概要・あらすじ
NATOドイツ支局情報部をまとめるクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐、通称鉄のクラウスの部下として配属されたZ。同盟国の諜報機関同士の駆け引きや、諜報活動の暗黒面を経験するうちに、情報部員としての過酷さや悲惨さ、悲しみなどに触れるようになる。
登場人物・キャラクター
Z (つぇっと)
ハノーバー育ち。NATOドイツ支局情報部の新米部員。先輩たちを見習い、諜報活動に励む。金髪碧眼でハンサム。性格は優しく詰めが甘いところがあるため、上司や先輩たちに目をかけられている。姉がいるためか特に女性に甘い。
クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ
NATOドイツ支局情報部所属の敏腕少佐。黒髪に黒い瞳、生真面目で堅苦しい性格。部下をドイツ語の「A(アー)」から順番に呼んでいる。人使いが荒い。一度、部下AからY(ユプスィロン)の25人をアラスカへ左遷したことがある。
A (あー)
NATOドイツ支局情報部所属。クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハの1番目の部下。
B (べー)
NATOドイツ支局情報部所属。クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハの2番目の部下。
ハッサン・カマール
アラブ人。クウェート石油相ザハーリ・カマールの第14子。末っ子。母親は第4夫人ファリーダ。ケンブリッジ・ダウニングカレッジに遊学中。父親の西ドイツとの外交が原因で、東ドイツの秘密警察・諜報機関であるMFSが立てた誘拐計画の対象者になる。
ルシアン・ジンバリスト
バラ作りの名人。バラ園を美しく保つため、MFSの仕事で報酬を得ている。
クルト・ヴェルナー
崖から落ち死亡した状態で発見される。死亡する3年前、当時、恋人で後に妻となったレナーテ・ヴェルナーと共に東ドイツから西ドイツへ逃亡。西側に渡った後は、ハイデマン鉄鋼で技術者として勤務。新型戦車の鋼板のジョイントの研究、中でもボルトを専門に研究していた。上司のヨーゼフ・フリッケからクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハのことを聞いており、死ぬ前にクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ宛てに速達便でボルト1本を送った。
レナーテ・ヴェルナー
東ドイツから西ドイツへ逃亡。逃亡の際、カムフラージュの為にクルト・ヴェルナーを恋人にし、逃亡後に結婚する。現在はハイデマン鉄鋼のコンピュータ・センター勤務。美人。毎月第一月曜と第三木曜に、夫と共用の古い書類カバンを持ってホーフ・ガルテンの劇場で音楽会を鑑賞する。 ヨアヒム・ブレンデルに知らず知らずのうちにスパイの片棒を担がされている。ルドルフという名の弟を東ドイツに残してきている。
ヨーゼフ・フリッケ
元はNATO所属の技術屋。現在はハイデマン鉄鋼の技術部長。クルト・ヴェルナーに、クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハの名前を教えていた。
ヨアヒム・ブレンデル
MFS所属の大物工作員。クルト・ヴェルナーとレナーテ・ヴェルナーを西ドイツへ送りこんだ。
アドルフ・ハルトマン
BND所属。部下のうち2人に二重スパイの疑惑が出た為、協力体制にあるNATOのクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハに調査を依頼する。オーディオ製品はソニーで統一している。
エルウィン・マイヤー
ノルウェーに潜行していたNATOの連絡員。ベルゲン海軍基地を監視しながら近くで機械工として勤務。ベルゲン海軍基地に勤務しているアネリーゼ・オルセンに近づき恋人になり、彼女を通じて基地の情報を探っていた。オスロ郊外で自動車事故死した。
アネリーゼ・オルセン
ベルゲン海軍基地のタイピスト。英語が出来るので重宝されている。恋人が自動車事故死したため、遺体確認でオスロの警察へ出向いた際、恋人の弟になりすましたZと知り合う。
ウィンスロップ
英国空軍所属。階級は大尉。ジャギュアCCV=Ⅱのテストパイロット。
ダグラス
DIS所属。階級は大尉。東ドイツに流出したジャギュアCCV=Ⅱの機密奪還にZを利用する。
ペーター・シーグラー
男子小学生。父親は燃料電池の開発技術者。そのせいで、開発を妨害を企むロシア・マフィアに誘拐される。
集団・組織
NATOドイツ支局情報部 (なとーどいつしきょくじょうほうぶ)
『Z -ツェット-』に登場する組織。ボンにある。A(アー)からZ(ツェット)まで26人の情報部員が所属し、クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハが上官として彼らをまとめている。
場所
ハイデマン鉄鋼 (はいでまんてっこう)
西ドイツ有数の兵器製造会社。デュッセルドルフにある。14階は金属科学研究部、15階は技術開発部、23階はコンピュータ・センター。
その他キーワード
アラスカ送り (あらすかおくり)
『Z -ツェット-』の登場人物クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハの口癖。部下が余計なことや任務に失敗しそうな時に脅す。実際に一度部下A(アー)からY(ユプスィロン)の25人をアラスカに左遷した。
ジャギュアCCV=Ⅱ
『Z -ツェット-』に登場する戦闘機。イギリスのBAC社とフランスのダッソー・ブレゲー社が開発に携わる。英国空軍将校がMFSのハニートラップにかかり、軍事機密である機体の資料が東ドイツに流れる。