『マロニエ王国の七人の騎士』で知られる岩本ナオの作品。となり合う仲の悪い二つの国、A国とB国に生まれた二人の男女の関係を描いた物語。A国とB国は毎日つまらないことでいがみ合っており、ついには犬の糞の片づけを理由に戦争に突入してしまう。慌てて仲裁に入った神様は、A国は国で一番美しい娘をB国に嫁がせ、B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやるように命じる。A国とB国は表向きその提案を受け入れたように見えたが、A国の第93王女、サーラには犬の子が、B国の図書館長の息子で現在無職のナランバヤルには猫の子が、それぞれまるで当てつけのように送られてくることとなった。穏便に済ませたいサーラとナランバヤルは、この侮辱を堪え、それぞれ送られてきた犬と猫のよき飼い主となる。そんな中、お互いの事情を知らない二人は偶然に出会い、ある理由から夫婦のふりをすることになる。そして意気投合した二人は、周囲の妨害をはねのけて両国を立て直そうと奔走する。本作は、王国や姫が登場する幻想的なファンタジー世界を描きながら、導入部からユーモラスなコメディ展開を繰り広げる、おとぎ嫁婿物語。相争う国が、ちょっとした優しさの交流をきっかけに繁栄を得るという、おとぎ話のような展開が雛形となっており、金と水という対照的な要素を通じて、物語が描かれている。繊細なタッチで細部まで描き込まれた、アナログ感あふれるオリエンタルな背景描写も特徴。小学館「月刊flowers」2014年12月号から2016年6月号まで不定期掲載。2016年に「このマンガがすごい! 2017」オンナ編第1位、同年に「THE BEST MANGA 2017 このマンガを読め!」第3位、2017年に「マンガ大賞2017」第2位を獲得。アニメ映画(劇場)が2023年1月に公開された。