砂漠に囲まれながらも富にあふれる国と、自然にあふれているが財力に乏しい国を舞台にした恋物語。長きに亘り隣国同士でいがみあっていたA国とB国。仲裁のためお互いに花嫁と花婿を送ることに。だがそれぞれの国が送ったのは猫と犬だった。戦争を回避したいA国のサーラ姫は犬が来たことを隠し、偶然出会ったB国の青年であるナランバヤルに代理夫を頼む。
本作の舞台は隣り合うA国とB国。A国は「金の国」と言われるほど経済的に豊かな国で、王都は世界のあらゆるもので手に入らないものはないと言われる場所だ。辺り一面は砂漠であるがヒロインのサーラ姫もこの国から遠くに行くぐらいなら、敵国のB国の人を夫に迎えることの方がいいと考えていた。また彼女の長姉であり、この国を愛するレオポルディーネは砂漠と岩場に囲まれた土地でさえ「どこまでも金色の国」と言っていた。しかしA国は経済的に潤っていながらも、その裏で資源となる水が枯渇しはじめていた。一方、財力は乏しいが隣国のB国には豊かな水がある。心優しいサーラに苦労をさせたくないと、ナランバヤルはA国とB国の国交を結び、B国から水を引く計画を立てるのだった。
魔界の王を目指す魔族の子どもと天才少年の友情と闘いを描いた物語。天才であるがゆえに孤独な男子中学生の高嶺清麿は、次期魔族の王を決める闘いのために人間界へやってきていた魔族の子ども、ガッシュ・ベルと出会う。王の座を巡る戦いに巻き込まれた清磨だが、次第にガッシュとの友情を深め、ともに過酷な闘いに挑んでいく。2003年TVアニメ化、第48回小学館漫画賞受賞。
本作の主人公は、天才中学生の清磨と魔王の息子であるガッシュ。ガッシュは明るい金色の髪をした幼い少年で、彼が使う術もまた金色に輝く「電撃」だ。ガッシュの「ザケル」をはじめ、次期魔王候補の魔物の子どもたちが術を使うためには、パートナーとなった人間に「魔物の本」に書かれた呪文を読んでもらうことが必要となる。ガッシュと知り合った清麿は、ガッシュのパートナーとなって赤い「魔物の本」を手にし、ともに闘う。この「魔物の本」もそれぞれ色が決まっていて基本的に変化することがないのだが、物語の後半でガッシュの赤い本が「金色」に変化する場面がある。物語の要所に「金色」が重要な意味を持つ作品だ。
16世紀初頭のオスマン帝国の皇帝スレイマン1世の妻、ヒュッレムをモデルに描かれた歴史ロマン作品。寒村で暮らす少女アレクサンドラ。ある日、村が賊に襲われ、彼女は奴隷として売られてしまう。アレクサンドラはオスマン帝国皇帝の小姓頭であるイブラヒムと名乗る男に買われ、ヒュッレムの名を与えられてスレイマン1世の後宮に入ることになる。
本作の舞台は、16世紀初頭に栄華を誇ったオスマン帝国のスレイマン一世の時代。主人公のアレクサンドラは、外の世界に憧れる平凡な村娘だった。賊の手で村から攫われ、奴隷として売られた彼女はスレイマン一世の小姓頭のイブラヒムに買われ、教養を与えられる。彼女は自らを助けてくれたイブラヒムに恋するが、彼がアレクサンドラを手に入れたのは敬愛する皇帝に献上するためだった。ヒュッレムという新たな名を与えられた彼女が後宮入りする際、イブラヒムは美しい黄金の鳥籠をプレゼントし、ヒュッレムはそれを自らの宝物として大事にする。やがて皇帝の寵姫となったヒュッレムの元には金銀財宝があふれるようになるが、その中でイブラヒムがくれた黄金の鳥籠は他の何にも替えられない宝物になっていく。
裏社会に生きる男たちの様々な駆け引きを描いた物語。ギャンブルにのめり込み、金のない暮らしに追われる孤独な青年の森田鉄雄は、ある日、競馬場で平井銀二という初老の男と出会う。銀二は裏社会で「銀王」と呼ばれるフィクサーで、人の心の裏をつく頭脳の持ち主で、巨万の富を有していた。そんな銀二に見込まれた鉄雄は、裏社会で生きていく決意をする。
本作の主人公は裏社会のフィクサーである銀二と、彼の後継者に見込まれた男、鉄雄である。銀二は頭が切れ、独自の人間哲学を有する男。そんな銀二は自分の哲学に基づいて鉄雄が自分の後継者となる可能性を見込み、裏社会での成長を期待し、自ら金を稼いだ後に様々な仕事を任せるようになる。ふたりの名前に入っている文字は「鉄」と「銀」。だが、鉄雄は裏社会で「銀王」と呼ばれている銀二を超え、「金」と呼ばれるような人物になりたいと野望を抱く。タイトルの「金」は鉄雄の目標だ。裏社会を歩き始めた鉄雄は持ち前の度胸と運で銀二に認められていく。だが、とある仕事で救いようのない悪人が生き残った事実を目の当たりにした彼は、裏社会に絶望する。
普通科と音楽科が存在する学園を舞台にした人気ゲームを原作とする愛ファンタジー作品。星奏学院の普通科に通う女子高生の日野香穂子は、ある日、リリという音楽を司る妖精(ファータ)に認められ、魔法のかかったヴァイオリンとそれを奏でる力を手に入れ、仲間とともに音楽の魅力に目覚めていく。著者の呉由姫は原作ゲームのキャラクターデザインも担当。2006年にTVアニメ化。
コーエーテクモゲームスの人気恋愛ゲーム『金色のコルダ』のコミカライズ作品。主人公の香穂子は普通科に通う女の子。ある日、頼まれ事で音楽科の校舎を訪れた際、香穂子は学園にいる音楽を司る妖精(ファータ)のリリと出会う。リリの話によれば、姿を見たり会話ができる者は音楽との相性がよく、才能を開花させられるという。リリから魔法のヴァイオリンを授けられた香穂子は、音楽科の生徒たちとコンクールに出場することに。これまで音楽に触れたことのなかった香穂子は戸惑いながらも魔法の力だけでなく、自分で音楽を奏でられるよう努力していく。本作のタイトルの「コルダ」はイタリア語で「弦」や「絆」という意味で、金色に輝くような絆の物語である。