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『ミステリと言う勿れ』謎の多き不思議キャラクターたちを解析す!102 Pt.

『ミステリと言う勿れ』は、社会問題に焦点を当てながら、大学生の青年がさまざまな事件を解決していくミステリ作品。主人公の久能整はある日、大学の同級生を殺害した第一容疑者として警察署で事情聴取を受けることになる。しかし、整は膨大な知識と鋭い洞察力で取り調べ中に真犯人を特定。そこから不可思議な事件に度々巻き込まれるようになるが、事件の奥にあるいじめや虐待、差別などの社会問題に触れながら事件を解決に導いていく。本作は、整をはじめとしてミステリアスな登場人物が多い。今回は、物語の中で異彩を放つ謎の多い五人のキャラクターを紹介する。

作成日時:2022-01-10 19:00 執筆者:マンガペディア公式

『ミステリと言う勿れ』謎の多き不思議キャラクターたちを解析す!

出典:小学館


久能整(くのうととのう)

ボリュームたっぷりの天然パーマが目を引く、本作の主人公である大学生。知識が豊富で記憶力や洞察力が優れており、小さな違和感にも気がつく性格。マイペースで、誰に対しても物おじせず自身の考えを語るため、人から気味悪がられることもある一方で、整然とした理論で事件を解決に導いたり、穏やかな口調で人の悩みや心の傷に寄り添ったりする一面も持つ。友達や恋人はいないが、本人はそれを特に気にしておらず、将来は小学校の教師を目指している。無意識に人の癖をまねることがあり、のちの事件で出会った犬堂我路からも「子供が誰かの気を引きたいときにする癖だ」と指摘されたこともある。
彼がさまざまな事件とかかわるようになったのは、妻と息子を殺した男への復讐を企んだ刑事が、無関係の整を犯人に仕立て上げようとした事件から。整は取り調べ中に得られた情報からその刑事の犯行を言い当て、“家族の死に目に駆けつける時間すらなかったのに復讐のためなら時間を作れたこと”を厳しく批判。ほかの刑事から「自分の父親へ恨みを話しているようだった」といわれるなど、本作のテーマの一つにもなっている「家族」へのトラウマを抱える素振りを見せる。作中で整は自身を「親のすねかじり」と語るが、現在の家族との関係は不明。ただ、整と母親はかつて父方の祖母に精神的にも肉体的にも虐げられ、父親も助けてくれず、母親が精神を病んで亡くなった過去を持っている。ほかにも幼少期の彼にとって大きな存在だった心理療法士の美吉喜和(みよしきわ)もストーカー事件で殺害されており、そのことも整の言動や思考に影響を与えていそうだ。


犬堂我路(いぬどうがろ)

整が居合わせたバスジャック事件の主犯の一人で、当時発生していた連続生き埋め殺人事件の被害者だった犬堂愛珠の弟。従兄弟の犬堂ハヤ、犬堂オトヤと共に姉が殺害されるまでの足どりを追い、愛珠が死の直前に乗ったと思われるバスの乗客の中に犯人がいたと推測。その正体を探るため、姉とバスに同乗していた乗客全員を巻き込む狂言のバスジャック事件を企てた。イレギュラーな部外者として巻き込まれた整の推理で、バスの運転手だった煙草森誠が愛珠殺害から始まった連続殺人事件の犯人だったことが判明。煙草森は警察に逮捕されるが、移送中に車ごと行方不明となり、その後、整の自宅に切り落とされた腕が届けられる猟奇的な結末で事件は終わりを迎える。
我路たちは山奥にある、野犬に囲まれた犬堂家の屋敷で生まれ、幼少期には「橋の向こうは異世界だ」と教えられて育った。謎の多い犬堂一族ではあるが、我路はハヤ、オトヤと仲がよく、姉の愛珠に対しても深い愛情を抱いており、整とはまた違った「家族」への思いを持っている。警察は、愛珠の復讐のために、我路たちが煙草森の失踪と殺害を実行したと見て捜査を続けているが、その消息は不明のまま。船を使って移動し、ホームレスに匿ってもらっている描写もあるが、どのような逃亡生活を送っているのか詳しくはわかっていない。整のことは自分と似ていると感じており、整の行動を読んで自分の代わりに探偵のような仕事を任せたり、愛珠の足どりを追う中で見つけた気になるリングを送ったりと、逃亡中も彼のことを気にかけている。


