個性的な声優が集う声優事務所を舞台に声優たちの日常を描いたコメディ4コマ漫画。神静真(じん しずま)は、漫画家である叔母・橘杯音(たちばな はいね)の影響で、幼い頃から声優になることを夢見ていたが、高校卒業後は引きこもり生活を送っていた。ある日、姉の凪沙から説教をされ、落ちるつもりで受けた声優事務所「ダストボックス」のオーディションに合格。しかし、所属声優は変わり者ばかりが揃っており、常識人である静真は苦労することになる。
本作の舞台となる声優事務所「ダストボックス」の社長・芥田衛(あくたまもる)は、主演声優として出演した杯音原作のアニメの評価を、自身の演技のせいで下げてしまった過去を持つ。その後、声優事務所を立ち上げ実力重視で人材を集めた結果、イタコ系声優の輪島みこと、天然キャラの小川星人(せいと)など、クセが強い声優ばかりが揃うことに。また、所属声優の歌里(ひかり)は声フェチで、同じ高校に通っていた静真の声が大好きだった。話が進むにつれ、その想いは次第に恋心へと変わっていく。変わり者が多いダストボックスで、よく通る声質と声優としての才能を活かしながら、逞しく成長していく静真を応援したくなる作品だ。
某市某区役所で働く個性豊かな職員たちの日常を描くラブコメディ4コマ漫画。山神ルーシー、長谷部豊、三好紗耶の3名は、区役所保健福祉課に配属された。山神のフルネームは「ルーシー」の後にも「喜美子明江愛里…(以下略)」と延々と続く長さ。山神は名前を受理した区役所の職員に対して逆恨みに似た感情を抱いており、こんな名前を受理した職員を見つけ、文句を言いたいがために公務員になったのだった。2013年テレビアニメ化。
区役所で働いていた作者の経験が活かされた本作では、区役所を舞台に職員同士の交流や訪れる区民の対応に苦労する様子が恋愛も絡めながら描かれている。山神が務めることになった福祉課にはさまざまなタイプの職員がいる。先輩職員の一宮大志(いちみやたいし)は優しいが気弱で頼りなく、臨時職員の千早恵(ちはやめぐみ)はコスプレ好き。おまけにシャイな課長はめったに姿を見せず、ウサギのぬいぐるみを自分の分身としている始末。同期の長谷部はクレーム対応の時は頼りになるが普段は山神にちょっかいばかり出している。なびく素振りを見せない山神だったが、次第に彼の優しさに惹かれるようになっていく。真面目な職場が舞台となっていながらも脇役も含めて作者特有の個性的な憎めないキャラが多く、肩の力を抜いて楽しめる。
妖怪と人間が共存する世界で暮らす高校生たちの恋愛を描く学園ラブコメディ4コマ漫画。福住篤志(ふくずみあつし)はクラスメイトの白石無垢(しろいしむく)に告白するが、次の日から彼女に冷たい言葉を投げかけなければならない状況に陥ってしまう。なぜなら無垢は雪の妖怪で、他者から熱い気持ちをぶつけられると身体が溶けてしまうからだ。やがて二人は友達関係から距離を縮めていくことになるが、母親同士が因縁関係にあり、前途多難な恋へと発展していく。
本作の舞台となるのは、人間と妖怪が共存している高校で、作者の作品の中では珍しくファンタジー要素が入っている。篤志の想い人である無垢は強い力を持つ妖怪の首領の娘であり、人の心に影響を受けやすい体質のために友人もおらず、孤立していた。しかし、篤志に告白されたことをきっかけに、猫の妖怪・美園愁也(みそのしゅうや)、魚の妖怪・菊水真魚(きくすいまな)たちとも親しくなり、彼女の周囲が賑やかになっていく。薬を用いて人間になる方法を見つけた無垢は、人間でいる時は声を出せない代わりに篤志に対して素直な気持ちをぶつけ、大胆で積極的な行動を取るようになる。果たして異種族同士の恋愛はどのような結末を迎えるのか。キュートでユニークなキャラたちが紡ぐ恋愛模様を楽しもう。
北海道のレストランで働く従業員たちの恋愛模様を描くラブコメディ4コマ漫画。高校生の小鳥遊宗太(たかなしそうた)は、ファミリーレストラン「ワグナリア」でバイトを始めた。高梨は子供や小動物などといった小さいモノが大好きで、バイトのきっかけも低身長の種島ぽぷらに誘われたからだ。小鳥遊は教育係となったぽぷらに色々と教わりながら、個性的な従業員たちとも次第に馴染んでいく。2010年、2011年、2015年にテレビアニメ化。
本作は作者のデビュー作であり、代表作でもある。北海道のファミリーレストランを舞台に個性的な従業員たちが賑やかに過ごす日々が描かれている。従業員は客が相手でも喧嘩腰になりがちな店長・白藤杏子(しらふじきょうこ)、日本刀を持ち歩いている轟八千代(とどろきやちよ)など変わり者が多い中、とりわけ強烈な印象を残すのが伊波まひるだ。彼女は女子相手だと大人しいが、男性を前にすると極度の緊張と恐怖心によって暴力を振るってしまう。小鳥遊に対しても殴ってばかりの毎日だったが、皆で行った温泉旅行で距離を縮め、意識するようになっていく。また、キッチン担当の佐藤潤が八千代に片思いをしているなど、他の従業員の恋愛についても描かれ、笑いと胸キュンのバランスが絶妙だ。