仙石芽衣は、中高共に強豪剣道部の主将であり、強く! 凛々しく! 逞しく! そしてさっぱりとした性格ゆえに、女子たちから憧れの的となっている。そんな彼女は女生徒に告白される事も数多い。もちろん彼女自身は女子は恋愛の対象外なので、断っていた。そもそも強さを求めるストイックな性格の千石には恋愛沙汰に関わっている暇などないのだ。
そしてまた今日も校舎裏に呼び出される千石。
そこで待っていたのは、となりのクラスの男子、藤司朗。
初めての男子生徒からの告白。だが藤は学校でも有名な男子生徒であった。何故なら、話し方やしぐさが完全に女の子だったから。
つまりおネエ系男子だったのだ。
告白を断る千石だが、それでもしつこく付きまとう藤。
お弁当を作って来たり、お菓子を焼いて来たり、千石のはるか上を行く女子力の高さ。
そんなある日、千石に様々なプレゼントが送られてくるようになる。当然相手は藤だと思っていたのだが、実は……。
LaLaにて連載中、コミックは最新4巻が発売中。
もともと男の子だから男らしいのは普通なのだが、口調やしぐさが女性なのに、すごく男らしく感じる。
性格のせいか、結構トラブルに巻き込まれる千石を、男らしくかばったりするのだが…まぁおネエなので力は全然ないが、物理的パワーというよりも、精神的パワーで乗り越える。やっぱり人間、心が大事なのだ。
そんな藤に千石もドキッとしたりする。二人の恋の展開はどうなるのだろうか。
芽衣の回りにはキャラの立った(ヘンタイ)が集まってくる。
特に元男子剣道部主将の七緒学先輩、この人、かなりの逸材。そして兄弟もそろって酷い。
付き合う事をかけて千石と剣道で勝負するのだが、足をケガしている千石を藤が守ったことで、己の負けを認め、藤と付き合うと言い出したのだ。
高身長・高運動神経、だけどヘンタイという事で学校では有名な七緒先輩。
彼が女子更衣室に遠慮なく入ってきたという事で、千石に竹刀で吹っ飛ばされ、記憶喪失になった。
記憶が無くなる前はヘンタイだったので記憶が無くなるとマトモになるのかと思いきや、やっぱりヘンタイだった。
どうやら記憶のあるなしに関わらず、ヘンタイであるというところは変わらないようだ。
もとも藤と付き合う!と宣言していた七緒先輩。記憶がなくなってからも、やっぱり藤と付き合う事を決意したようだ。
男だとわかって付き合う宣言をしていた七緒先輩だったが記憶が無くなった後は、実は藤は女なのではないかと疑ったりするあたりがバカな七尾先輩らしい。
藤一方的に千石ラブ。
ヘンタイの七緒先輩も芽千石ラブ。
おネエ系男子と、ヘンタイ系男子二人に付きまとわられている千石だが、二人の男たちの想いは全然千石に届いていない。
もちろん、嫌なら今頃竹刀でどうにかされているところだろうが、傍に置いているという事だけでも、それは進展なのかもしれない。
でも千石からしたら、それはラブではない。どちらかと言うと恩義を感じているので、それを返そうという感じのようだ。どこまでいっても千石は侍女子なのだ。
とかくおかしなキャラの多いこの作品。笑えるコメディ満載だけじゃなく、千石がだんだんと藤に惹かれていくような、いかないような。
でも冷静に考えてやっぱり惹かれていないような、そんな感じで学園生活は続いてく。
たっぷり笑えて、心も暖かくなる感じのする作品、『水玉ハニーボーイ』を読んでみてほしい。