テニスの強豪男子高校に、年齢や性別を偽って入学した少女・高樹愛の奮闘を描いたテニス漫画。「ラブ」こと愛は、小笠原諸島に向かう船上で、自称テニス天才少年・鯨岡洋平に出会い、テニスの面白さに目覚める。愛はテニスの特訓を始め洋平と勝負するが、激戦の末ノーゲームに終わった。その後、洋平は高校男子テニスのトップ校・蘭山学園にスカウトされ上京。愛は、彼に勝つことだけを目指し、蘭山学園のライバル校・黒百合学園に年齢や性別を偽って入学する。石渡治のボクシング漫画『B・B』の主人公・高樹翎の娘が愛という設定だ。
主人公・愛は、幼少時代、大好きな父と世界中を回り、密林や草原、砂漠などでさまざまなトレーニングを積んだ経験を持つ。そのため身体能力が抜群な上、頭脳明晰な秀才。しかし、黒百合学園で男子として練習を積む中、女性特有の体調不良や男子との体格差に苦しむことも。そんな中でも、朗らかな性格と不屈の精神で多くの仲間を味方につけ、強力な必殺技を習得し、ライバルたちと死闘を繰り広げていく。彼女が最初に目指したのは、強豪・黒百合学園テニス部の代表選手入りだ。その後、県大会出場、全国大会予選通過と徐々にコマを進め、全国大会で洋平に再会。念願の再戦を果たした彼女が、女子プロテニスプレイヤーとして活躍する姿も描かれている。
ごく普通の少女・岡ひろみが、テニスの一流選手になるまでを描いたスポ根漫画。物語の最初の舞台は、テニス王国と呼ばれる名門・県立西高等学校だ。ひろみは、新任コーチ・宗方仁に潜在能力を見出され、突然代表選手に抜擢されたことから人生が一変。練習に励み、次なる活躍の舞台を世界へと広げていく。1970年代の日本にテニスブームを巻き起こした作品で、1973年には同タイトルで、1978年には「新・エースをねらえ!」のタイトルでテレビアニメ化された。
ひろみは、絶大な人気を誇る「お蝶夫人」こと竜崎麗華に憧れてテニス部に入部したちょっぴりドジっ子な明るい1年生。実績などは皆無の平部員だった。しかし、宗方コーチが彼女の素質を見抜き地区大会の出場選手に選出し、個別の猛特訓を課される。すると、部内で「実力のたしかな2年生を差し置いて特別扱いされている」と言われ、嫉妬の標的に。靴に画びょうを入れられるなど、他の部員からさまざまないじめを受ける。ひろみは宗方コーチを恨むが、その一方で、テニス漬けの毎日が続く中で「テニスが好き」という気持ちに改めて気付き奮起。憧れていたお蝶夫人の真似をやめ、徐々に自分のプレースタイルを確立させていく。彼女が一流テニス選手になるまでの成長物語としてだけでなく、宗方コーチとの子弟の絆など人間ドラマとしても読み応えたっぷりだ。
主人公の「メグ」こと朝比奈恵がテニス選手として成長する姿を描いたスポーツ少女漫画。メグは、テニス一家に生まれた三姉妹の三女で、強豪・高千穂学園女子テニス部に所属している。自宅に夜間照明付きのコートが完備されているような恵まれた環境で育ったが、実績のある2人の姉たちと違い、彼女だけ成績が振るわず周囲からみそっかす扱いされていた。しかし、アメリカから編入してきた謎の美少女・穂村忍との出会いが、メグの眠っていた才能を目覚めさせる。
メグの父親は、学生時代に男子シングルスでその名を轟かせた元テニス選手で、現在は弁護士。一番上の姉・朝比奈蘭子は女子シングルスの大学生チャンピオンで、2番目の姉・朝比奈蓮子は高千穂学園女子テニス部長にして「インターハイの女王」の異名を持つ実力派だ。そんな朝比奈ファミリーの末っ子・メグは、姉らの成績と比較され周囲から憐みの目で見られていた。そのため、競技自体を心から好きになれないでいたが、忍との出会いや、先輩の男子部員・緒方一乗からの励ましがきっかけで、少しずつ自分のテニスと向き合うようになる。優れた選球眼など秘めていた才能が花開いていき、全国制覇を目標に掲げるほどの成長を遂げる。
恋愛体質の高校生・遠藤千夏が、入学初日に一目惚れしたテニス部エースに近づくため硬式女子テニス部に入部する青春ラブストーリー。千夏が好きになるのは、顔が整った高レベルの男子。しかしこれまで、無残に振られ続けてきた。高校で惚れたテニス部エースの葛西由行も、優れたルックスの持ち主。その上、1年生の時に出場したインターハイで8位入賞を果たしたテニスの実力者で、校内一の人気者だった。千夏は、彼への恋心からテニス部へ入部することを決意する。
千夏が入部した高校の女子テニス部は、先輩の命令は絶対で、私語や水分補給も一切禁止という過酷さから「無法地帯」と呼ばれている。初心者の彼女は、ラケットを握ることすら許されず、球拾いやコート整備に明け暮れる日々。葛西の練習姿を見ること、もろくにできずにいた。しかしある日、葛西と二人きりになるチャンスに遭遇し、すかさず告白するもミーハー気分で近づいたことがバレ、「二度と話しかけてくるな」とこっぴどく振られてしまう。だが、千夏は気を取り直し、葛西を振り向かせるためテニスの練習に励む。
ソフトテニス全国大会出場を目指して奮闘する、女子中学生たちの青春コメディ漫画。物語の主な舞台は、彼女たちが通う白玉中学校。北海道の田舎にあり、牧場が隣接するなどのどかな風景が広がっている。主人公の女子ソフトテニス部員は、春風明日菜、沢夏琴音、秋山千歳、冬川来栖と、後に転校生として加入してくるエリザベス・ウォーレン、平岸やよい。6名を中心とした騒々しい日々の様子が綴られている。2011年4月にテレビアニメ化。
本作は当初、マイペースな女子中学生たちが繰り広げる微笑ましい日常や、白玉中学校に隠された驚きの秘密など、テニスとは関係のないエピソードが描かれることも多くギャグ漫画の様相を呈していた。しかし、3年生の部長・千歳が、引退を間近に控え最後の大会にかける熱い気持ちを語るなど、ソフトテニスに打ち込む描写が徐々に増えていき、コメディタッチのスポーツ漫画へと変貌する。明日菜たち白玉中学女子ソフトテニス部の面々は、猛練習の末、地区大会を見事に勝ち抜き北海道大会に進出。さらに上へ進むことを目指して挑んだ北海道大会でも、ライバル・黒玉中や札幌笑止女学院を相手にチーム一丸となって挑み、大奮闘する。