-19発行、 978-4088924953)
第16巻
(2023-06-19発行、 978-4088927411)
第17巻
(2023-11-17発行、 978-4088930572)