オトナの男女におすすめ!女性マンガ家「ジョージ朝倉」の作品10選83 Pt.

現在イラストレーターとしても活躍を続ける女性マンガ家「ジョージ朝倉」。少女マンガの枠にとらわれない斬新な設定と、青春の迸るような一瞬を描く作品は、ティーンだけでなくオトナの心にも刺さる作品ばかり。現在もティーンの青春を描き続けるマンガ家「ジョージ朝倉」のオススメ作品を、今回は10作品まで紹介!

2003年から『FEEL YOUNG』にて連載。口うるさい彼氏「正樹」との性格の不一致を感じながら、自分のしたバイト先での浮気に負い目を感じて交際を続けていた「梅宮志乃」(24歳)。浮気の発覚後も好きだと言う「正樹」の命令に従うまま惰性でバイトを続けていた「志乃」は、ある事件をきっかけに自分の置かれている状況にうんざりしてバイトを辞め、その日の夜に「正樹」からも別れを告げられる。別れにショックを受けながらも、新しい環境で生きると決め、新しい土地で始めたバイト先で、偶然「志乃」の部屋の隣に住む店長「京志郎」(30歳)と出会い、思わず好きになってしまう。しかし「京志郎」には同棲中の彼女「あかり」がいて相手にされず、平穏な片想いの日々が続くと思われたが、ある日その彼女は「京志郎」の前から全ての痕跡を残さずに姿を消してしまう。「京志郎」はさみしさのあまり、隣の「志乃」の部屋に上がってしまい…。「ジョージ朝倉」が贈る女子の一大恋愛史。大人の女子には必見の作品だ。

2004年から『別冊フレンド』にて連載された作品。田舎町を舞台に、十代の様々な葛藤、自意識、友達関係、恋愛を描いた群像劇。東京から遠く離れた田舎町で生活することになった「夏芽」は、出身の違いや外見から中々溶け込めず、周囲と馴染めない学校生活を送る。そんな時、複雑な環境で育った地元の元大地主の息子「長谷川航一朗」に出会い、強烈に惹かれていく。中学に入り、「コウ」と付き合うことになった「夏芽」は少しずつクラスメイトや「コウ」の友人「大友 勝利」とも打ち解けていき、先生のすすめで写真部を作るなど順調な日々を過ごす。しかしそんな「コウ」との日常も、ある日突然起きた事件によって一変してしまい、「夏芽」や周囲の人々に変化を及ぼしていく…。自分が欲する「何か」から遠ざかってしまう感覚や自分は友達にとってどんな存在なのかという不安。そうした十代のむき出しの自意識を鮮烈に描いた、「ジョージ朝倉」渾身の名作。

2003年から『月刊IKKI』にて連載。映画監督と女優志望の女子高生の逃亡劇を描いた前代未聞の「ロードムービー・ラブコメディ」。自主映画監督「真島アキ」(30歳)は、監督デビュー目前にライバルにその座を奪わ、自暴自棄になって歩道橋からカメラを投げ捨てようとするが、「真島」のファンだという女子高生「鰐淵ミカ」に拾われる。彼女を見初めた「真島」は、彼女を自作の映画のヒロインにすると騙すが、のちに本来のヒロインが巨乳アイドル「中村ヒナ」であることを知った「ミカ」は、直談判に行った「ヒナ」の楽屋で彼女を殺害してしまう。「真島」はそんな「ミカ」とともに逃亡し、二人の逃亡劇を撮影して映画にしようと決意する。撮影を通して、「ミカ」と「真島」の関係は少しずつ変化していき、共犯関係からあわやその先へと二人が進みかける中、別の視点で逃亡劇を追うライバルや死んだはずの「ヒナ」の登場によって、実に奇妙に目まぐるしく物語は展開する。逃亡の果てに行きつく二人の結末とは!?全年齢におすすめの作品

1998年から『別冊フレンド』にて連載の作品。ラブレターを巡って起こる思春期の少年少女の恋愛模様を1話完結のオムニバス形式で描いた作品。読書好きの女子中学生「高瀬リリコ」は、雪の降るある日、図書館で自分が読んでいた本に、自分宛てのラブレターが挟まっているのを発見する。差出人が不明のまま、「リリコ」は手紙の「彼」と図書館の本を介して文通を続ける。初めての好意と、手紙に挟まった不思議な贈り物に「リリコ」は徐々に惹かれていき、「彼」と会ってみたいとの想いが募る中、ある日気にいらないクラスメイトの男子「柄本」が話しかけてきて…。第1話「図書室のラブレター」の他、　屋上で拾った手紙から始まる文通の物語や、1通のラブレターが巻き起こるサスペンス、愛する女のために偽りの手紙を書くポストマンの物語など、手紙やメール、ビデオレターを巡って起こる物語は様々な映画やドラマにもなる程、オトナの心も揺さぶる。「ジョージ朝倉」珠玉の作品集だ。

