遠藤達哉による3作目の連載作品。東西対立の緊張が続く架空の世界を舞台に、西国「ウェスタリス」の諜報機関「WISE」に所属するスパイ・黄昏が、世界平和維持のための極秘任務を遂行する物語。精神科医の「ロイド・フォージャー」を名乗って東国「オスタニア」に潜入した黄昏は、超能力者の少女・アーニャを養子に迎え、暗殺者のヨルを妻として偽装家族を形成する。そして、東国の要人であるドノバン・デズモンドの監視任務のため、彼の息子が通う名門「イーデン校」へアーニャを入学させることを目指す展開が主軸となる。本作はスパイアクションとホームコメディを融合させた特徴を持ち、スパイ活動の緊迫したシーンと家族の日常生活が交互に描かれる。アーニャが持つ、人の心を読むテレパシー能力を通じてほかの登場人物の内面が明らかになる場面では、子供らしい解釈で状況が描かれるなど、独自の描写手法が採用されている。また、東西冷戦を想起させる国際情勢を背景に、諜報活動や暗殺といった裏社会と、一般市民の平和な日常が共存する世界が構築されている。集英社「少年ジャンプ+」2019年17号(3月25日)から連載。2019年に「次にくるマンガ大賞 2019」Webマンガ部門第1位、同年に「このマンガがすごい!」オトコ編第1位、2020年に第15回「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」第1位、同年に第4回「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」大賞、2023年に第52回「日本漫画家協会賞」コミック部門大賞ほか、数多くの賞を獲得している。2022年4月のテレビアニメ化をはじめ、2023年3月の舞台化、同年12月の劇場版アニメ化など、さまざまなメディア展開が行われている。