名門貴族の若き伯爵と彼に仕える執事が様々な事件に関わっていくダーク・ファンタジー漫画。舞台は19世紀末期の英国。名門貴族ファントムハイヴ伯爵家の当主シエル・ファントムハイヴの傍には、黒い燕尾服に身を包んだ完全無欠の執事が控えている。執事の名はセバスチャン・ミカエリス。我儘なシエルのどんな無理難題にも応えてみせるセバスチャンだが、実はその正体はある目的のためにシエルと契約した悪魔だった。2008年10月にテレビアニメ化された。
シエルは何者かに両親を殺害され、自らも誘拐されるという悲惨な過去を持つ。セバスチャンはそのときに出会った悪魔だ。シエルは自分と家族を悲惨な目に遭わせた者に復讐するべく、自らの魂を対価にセバスチャンと契約。彼を自分の執事とした。ファントムハイヴ家は、代々政府の汚れ仕事を引き受ける特殊な貴族。家督を継いだシエルも「女王の番犬」として、英国裏社会の秩序を守るべく様々な事件に関わっていくことになる。数々の事件を解決しながら、ファントムハイヴ家襲撃の犯人を探すシエル。セバスチャンはその有能さでシエルの仕事と復讐を手伝う。いつか目的を果たし、シエルの魂を喰らうその日まで。シエルとセバスチャンの関係性やセバスチャンの有能な働きぶりが見所だ。
悪魔の力を得た変身ヒーローが敵と戦う、SFホラーアクション漫画。両親が仕事で海外にいるため、両親の友人である牧村家に居候している主人公の不動明。彼は大人しく善良で純粋な心を持った少年だ。そんな彼が、親友の飛鳥了からデーモン族が復活しようとしていることを聞かされ、デーモン族から人間を守るためにデーモンと合体し悪魔の力を得ることになる。デーモンの勇者アモンと合体した明はデビルマンとなり、熾烈な戦いに身を投じていくのだった。1972年7月にテレビアニメ化。
デーモン族が復活し人間と戦うつもりであることを知った明。彼は人間を守るため、デーモンの勇者アモンと合体し、悪魔の体と人間の心を持つデビルマンとして戦うことを選んだ。アモンと合体した明は、今までの大人しい性格が嘘のように強気で好戦的な性格へと変化してしまう。本作の魅力はダークな世界観と、ともすればトラウマになりそうな衝撃的な展開の数々だ。敵を倒す際のグロテスクなシーンや、人間の醜悪さを描いた場面はショッキングだが、そこが長きにわたって多くのファンを惹きつけ続けている見所にもなっている。物語の結末も少年漫画らしくない特殊なものではあるが、後味が悪くても斬新な物語が見たいという人におすすめの作品である。
怪物退治専門の組織「マグダラ修道会」に属する者たちの戦いを描いたバトルファンタジー。1920年代、アメリカ合衆国は好景気に沸いていたが、その裏では人外の者たちが暗躍し、人々に害をなしていた。そんな人外のものたちから人々を守り救うために組織されたプロテスタント系キリスト教教団「マグダラ修道会」。マグダラ修道会に所属するシスターのロゼットと相棒のクロノは、人外のものたちが起こす様々な事件に関わっていく。2003年11月にテレビアニメ化。
「マグダラ修道会」は、悪魔や怪物など様々な超自然現象による被害を防ぐために存在する組織。国からの信頼も厚いプロの化け物退治屋だ。マグダラ修道会に所属しているロゼットと相棒のクロノも、人外のものとの戦いに慣れたプロとして、日々アメリカ各地で起こる超自然現象の対応に当たっている。マグダラ修道会には様々な人間が所属しているが、ロゼットとクロノ、特にクロノの存在は異質だ。普段ロゼットの助手として振る舞っているクロノの正体は悪魔。マグダラ修道会の討伐対象なのである。しかしクロノは気弱で大人しい悪魔らしくない少年。何故クロノはロゼットと化け物退治をしているのか。作品を読んで、彼がロゼットに協力する理由をチェックしてみよう。
悪魔の王子と人間が水を求めて砂漠と荒野の世界を旅するファンタジー・アドベンチャー漫画。舞台となるのは、砂漠と荒野に覆われた世界。かつては水と緑が溢れる世界だったが、人間の愚行と天変地異がきっかけで現在の世界が出来上がった。この世界では、人間も魔物も水不足に悩まされている。水不足を解決し人類を救うために立ち上がった保安官のラオは、悪魔の王サタンの息子であるベルゼブブに出会い、彼とお目付け役のシーフと共に「幻の泉」を探す旅に出ることになった。
50年ほど前のことだ。身勝手な行いを繰り返した人間たちと天変地異が原因で、水と緑が溢れる世界は崩壊してしまった。現在はどこを見回しても茶色い砂漠と荒野が広がっており、貴重な水源は国王によって独占され、民は渇きに喘いでいる。初老の保安官ラオは、国王が持つ水源とは別の水場を確保し、民を渇きから解放しようと考えた。そこで「幻の泉」を探す旅に出ることにするのだが、危険が多い旅を乗り越えるため、ラオは魔王の息子であるベルゼブブと彼のお目付け役であるシーフに助力を求める。ベルゼブブは悪魔だが、悪魔らしくない優しい心の持ち主だ。彼らは無事に「幻の泉」を見つけ、民を救うことができるのか。旅の行方と物語の結末から目が離せない。
悪魔と腐女子の奇妙な同居生活を描いたショートコメディ漫画。人間の処女を誘惑して子を孕ませることを目的に人間界へとやってきた謎の生き物。インキュバスだという彼が目をつけたのは「かえで」という可愛らしい女性だった。しかしかえでは2次元の男性にしか興味がないというオタク女子。かえでの好みのタイプに化けてあの手この手で誘惑するインキュバスだが、こだわりの強いオタクには通用しない。インキュバスはかえでの鉄壁のガードに大苦戦することになる。
人間界で子を孕ませる女を物色していたインキュバス。彼の目の前に、好みの女性が通りかかった。それが本作のヒロイン・かえでである。とても可愛らしくモテそうなのに処女であったかえで。不思議に思いつつ彼女の家までつけていったインキュバスは、そこでかえでが処女である理由を知った。かえではゲームやアニメのキャラクターにしか興味がない、超本格派のオタクだったのだ。それならそれでと、かえでが好きなキャラクターに化けて誘惑するインキュバスだったが、かえでのオタク的思考にペースを乱され、なかなか処女を奪えない。果たしてインキュバスは目的を達成することができるのか。かえでやその周囲の人間たちに振り回されるインキュバスの様子が愉快な作品だ。