ゴブリンをただのザコ敵と思うなかれ!オススメ漫画5選78 Pt.

「一見弱そうなキャラクターが実は強かった」という展開は今や王道だが、その派生形として弱小な怪物「ゴブリン」の強さや脅威を描いた漫画があることをご存じだろうか。本記事では、ゴブリンが主人公やその味方、ないし最大の敵となっている漫画を5作紹介する。

作成日時:2020-01-05 10:00 執筆者:マンガペディア公式

ゴブリンをただのザコ敵と思うなかれ!オススメ漫画5選

出典:小学館


『勇者の娘と緑色の魔法使い』

『勇者の娘と緑色の魔法使い』

出典:小学館

魔王の手下だったゴブリン・グリムが勇者・リカとの出会いを機に、自分が新たな魔王になるべく奮闘するファンタジー漫画。ある日魔王の城に侵入している勇者・リカと遭遇したグリムは、自分が人間と勘違いされたことを利用して他の魔物をその場から逃がしてやる。しかし恩を仇で返された上、逃がした魔物たちから殺されそうになった。そこへ助けに入ったリカにも子供扱いされたグリムは、その場の全員を見返すために強大な魔法を放つのだった。

ゴブリンは人間の女性を襲うことで繁殖する魔物として、ファンタジー作品ではしばしば凄惨で刺激の強い描写がなされる。だが、本作のグリムはそういったイメージとは程遠い造形で、一見人間の少年のようなので、ボーイミーツガール作品として気軽に読み進められるだろう。また非力な種族として他の魔物からバカにされていた主人公が、強者との出会いを機に自分も成り上がらんと奮闘し始める姿は、まるで青春漫画のようで、熱い気持ちにさせられる。グリムは「勇者に魔王を倒させてから自分が新たな魔王になる」という魔物らしい企みを抱いてはいるものの、リカに褒められて涙ぐむなど性格があまりに純真すぎるため、魔王を倒した勇者を裏切るとも思えず、ハラハラせずに読めるだろう。


『ゴブリンスレイヤー』

ゴブリン狩りを専門とする冒険者のゴブリンスレイヤーが、ゴブリンやそれを率いる魔物から村や町を守るファンタジー漫画。神官は新米のみで結成されたパーティーの一員としてゴブリン退治に同行するが、ゴブリンの群れに不意打ちを食らわされ、パーティーは敢えなく壊滅してしまう。そして神官も逃げ場を失ってしまうが、たまたまゴブリンの巣穴駆除に来ていたゴブリンスレイヤーにその場を救われた。2018年10月にテレビアニメ化。

ゴブリンスレイヤーが最弱の魔物と位置づけられるゴブリンをひたすら退治する姿は、「強大な敵を更に強大な力で倒す」という一般的な冒険者像からはかけ離れており、新しいファンタジーの形として大いに楽しめる。策を巡らせ罠を張り、冒険者というより職人のように敵を倒していくこともあり、ファンタジーというスケールが肥大化しがちなジャンルにもかかわらず主人公の存在を身近に感じられるのが本作の最大の魅力だ。またゴブリンの生態等が事細かに解説されているため彼らがただの「敵」に留まらず、あくまで種の存続のために行動している「生物」としても見えてくる点も素晴らしい。戦闘シーンは総じてTRPG(テーブルトークRPG)を連想させるので、その手のゲームに親しんでいた人ならなおさら本作にハマることだろう。


『ゴブリンはもう十分に強い』

『ゴブリンはもう十分に強い』

出典:KADOKAWA

レベル99のゴブリン・ホンワサビが、向かってくる勇者たちをひたすら返り討ちにしていくファンタジーコメディ。ホンワサビは下級魔物のゴブリンだが、「瀕死の勇者に遭遇し楽々討伐」というラッキーが100回ほど続いた結果、レベルが99になり魔王とタイマンを張れるほどの強さを手に入れていた。ホンワサビは勇者たちを簡単に蹴散らせる現状に張り合いのなさを覚えていたが、異世界からの召喚勇者であるアキの相手に、やがて楽しみを見出すようになる。

異種族ものの漫画としては珍しく登場人物がゴブリン含めて女性だらけであり、「勇者は死んでも復活する」というシステムもあいまって非常にライトな読み物に仕上がっている。偶然の積み重ねによって無敵に近い力を得るという設定は昨今のファンタジー作品の定番であり、主人公が相手をサクサク倒していく展開を好む人ならきっと本作に夢中になるはずだ。また登場する女性らのキャラクターデザインが総じて可愛らしく、勇者と魔物のやり取りも微笑ましいので、萌え系の日常コメディ作品として楽しむこともできる。なおゴブリンをはじめとした人外の種族ならではの事情や、召喚勇者が元の世界に帰る方法など、話が広がる要素も多いので、ぜひオススメしたい作品である。


『Re:Monster』

人間の能力者だった伴杭彼方(ともくいかなた)が、ゴブリンに転生し「ゴブ朗」として野生の世界を生き抜くファンタジー漫画。ある日知人女性に殺害された彼方は、次に目を覚ました時にはゴブリンの体になっていた。彼方は醜悪な見た目や非力な体にショックを受けるも、前世で持っていた超能力「吸喰能力(アブソープション)」が残っていることに気づいてからは、元の力を取り戻すため日々の狩りを通じて様々な野生生物を喰らっていく。

彼方は凄惨な最期を遂げたうえゴブリンに転生するという散々な状況にもかかわらず、日々を賢くたくましく生き抜いていく胆力が魅力。異世界転生系の作品といえば主人公が転生後に最強クラスの力を得るのが主流だが、本作は転生によってむしろ弱体化するという真逆の導入で早々に読者を惹きつけてくれる。作中のゴブリンは洞窟に住まい狩猟採集で食料を得るなど生活が原始的であり、整備された街などは序盤は一切出てこないため、本格的なファンタジー世界を追求する人には特におすすめ。また彼方は転生前から既に特殊な力を持つ存在であり、彼が働いていた「組織」も謎に包まれているなど、元の世界についても設定が濃いので、それらの要素が転生先の世界とどう関わっていくのかが非常に楽しみなところだ。


『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』

『あなたってよく見るとドブネズミみたいな顔してるわね』

出典:KADOKAWA

人とまともに会話できない臆病な勇者が酒屋で仲間集めに奮闘するファンタジーコメディ。勇者は王宮にて「復活した魔王を倒せ」との命を受けるが、話の最中部屋の柱に身を隠したりと、臆病すぎることから王様に心配されてしまう。その後王様の言いつけどおり仲間を集めに酒屋へ入るも全く声をかけられず、その場にいたゴブリンから挨拶などの言葉を呪文に見立てるようアドバイスされたことで、ようやく僧侶一人を仲間にすることに成功するのだった。

酒屋などで仲間を集めるシーンはファンタジー作品の序盤の展開としては定番だが、本作は最初から最後までひたすら仲間を集め続けるという斬新なストーリーになっている。誰と接するにもオドオドしてしまい、挨拶など単純な言葉で何とか意思疎通を図ろうとする勇者の姿には、コミュニケーションの苦手な人なら共感できるものがあるだろう。また物語全編通して全く冒険が始まらないせいか、ファンタジーにおいて本来敵として出てくるはずのゴブリンが勇者の仲間集めをサポートしており、純粋に勇者の成長を見守る作品として微笑ましい気持ちで読み進められる。原作は無料のスマホゲームアプリであり、こちらもゲーム内容が大変シュールなので興味があればぜひダウンロードしてみてほしい。


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