怖がらないで！平和に暮らしたい吸血鬼漫画オススメ５選11 Pt.

吸血鬼のナズナは、無理やり人間から血を奪うことはせず、「添い寝屋」というマッサージ業で対象者をリラックスさせてから血を得ていた。そして、心にもやもやを抱えたコウと出会い、彼の「よふかし」を否定せず、楽しもうと誘う。一方のナズナに血を吸われたコウは、よふかしの楽しさを知り、自ら吸血鬼になりたいと思うようになる。ナズナ曰く、人が吸血鬼になるには吸血鬼に恋をしないといくら血を吸われても吸血鬼にはならないらしい。そのためコウは、ナズナに恋をさせてほしいと宣言する。だがそんなふたりのよふかしに、他の人間や吸血鬼が絡んでくることになる。

本作は「亜人」と呼ばれる特殊な体質を持つヒロインたちと、亜人の研究を志していたが人権的問題から断念した生物教師との交流が描かれる。教師の高橋は赴任先の高校で、それまで出会うチャンスがなかった亜人たちと知り合う。生徒にはバンパイア、デュラハン、雪女の3人が、同僚教師にはサキュバスが在籍していたのだ。その中のひとり、バンパイアの小鳥遊ひかりは、一見するとごく普通の女の子。しかし、吸血鬼らしく人に噛みつきたくなる衝動があり、強い日差しに弱い。月に一度、国から血液パックを支給されていて、それ以外は食生活に気をつけて貧血を予防している。かような問題を抱えているが、他の亜人と共に楽しい学校生活を送っている。

主人公の小出は16歳で年齢の止まった吸血鬼。そのため134回も高校一年生を繰り返している。高校生を繰り返す理由は、政府の見解により、外見年齢十代の吸血鬼はその年代に相応しい行動をしないと吸血鬼ハンターを狩られてしまう決まりがあったからだ。また隣にクラスにいる同級生の三浦苦参（みうらくらら）も吸血鬼である。彼の実年齢は442歳。かつてヨーロッパで迫害を受けたこともあり、多少のことにも動じない。そのためクラスメイトの言動で気分が上がったり下がったりする小出に比べて大人びており、女子から人気がある。また3年生には18歳で年齢の止まった累桂樹（るいけいじゅ）という吸血鬼も在籍しており、各々が平和な吸血鬼ライフを過ごしている。

ダブル主人公のひとりであるドラルクは、とても虚弱な吸血鬼である。ロナルドが初めて退治に訪れた際もドアにぶつかった衝撃で死んでしまうほど。ただし簡単に復活するため、何度灰になってもあまり心配されない。ドラクルの居城はロナルドの依頼が遠因となって崩壊したため、以降のドラルクは「ロナルド吸血鬼退治事務所」に居候中。ロナルドは周囲から吸血鬼とタッグを組んだと誤解されている。ドラルクにとって吸血鬼退治人は天敵だが、現在の人間社会を保全すべきと考えており、人間に害をなす吸血鬼を退治することはドラルクの本意である。ドラルクの使い魔であるアルマジロのジョンも事務所で暮らしており、かわいがられている。

本作の主人公である魁をはじめとした「オキナガ」と呼ばれる種族は、日光に弱いが病に罹らず、普通の人間なら致死に至る傷も再生してしまう。血液を好むなど吸血鬼との類似点が多く、一般的には吸血鬼と見られ迫害されることもある。彼らは病気にもならないため、伝染病などに罹っても知らずに一般人へうつしてしまう事も。そのため厚生省の夜間衛生管理課が定期的な検診や訪問でケアを行っている。しかし、噂や迫害の過去が原因で、職員から逃げ回っているオキナガもおり、魁も当初はあかりに対してあまり友好的ではなかった。だが徐々に信頼関係を築いていった魁とあかりは、12年周期で起きる「羊殺し」事件の連続殺人犯を共に追っていくことになる。