たったひとり、孤独に難敵へ立ち向かう主人公を描いた漫画67 Pt.

たったひとりで難題・難敵に立ち向かう理由や動機は何なのだろうか。そこには彼・彼女にしか理解できない、何か特別な思いがあるのかもしれない。今回はそんな孤独な主人公を題材にした漫画を紹介する。

本作における孤独な主人公は、セーラー服姿の美少女・瞳子。人呼んで「人斬り青猫」だ。瞳子が刀を振るうのは、家族を皆殺しにした強盗団を殺すためである。瞳子は「火男」の刺青がある男たちを探し続け、自身の行く手を阻む者なら、誰彼構わず刀の錆とした。殺戮が激しさを増す中、瞳子はとうとう黒幕の正体を突き止める。その黒幕の名はヒヌマ。かつて瞳子が思いを寄せていた男だ。体がズタボロになりながらも、瞳子はようやくヒヌマの居場所を掴む。瞳子は高揚で頬を赤く染めながら、ヒヌマの前に姿を現す。瞳子の復讐は果たされるのか？ 人斬りが復讐のためなのか、それとも愛のためなのか、その答えは自分の目で確認して欲しい。

本作の主人公は、孤独を好む高校生・森文太郎だ。文太郎は、過去に事故で友人を亡くして以来、心を閉ざしたまま毎日を過ごしていた。しかし、転校先の高校で校舎の壁をよじ登った文太郎は、登りきった瞬間に充実感を覚える。文太郎は、クライミングに今まで実感できなかった「生」を見出して、虜になっていく。そして様々な山に挑み、登山に没頭。そんな文太郎に、人類未踏の氷壁「K2東壁」遠征部隊への参加の誘いがくる。文太郎は参加を決めたものの、「K2東壁」登頂プロジェクトは頓挫しかける。その後、最愛の女性・加藤花と結ばれたこともあり、次第に文太郎の心は山から離れていく。それでも後輩から声を掛けられた文太郎は、再び「K2東壁」登頂を志す。文太郎は、見事「K2東壁」登頂を果たすものの、その代償は決して安くはなかった。山に魅せられ、山を愛した男の勇姿をご覧いただきたい。

本作からは、孤独にゴブリンの討伐を続ける主人公・ゴブリンスレイヤーを紹介する。彼の使命は、ゴブリンを討伐することだ。ゴブリンは単体では最弱級のモンスター。しかし、群れを成すと、狡猾に罠を仕掛け、冒険者を窮地に陥れる脅威となる。命の危険はあるものの、ゴブリンを倒しても名声は得られないため、手練れの冒険者は、ゴブリン討伐の依頼を受けない。しかしゴブリンプレイヤーはたった一人で孤独にゴブリンだけを殲滅し続ける。身に帯びているのは見栄えや性能にはこだわらず、ゴブリン討伐に最適な装備だけ。新米冒険者のような油断は微塵もない。ゴブリンスレイヤーが異様なまでにゴブリンを忌み嫌うのは、理由がある。それは、ゴブリンに故郷を滅ぼされた挙句、姉を殺されたからだ。次第にゴブリンスレイヤーの理解者も増え、彼自身も心を開くことで、一党を組むようになる。そして、ゴブリンスレイヤーは、次なる場所で新たなゴブリンを狩っていく。

本作における孤独な主人公は、元サラリーマンのフジキド・ケンジである。かつて起きたソウカイヤとザイバツによる「マルノウチ抗争」にて、フジキドは妻子を失い、自身も瀕死の重傷を負う。しかし、フジキドは、「ナラク・ニンジャ」という謎の「ニンジャソウル（ニンジャの魂）」に憑依されたことで、赤黒き復讐者「ニンジャスレイヤー」となって死の淵から甦る。かくて「ニンジャスレイヤー」となったフジキドは、たったひとりで悪のニンジャ組織「ソウカイヤ」と死闘を繰り広げていく。当初こそ闇雲にニンジャを殺すだけのフジキドだったが、師匠・ドラゴン・ゲンドーソーや、ジャーナリスト・ナンシー・リーら協力者との出会いが、フジキドの思考と行動に変化を与える。そして、フジキドは仲間のために、悪のニンジャと戦うことを決意する。「忍殺語」と呼ばれる独特な言い回しや用語、ケレン味あるアクションも魅力となる作品だ。