家庭を守るため、伝説のホストが夜の世界に返り咲く物語。かつて六本木で伝説のホストと言われていた七瀬公平は、妻子のためにサラリーマンとして働いていた。しかし会社をリストラされてしまったことから、公平は再び夜の世界へと舞い戻る。そんな彼を待ち受けていたのは、10年という歳月の重さだった。2008年TVドラマ化。
本作の主人公である公平はかつて「六本木の王」と呼ばれたナンバーワンホスト。しかし結婚を期にホストを辞め、普通のサラリーマンとして生きてきた。可愛い娘も生まれ、穏やかな日々を送る公平だったが、リストラを受けたことで自宅マンションの35年ローンが重くのしかかることになる。家庭を守るために、公平は再び六本木でホストとなる。しかしホストを辞めてから10年の歳月が過ぎ、外見はもはや当時のスマートなものではない。それでも公平は家族のために体を絞って古巣に戻り、どんな屈辱的な扱いを受けようとも後に引かない。そしてかつて王と呼ばれていた勘とセンス、目付きを取り戻した公平は再び六本木の夜の街に染まっていく。だが、その秘密を妻が知ってしまう日がくるのだった。
ひとりの青年が様々なトラブルや競争を経てトップクラスのホストとして成り上がる物語。北海道から東京へ上京してきた的場遼介(まとばりょうすけ)は、歌舞伎町で途方に暮れていたところを世界的デザイナーの加納麗美(かのうれみ)に諭され、救われる。彼女に再会するため、遼介はホストクラブ「ロミオ」に入店する。2005年TVドラマ化。
主人公の遼介は田舎から上京してきたものの、何もできない自分の無力感に苛まれていた。そんな時、偶然出会った麗美という美女が遼介を諭し、都会で生きる気力を与える。彼女との再会を願った遼介は、麗美の連れであった男性がホストクラブ「ロミオ」のホストだと知り自らも入店。麗美の援護もあり、遼介はホストへの道を歩み始める。女を騙して貢がせるホストが多い中、麗美は遼介が女の心を開き癒してくれるホストになれると見込み、彼を一人前のホストに育てようと決意する。それは余命いくばくもない麗美の最後の「遊び」であった。遼介は店同士の抗争や様々な事件を経て、「夜王」の名に相応しいホストへと成長していく。
実在のホストをモデルに描かれる、夜の世界のビジネスストーリー。ごく普通の野球少年だった木崎尚(きざきしょう)。彼は仕事や友人の死で挫折を味わう中、とあることがきっかけでホストの道を進むことになる。だが「輝咲翔(きざきしょう)」という源氏名になった彼は、酒を一滴も飲めない体質だった。2009年TVドラマ化。
本作の主人公は実在のホストであり、現在実業家として活躍する輝咲翔。本作はその彼の半生を綴った小説を元に描かれている。ごく普通の家庭に育った翔は、友人の恋人がホストに奪われたことがきっかけで、ホストとして見返してやろうと夜の世界へ飛び込む。翔は一滴も酒が飲めなかったが、そんな彼の人柄に惚れる者が後を絶たず、いつしかナンバーワンホストへと昇り詰める。その後彼はわずか23歳でキャバクラ店を出店するも、経営する店は様々な苦境に陥ることに。それでも翔はあきらめず、厳しいビジネスの道を突き進む。学歴もコネも金もなかったひとりの青年が、やがてKIZAKIグループの名と共に世界へ進出してゆく姿を描く。
超お金持ちの学校のホスト部に入った主人公を巡る学園ラブコメディ。資産家の子息令嬢が通う私立桜蘭学院高等部に、特待生として入学した藤岡ハルヒ。だがハルヒは校内オークションに出すはずの高価な花瓶を誤って割ってしまう。その代償として、ハルヒは令嬢たちをもてなすホスト部で働くことに。だがハルヒは、本当は女の子だった。2006年TVアニメ化、2011年TVドラマ化。
本作はボーイッシュな外見をした主人公のハルヒが、「男子生徒」としてホスト部で活動するラブコメ。桜蘭高校理事長の息子である須王環が創設したホスト部は、道楽で女子生徒を歓待するクラブである。ハルヒは環から、割ってしまった800万円の壺の代償としてホスト部で100人(後に1000人追加)の指名を受けることを要求される。だがホスト部のメンバーや環は、ハルヒが本当は「女生徒」であることを知る。ハルヒ本人は女の子たちから騒がれることが嫌ではなかったので、そのまま女であることを他の生徒たちには隠してホスト部を続けることに。ハルヒの天然な言動に、多くの女生徒は思わず胸がときめいてしまう。そんなハルヒを、環は女の子として気になっていた。
ちょっと変わったホストクラブを舞台にしたオムニバス人情物語。ここはとある女性オーナーが経営するホストクラブ「なごみクラブ」。この店のコンセプトは女性がくつろげる店であること。そのためやってくるお客さんは悩みや愚痴をこぼし、すっきりして帰っていく。人情派のホストたちが集うこの店に、今日も癒されたい人が訪れる。
本作は一話完結のオムニバス形式で、ホストクラブを舞台に描かれる物語。メインの登場人物はホストクラブ「なごみクラブ」に勤めるメンバーだが、ほぼ全員の本名が不明で「マネージャー」のような役職名や源氏名で呼ばれる。このホストクラブの売りは「癒し」。従来のホストクラブでは当たり前となっている売り上げ競争や同伴出勤、ノルマなどがこの店にはなく、それゆえホストを巡る色恋沙汰もない。女性が「悩み」や「愚痴」を相談できるような場所として、お人好しなマネージャーや、本心で話しを聞いて説教してくるホストなどが在籍している。そんなゆるい経営から、なごみクラブは万年赤字経営。それでもホストたちは、今日も「なごみ」にくる女性のために接客を続けるのだった。