愛憎渦巻く後宮が舞台!オススメ漫画5選97 Pt.

「後宮」とは、かつての権力者たちが妃や側室を住まわせた場所のことであり、いわば江戸城での大奥のような場所だ。皇帝の寵愛を受けるべく色んな謀略がうずまく女の園をイメージさせるが、そんな中でも逞しく生きる登場人物たちを描いた5作品を紹介しよう。

作成日時:2020-04-05 10:00 執筆者:マンガペディア公式

愛憎渦巻く後宮が舞台!オススメ漫画5選

出典:講談社


『烏に単は似合わない』

『烏に単は似合わない』

出典:講談社

架空の世界を舞台に、4人の姫君が皇后の座を巡るさまざまな権力闘争に身を投じていくファンタジー。八咫烏(やたがらす)の一族の長である金烏(きんう)が統べる世界である「山内(やまうち)」で、とある騒ぎが起こっていた。次期の金烏となる日嗣(ひつぎ)の御子・若宮が遊学を終えて山内に戻ってくるとの報が届いていたからだ。若宮の妹・藤波は、選ばれた妃が統括する「桜花宮(おうかぐう)」を開くと宣言する。妃候補として集められたのは山内の東西南北を治める四家の姫たちであった。

本作は東家の姫「あせび」、南家の姫「浜木綿(はまゆう)」、西家の姫「真赭の薄(ますほのすすき)」、北家の姫「白珠(しらたま)」の4人を中心に物語が巡っていく。集められた4人は誰よりも先んじて男の御子を産むよう努めることが宿命であり、若宮に選ばれた者は「山内の国母(こくも)」として一族の繁栄を約束されている。1年以内に妃に選ばれるべく、さまざまな陰謀や策略が巡らされる中で、浜木綿のバックボーンが暴かれ物語は急展開を迎える。それぞれ異なる個性と美貌を持ち、互いに切磋琢磨していく中で奇妙な友情のような絆が生まれつつあった4人であるが、若宮の思惑は別のところにあった。一筋縄ではいかない曲者、若宮の寵愛を得るのは誰かを予想しながら楽しむのもいいだろう。


『後宮デイズ~七星国物語~』

『後宮デイズ~七星国物語~』

出典:秋田書店

男装の旅芸人がひょんなことから後宮に出入りするようになり、さまざまな事件を解決していくミステリー漫画。主人公・翡翠(ヒスイ)は旅芸人一座「金鶏団」の花形だ。男装の麗人として、剣術や体術・楽器演奏に長け人気を博していた。ある日、彼女らが暮らす七星国(しちじょうこく)の皇都で芸を披露することになり、翡翠はまだ見ぬ都に思いを馳せる。時を同じくして、七星国の第7皇帝・流星は側近の宦官である棕櫚(シュロ)の勧めで金鶏団の芸を見に市井に出かけていた。

流星の前で芸を披露した翡翠は驚きを隠せずにいた。流星が、10年前に両親を殺されたとき、生き別れとなった兄・琥珀(こはく)に瓜二つだったからだ。流星もまた、彼女の芸を気に入り後宮の教坊(音楽や歌舞を司る場所)へと招き入れる。図らずも後宮への出入りを許された翡翠であったが、待ち受けていたのは暇を持て余した6人の妃たちであった。翡翠を追ってこっそりと後宮に紛れ込んで捕まった金鶏団の子供芸人・日雀(ヒガラ)を人質に取られ、引き換えに流星から後宮で起こった殺人事件の解決への協力を持ちかけられる。翡翠は持ち前の実直さと巧みな武術で見事に事件を解決に導くが、同時に流星の人柄にも惹かれ、兄かもしれないという疑念の中で葛藤していく。さまざまな要素が絡み合った恋とミステリーを楽しめる作品だ。


『紅霞後宮物語~小玉伝~』

『紅霞後宮物語~小玉伝~』

出典:秋田書店

とあるきっかけで後宮入りした将軍が、後に歴史に名を残す皇后となるまでを描いた半生記。大宸国(だいしんこく)の将軍である関小玉(かんしょうぎょく)は、不世出の将軍と呼ばれその右に出る者はいないほどの武術の達人である。小玉の側には副官の周文林(しゅうぶんりん)がおり、2人は切磋琢磨しながら何でも話すことができる、男女を超えた仲であった。時は流れ、34歳となった小玉はなぜか大宸国の皇后となっていた。

