『闇のパープル・アイ』『天は赤い河のほとり』などで知られる篠原千絵の連載作品。代表作の一つでもある。16世紀のオスマン帝国が舞台。ルテニアの小さな村で生まれ育った少女、アレクサンドラ(のちのヒュッレム)が、タタール人の襲撃により奴隷になった後、オスマン帝国の宮廷へと入り、皇帝の寵愛を受けながら生き抜く姿を描く。皇帝の側近、イブラヒムに見出されたヒュッレムは、スレイマン1世のハレム(後宮)に入り、第1夫人のギュルバハルとの対立や、権力闘争に巻き込まれていく。また、スレイマン1世の寵愛を受けながらも、イブラヒムへの恋心を抱くヒュッレムの複雑な心境も描かれる。本作は、実在したスレイマン1世の側室、ヒュッレムを主人公にした歴史ロマンで、16世紀オスマン帝国の建築様式や衣装、生活習慣が詳細に描かれている。また、オスマン帝国の統治体制、ハレムの仕組み、奴隷制度が、本作の世界の基盤となっており、特にハレムにおける女性たちの階級制度や生活様式、宮廷の権力構造が具体的に表現されている。小学館「姉系プチコミック」創刊号である2010年1号(5月21日)から2024年7月号まで連載。