2001年から2003年にかけて『Zipper comic』『FEEL YOUNG増刊 Salada』『FEEL YOUNG』に掲載された作品。 作者が「中学生版ロマンポルノ」をコンセプトに、中学生の多感で傷だらけの青春と体当たりの恋愛をそのまま中学生視点で描いたオムニバス形式の作品。中学三年生の「根岸」は、同級生の野球部員「荒井」の気を引く為、夏休みにビニールハウスで「村井」と関係を持つ。体の関係になった二人は塾にも行かずビニールハウスで逢瀬を重ねる日々を送るが、日常では相変わらず会話のないまま。「荒井」が幼馴染「瑠璃」のことを好きだと知っている「根岸」は、次第に体の関係だけの自分むなしさを感じていく…。好きな人を振り向かせるため体でつる「根岸」、好きな幼馴染に振り向いてもらえない「荒井」、年上に愛を求める「瑠璃」など、実らない恋に体当たりで挑み、傷つきながら大人になっていく中学生の姿を、作者の鮮烈なタッチで描く。ティーンだけでなくオトナの女子にもオススメの作品集。

2002年より発表された「朝倉ジョージ」の描き下ろし作品。19歳でマンガ家デビューを果たした「ショーコ」は、その後一切マンガを描かずに洋服工場で働いていた。高校の頃散々バカをやった親友「アキラ」は、結婚とともに疎遠となり、毎日生活の為洋服にアイロンをかけるだけ日々。まるで仕事の出来ない同僚「マリエ」に何故か懐かれ、彼氏ができても、「アキラ」のいない日常に喪失感ばかりが募る日々。やがて「マリエ」も洋服工場を去り、「ショーコ」は再びマンガを描き始める。洋服工場をクビになった「マリエ」は、非道いイジメによって外に出なくなった少年「ケンジ」に偶然拾われ奇妙な同居生活を始め、「ケンジ」は「マリエ」奇妙な出会いと別れを経験していく…。「ショーコ」と「アキラ」、「マリエ」と「ケンジ」。二度と戻れない特別な日々を追憶しながら進む10年の軌跡を、「ジョージ朝倉」らしい鮮烈さと瑞々しさで描く傑作。

2009年より『Zipper』にて連載された作品。農学部に通う女子大生「三本杉たよ子」は、人並み外れた食欲による莫大な食費を稼ぐため、大学に通う傍らキャバクラでアルバイトをする日々を送っていた。ある日、バイト先のキャバクラで酔いつぶれた客「森野リス蔵」を家まで送った際、送り先でイケメンの獣医師「森野 獅子王」と出会い、一目で恋に落ちてしまう。しかし、そのイケメン獣医師「獅子王」の正体は、請われれば誰とでも関係を持ち、結婚さえしてしまう呆れるほどの博愛主義者だった…。見た目は派手で行動は大胆!おまけに酒豪で大食漢。だけども性格は丁寧で真面目で純粋。まだ恋も知らない「たよ子」とひと筋縄ではいかない博愛主義者「獅子王」のストーリーを中心としながら、周囲の人物の恋愛模様や人間関係も喜劇的に描く。「ジョージ朝倉」の斬新な設定が光るドタバタラブコメディ。

2015年より『週刊ビッグコミックスピリッツ』にて連載の作品。バレエに魅了されながらもそれをひた隠しにしてきた少年が、様々な出会いを通してバレエへの情熱を再燃させ、やがてバレエの選ばれた世界へと足を踏み入れていく姿を描く作品。13歳でバレエに魅了されながらも、父の死をきっかけに男らしくしなければと自らを律してしまった「村尾潤平」は、バレエとは全く関係のない格闘技を習い、バレエを自ら遠ざけてしまう。格闘技を習うことで、中学では人気者となり順調な学校生活を送っていた「潤平」だったが、転校生「五代都」にバレエへの興味を見抜かれてしまい、やがて「都」の母親に格闘技で培った身体能力を買われ、彼女の経営するバレエスクールで8年越しに「男らしくない」として遠ざけていたバレエと向き合っていく…「村尾」や「都」を始め様々なキャラクターが登場し、バレエに魅了され青春の全てをかけた少年少女たちの迸るような日々を、「ジョージ朝倉」らしいタッチと視点で描く、作者渾身の青春バレエマンガだ。