先帝の崩御により、皇族の血を引いていた文林は皇帝として即位し、小玉は裏切られた気持ちを抱いていた。それから3年後、小玉の将軍としての才能を高く評価していた文林は、彼女が軍を率いる権限を得るため皇后となり後宮に入って欲しいと懇願する。渋々皇后となった小玉だが、慣れない後宮生活を送る中で女官の梅花などの助けを得つつ、持ち前の前向きさと大雑把さで後宮を統べることになる。しかし、一筋縄ではいかない後宮の妃たちや皇帝の命を狙う一族に加え、遂には国家に謀反を起こす者まで現れ、彼女は皇帝を守るべく戦いの渦に身を投じていく。皇后でありながら戦士という設定が今までの妃のイメージを覆す意味でも面白く、文林とのちょっぴり笑えるラブロマンスも必見だ。


『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』

『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』

出典:小学館

後宮に売り飛ばされた少女が、薬学の知識で宮廷内のさまざまな事件を解決する探偵漫画。とある国の花街で、養父と共に薬師を営んでいた少女・猫猫(マオマオ)は、山の中で人攫いに遭う。連れ去られた先は、2千人の官女と千人の宦官を擁する宮殿であった。妃たちが美しき瘴気を渦巻かせる女の園・後宮で働くことになった猫猫だが、奇妙な噂を耳にする。後宮では御子が次々と不審死を遂げており、猫猫はその死に方にとある疑念を抱くのであった。

「呪い」や「毒」といった言葉に目がない猫猫は、薬師としての勘がくすぐられ動かずにはいられなかった。息子が病に冒された梨花妃(リファ)の様子を見て、不審死の原因がおしろいにあると見立てた猫猫は機転をきかせ、梨花妃ともう一人の側室である玉葉妃(ギョクヨウ)にそれを知らせ見事に事件を解決する。当初は字の読み書きができないふりをしていたが、活躍の様子を一部始終見ていたイケメン宦官である壬氏(ジンシ)に素質を見出され、晴れて玉葉妃の侍女へと出世するのであった。薬学の知識と毒への好奇心と聡明さから、次々と宮廷内で起こる難事件やトラブルを解決していくさまが痛快だ。また、事あるごとにタッグを組む壬氏との掛け合いも面白く、古代中国を思わせるような描写も楽しめる。


『悪役令嬢後宮物語』

『悪役令嬢後宮物語』

出典:amazon

悪人顔の美女がさまざまな誤解を受けながら、後宮の正妃として孤軍奮闘する物語。エルグランド王国にあるクレスター伯爵家の令嬢ディアナ・クレスターは、持って生まれた美貌と家系でもある悪人顔から、王国の悪を牛耳る裏社会の帝王と呼ばれ悪名高い存在と噂されていた。その彼女は、国王・ジューク陛下の正妃として後宮入りすることになる。美しくも冷たく恐ろしい顔貌から「氷炎の薔薇姫」と呼ばれ恐れられているディアナだが、その見た目とは裏腹な、ある悩みを抱えていた。

当初から後宮入りに乗り気ではなかったディアナは、後宮の権力争いを憂いたりと本当は心優しい女性であった。しかし、侍女たちを気遣おうと声をかけても悪人顔のせいで本心とは裏腹な意地悪な発言に取られてしまい、怖がられるのが常であった。ジュークもディアナのことを嫌っているような言動をとるため、渡りに船とばかりに周囲の印象通りの正妃「紅薔薇」を演じ、悪役に徹することで、後宮と政(まつりごと)を正しい方向に導こうと決心するのであった。側室の一人で敵対関係にあるリリアーヌ・ランドローズの攻撃をかわしたり、ジュークが思いを寄せる側室シェイラ・カレルドに寄り添い、声色を変えてまで悩み相談に乗ったりと孤軍奮闘するディアナの姿がいじらしい。後宮内のトラブルを持ち前の聡明さで次々と解決する場面も見どころだ。


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