目の見えない人を助ける相棒!盲導犬が活躍する漫画オススメ5選55 Pt.

盲導犬は目が見えない人を安全に目的地まで誘導する役目を担っている。そして共に暮らし絆を深める内に、愛情や安らぎなど、多くのものを与えてくれる大切な存在となっていく。今回は盲導犬の役割や活躍を描いた漫画作品を紹介しよう。

作成日時:2020-05-28 10:00 執筆者:マンガペディア公式

目の見えない人を助ける相棒!盲導犬が活躍する漫画オススメ5選

出典:講談社


『ハッピー!』

『ハッピー!』

出典:講談社

失明したことで人生に失望しかけていた主人公が、自分の目となり道標となってくれる盲導犬と出会い、人生を豊かにしていくヒューマンドラマ。高野香織は、22歳の時にスキーの事故で失明してしまう。外出時には白杖(はくじょう)を使用していたが、周囲から心無い悪口を言われたり、付き合っていた恋人に他の女がいたことが発覚したりしたことで、人生に嫌気が差していた。しかし、盲導犬のハッピーと出会ったことが転機となって新しい恋人にも恵まれ、家庭を築き、明るい未来を切り開いていく。1999年、2000年にテレビドラマ化。

視覚に障がいがある人にとって、盲導犬は安全な道に導いてくれるだけでなく、家族の一員として大切な存在だ。目が見えない主人公の香織の未来を明るい方向へと導いていってくれたのは、盲導犬のハッピー。熱中症になりかけていたハッピーを助けてくれた獣医の湊昇(みなとのぼる)と香織は交流を深めていき、やがて結婚し、子供も2人授かった。ハッピーも家族の一員として絆を深めていく。香織は目が不自由ながらもハッピーや周囲に助けられながら懸命に子育てし、人生が鮮やかに色付いていった。そして約10年間、香織の傍で立派に盲導犬としての役目を果たしたハッピーは、ついに引退を迎えることに。2頭目の盲導犬ティンクルと香織たちの暮らしは続編の『ハッピー!ハッピー♪』で描かれている。


『風をとどけて ‐盲導犬訓練士物語‐』

『風をとどけて ‐盲導犬訓練士物語‐』

出典:amazon

盲導犬訓練士学校を舞台に、主人公が奮闘する姿を描いたコメディタッチの訓練士青春漫画。桃池(ももち)あずさは、盲導犬訓練士学校に通う1年生。身長が低いことで「チビ太」と呼ばれるあずさは、自分の命令を全く聞こうとしない犬に対して、つい大声で命令し、失敗してしまうなど、犬の扱いも上手くいかず、情けない思いを抱きながら学校での日々を過ごしていた。しかし、あることをきっかけに、訓練士になる上で大切なことに気付いていく。

本作は日本盲導犬協会での取材を基にしており、盲導犬の役割や盲導犬訓練士の役目など、盲導犬の情報が盛り込まれている。訓練学校にいる犬には正式な盲導犬候補である訓練犬と、CC犬と呼ばれるキャリアチェンジ犬の2種類が存在する。後者は何らかの理由によって盲導犬には不適切と判断された犬のことであり、正式な候補犬よりも扱い辛いことが多い。主人公のあずさはある日、疑似体験を通じていかに盲導犬が頼りになる存在であるかを実感する。また、優等生の青山の機転により、CC犬のインディがあずさの言うことを聞かないのは信頼不足が原因だったことも思い知る。あずさが失敗を糧にしながら、少しずつ盲導犬訓練士への階段を昇っていく姿に、きっと応援したくなることだろう。


『永遠のウィズ』

『永遠のウィズ』

出典:講談社

孤独だった少女がパピーウォーカーとして盲導犬を育てる内に人生が彩り豊かになっていくヒューマンドラマ。主人公の少女・栗生(くりお)瞳は、自己主張が苦手で友人が作れずにいた。そんなある日、社会見学で盲導犬の子犬を育てる「パピーウォーカー」という存在を知る。パピーウォーカーになれば、憧れの犬を飼えることに魅力を感じ、瞳は両親の承諾を得てパピーウォーカーになることを決意。瞳はやってきた子犬に「アイ」と名付け、そのことをきっかけに友人も増えていく。

