のどかな田舎を舞台に、生徒数が少ない分校に通う子供たちが過ごす日々を描いたゆったり日常系コメディ漫画。一条蛍(いちじょうほたる)は、東京からの転校生で、小中あわせても生徒が5人しかいない地方に引っ越してきたばかりの小学5年生だ。蛍は小中併設校の「旭丘分校」で、宮内れんげ、越谷(こしがや)兄妹の越谷卓(すぐる)、小鞠(こまり)、夏海(なつみ)らと共にほのぼのとした学校生活を送ることになる。2013年、2015年、2021年にテレビアニメ化され、2018年には劇場版も公開された。
本作に登場する無表情のジト目の少女は、小学1年生のれんげ。無表情でも言動が可愛らしく、小柄な割に目立つ大きなアホ毛がチャームポイントのツインテール少女だ。住んでいる場所がとても田舎で子供が少ないため、同じクラスの中に小学生と中学生が混在しており、クラス内で最年少のれんげはみんなの妹的ポジション。語尾に「のん」など風変わりな言葉をつける癖があり独特な喋り口調だが、頭が良くて成績も優秀だ。しかし、休み時間などでは子供らしい遊びをして周囲を和ませており、その掴みどころのなさも彼女の大きな魅力といえるだろう。各々の魅力や個性が光るキャラたちが共に過ごす和やかな日々はひだまりのような温かさがあり、見ていて微笑ましい気持ちにさせてくれる作品だ。
キャンプが好きな山梨県に住む女子高生たちの青春を描いたアウトドア漫画。志摩リンは、単独でキャンプを行うことが好きな女子高生。ある日、いつものようにキャンプをしていると、山梨県に引っ越してきたばかりで遭難しかけていた各務原なでしこ(かがみはらなでしこ)と出会う。リンと同じ学校だったことを知って喜ぶなでしこは、野外サークル部の大垣千明(おおがきちあき)と犬山あおい、リンの友人の斉藤恵那(さいとうえな)も交えて交流を深めていく。2018年、2021年にテレビアニメ化。
本作に登場するジト目のキャラは、主人公のリン。大きなおだんご頭が特徴的の女子高生だ。キャンプと聞くと友人や家族で行うイメージが強いが、リンが好きなキャンプは一人で行う「ソロキャンプ」。気楽で景色も独り占めできるソロキャンプはリンにとって個人的な趣味のはずだった。しかし、賑やかな雰囲気を好むなでしこと出会ったことをきっかけに、千明、あおい、恵那らと一緒にキャンプを行うことも増え、互いに影響を与え合う仲へと発展していく。リンは口数が少ないものの、内心では友人たちを心配していることも多く、クールなようで実は優しさを兼ね備えている。作中にはキャンプに関するマメ知識やキャンプ料理の簡単レシピも織り込まれており、アウトドアの楽しさが伝わってくる。
2017年にテレビアニメ化されたクール教信者の漫画『小林さんちのメイドラゴン』からのスピンオフ作品。本編の主人公・小林の家に居候しているドラゴン娘・トールの仲間であるカンナことカンナカムイを中心に描かれる日常系コメディ4コマ漫画。カンナは訳あって異世界から人間界へ追放された幼竜。独身女性・小林の家でお世話になりながら小学校へ通い、トールや人間の友人たちと交流を深め、人間界を謳歌するようになっていく。
本作に登場するジト目のキャラは、本来はドラゴンの子供だが、人間界では小学生として過ごしているカンナ。大人しそうに見えるが悪戯好きなところもあり、通っている朧塚小学校ではクラスメイトの才川(さいかわ)リコに気に入られ、溺愛されている。カンナたちは自分たちがドラゴンであることを周囲には秘密にしているが、うっかり力を発揮してしまいそうになることも。クールなように見えてもまだまだ子供。好奇心旺盛で、愛らしさが普段の言動から溢れ出ているところがカンナの大きな魅力といえるだろう。本作ではカンナやトールたちを中心に、ファフニールなど本編でお馴染みのキャラが多数登場し、本編とは一味違うほのぼのとした平和な日常が描かれている。
他人との接し方・距離の加減ができない女子高生と、そんな彼女に興味を抱くクラスメイトの男子が紡ぐ青春学園コメディ。阿波連(あはれん)れいなは、他人との適度な距離感を掴むのが苦手な女子高生。彼女は人との距離が遠いかゼロかの二択しかなく、程よい距離感というのが掴めない。そのため、それを理解してくれる人がおらず、孤立していた。しかし、隣席のライドウは阿波連の妙な距離の取り方を受け入れてくれたために、二人は急激に距離を縮めていく。
本作の主人公の阿波連は、タイトル通り人との距離感が「はかれない」女の子だ。集団で過ごす学校では、暗黙の了解で互いに程よい距離感を保っていることが多いはずだ。しかし、その「程よい距離感」を阿波連は取ることができず、仲良くなりたいと思った瞬間にピッタリと寄り添うなど、距離をゼロにしてしまう。隣席のライドウは、そんなれいなを突き離さずに受け止めてくれた初めての友人だ。れいなは基本的にはジト目で無表情だが、ライドウの前では比較的感情豊かになる。一方、ライドウはおかしな行動ばかり取るれいなに興味津々。まるでひな鳥のように懐く甘えん坊なれいなと、そんな彼女を優しく見守るライドウのほのぼのとした日常に心癒されることだろう。
囚われの身でありながら物怖じしない人間の姫が敵地の城内でマイペースに生きる日常系ファンタジーコメディ。スヤリス姫ことオーロラ・栖夜(スヤ)・リース・カイミーンはカイミーン国の王女だが、魔王タソガレによってさらわれてしまう。しかし、魔王城の住民たちは案外優しく、暇を持て余すようになっていった。スヤリス姫は極上の睡眠を求めて、快眠に役立つモノを探して魔王城内を彷徨い歩き、魔族たちを翻弄するようになっていく。2020年にテレビアニメ化された。
本作の舞台となるのは、人間と魔族が敵対している世界。主人公・スヤリス姫は、普段はジト目で眠たそうにしていることが多いが、快眠のためには底知れぬ行動力を発揮し、眠りのためには手段は選ばない。時には無茶をしすぎて命を落とすこともあるが、死者を蘇生できるあくましゅうどうしの力で毎度生き返り、反省もしていないタフな王女だ。魔王タソガレをはじめとした魔族の者たちは気が優しい者ばかりで、ある意味、魔王城の中で一番厄介な存在が人間のスヤリス姫になっているところが面白い。枕やシーツにとどまらず、静かに眠るためには棺まで利用してしまうほどスヤリス姫の発想は奇想天外で、今後どのような快眠グッズが登場するのか楽しみだ。