犬堂愛珠(いぬどうあんじゅ)

我路の姉で、連続生き埋め殺人事件の最初の被害者。煙草森の運転するバスに乗った際、持病による発作で倒れてそのまま死体のような状態で終点まで放置された。煙草森は車庫にバスを戻す際に彼女の存在に気づいたが、乗客の異常を見落として死なせるという許されないミスが発覚するのを恐れて彼女を生き埋めに。その際の背徳的な感触が、煙草森が連続殺人を犯すきっかけとなった。無職の一人暮らしで、他者との接点がほとんどなかったため、愛珠の死が気づかれるまではしばらく時間がかかることになった。
幼少期はわがままで傲慢な性格で、犬堂家では暴君のように振るまっていたが、我路、ハヤ、オトヤは、そんな彼女を姫のようなあこがれの存在として認識していた。だが、我路たちが彼女の死の足どりを追う中で、愛珠はかつての傍若無人さからかけ離れた性格になっていたことが判明。精神も不安定になっており、自立できないことへの罪悪感から自己肯定感が低く、つねに希死念慮を抱くようになっていた。煙草森に殺害された当日も、連続殺人犯の知り合いに殺害してもらうためにバスに乗っていたという。愛珠の精神が不安定になった原因は不明だが、持病の主治医とは別の医師からのカウンセリングで、闇カジノでのバイトを持ち掛けられていたことが判明しており、我路たちは愛珠が周囲から誘導を受けていたと考えている。


井原香音人(いはらかねと)

「炎の天使」と呼ばれる連続放火犯。かつて虐待家庭で育ち、火事によって母親が助からなかった経験がある。その時に虐待から開放された爽快感を味わい、虐待されている子供たちを助けるために放火事件を起こすようになる。井原香音人の犯行によって助けられた下戸陸太(おりとろくた)を相棒とし、彼らは虐待を受けている子供に接触し、「炎のマーク」を合図として子供に親の殺害の決定権を委ねていた。香音人は放火を行うことで、不幸な子供たちが救われていると思っていたが、実際に放火した家の子供に会いに行った際に、子供たちは自分が親を殺したことへの罪悪感に苛まれながら生きていることを知り、放火をやめることを決意する。
しかしその結果、相棒に捨てられると思い込んだ下戸が香音人を殺害。心神喪失状態となった下戸は、香音人になりきって放火を続けるようになってしまう。整と遭遇した際、下戸は香音人が乗り移ったような様子で放火をする理由などについて語っているが、実際の香音人がどう考え、行動していたのかは不明のままだ。ただ、トラウマから赤いものを見ることができない下戸のために自宅に赤いものを持ち込まず、同じ理由からりんごが食べられないが、アップルパイを食べてみたいと話した下戸のためにアップルパイを作ろうとするなど、思いやりのある優しい性格だったことは推察できる。


ライカ

整が病院で出会った女性。マルクス・アウレリウス・アントニヌスの『自省録』を暗記しており、ページ数による数字暗号を使って整に話しかける。整と同じく違和感に気がつきやすく、病院内の温室の管理人が親しくしていた患者の遺品を盗んでいたことや、下戸による連続放火事件について、病院から動けない自分の代わりに探ってくれる人物を探していた。同じ病院に入院していた元刑事の牛田がライカの暗号に気づいてライカから自省録をゆずり受け、それを今度は偶然検査入院していた整がゆずり受けたことによって、整とライカの関係は始まっていく。
彼女はかつて両親から虐待されており、「炎の天使」こと香音人の放火によって両親を殺害してもらったことがある。整には千夜子という名前の妹がいることや、頭の病気で入院していることを話していたが、実は彼女が患っている病名は解離性同一障害で、実際にはライカが千夜子本人でもあった。ライカは千夜子が虐待されていた時に自分の身を守るために生まれた人格であり、その誕生のきっかけは、自身を父親が唯一大事にしていたライカのカメラだと思い込もうとしたことだった。「春にはいなくなる」という彼女の発言から、整は病状がよくないのだと認識していたが、本当の意味は治療の結果、ライカの人格が千夜子と統合されていなくなるという意味だった。



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