盲導犬候補の子犬は、生後2ヶ月から1歳になるまでの約10ヶ月は、子犬を育てるパピーウォーカーと呼ばれるボランティアの家庭で育つ。愛情豊かな家庭で暮らしていく中で様々な経験を重ね、その経験が後に盲導犬となった際に大きく役立つことになる。パピーウォーカーとなった主人公の瞳の家にやってきたのは気弱な子犬だったが、瞳は強くて優しい盲導犬になれるよう懸命に育てていく。子犬だったアイは無事に1歳を迎え、訓練所へ戻り、盲導犬が必要なユーザーの元で立派に務めを果たすが、リタイア後は再び瞳の家で暮らすことに。しかし、アイの体に病気が見つかり、壮絶な闘病生活が始まった。大切な存在と寄り添いながら生きることのすばらしさや命の尊さについて考えさせられる感動作だ。


『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』

『いっしょにあるこうね 盲導犬コディ』

出典:双葉社

盲導犬候補の子犬の目線で人間と犬の絆を描いた動物漫画。コディは、盲導犬候補のラブラドールの小犬。心優しいパピーウォーカーの家で愛情を全身に浴びながら過ごし、少しずつ人間との暮らしやルールを学んでいった。1歳になったコディは訓練所で盲導犬訓練士の元で訓練を受け、立派な盲導犬へと育っていく。コディが暮らすことになった新たな家で、主人を「お父さん」と慕いながら、懸命に盲導犬の役目を果たそうとするコディの姿を描く。

本作では、盲導犬を必要としているユーザーや訓練を行う訓練士が主人公ではなく、盲導犬自身の目線で描かれている。主人公の盲導犬の「コディ」には、「助ける者」という意味が込められている。コディに限らず、盲導犬の多くはラブラドールという犬種。しかし、どのラブラドールも一緒というわけではなく、人間と同じように盲導犬にもそれぞれ個性がある。コディは主人である「お父さん」のことが大好きで懸命に尽くし、ユーザーである男性にとってもコディは大切なバディのような存在であり、両者の間には強い絆が結ばれていく。本作は盲導犬協会から推薦を受けるほどに盲導犬についての様々な情報や知識が満載であり、盲導犬について興味がある人には是非一度手に取って読んでみて欲しい一冊だ。


『ナオゴーストレート 盲導犬歩行指導員』

『ナオゴーストレート 盲導犬歩行指導員』

出典:双葉社

人の気持ちに敏感な主人公が自分の隠れた素質に気付き、新たな夢に向かって進んでいく職業漫画。主人公のナオこと紺野奈緒は、何をやっても裏目に出て仕事も恋も上手くいかず、自分の居場所を見失ってしまう。失意に沈んでいたナオだったが、ある男性との出会いが転機となり、盲導犬に関わる仕事という新たな夢が見つかった。表情や仕草から気持ちを汲み取り、相手に合わせることができるナオの性格は、正に盲導犬歩行指導員を目指すにはうってつけのもので、その才能を開花させていくのだった。

盲導犬訓練士になるには資格が必要であり、訓練学校にて3年間学び、その先の盲導犬歩行指導員を目指そうとするならば、更にその後に2年間専門知識を学ぶ必要がある。訓練士の仕事は犬の訓練や育成が主だが、歩行指導員となると、目が不自由な人を相手に盲導犬との歩き方を指導することが主な仕事。歩行指導員は盲導犬のことについては勿論、目が不自由な人の目の病気のこと、心理学についても学ぶ必要があるのだ。主人公のナオは、犬や人の気持ちに寄り添う必要がある盲導犬訓練士や歩行指導員に正に最適とも言える素質があった。ナオが盲導犬歩行指導員を目指して様々な経験を積んでいく姿を描きつつ、知られざる現場の様子も知ることができる内容となっている。


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