「園城寺・リア・不二子」は、ハーフで美人で背が高いという完璧な外見の持ち主だが、いじめのトラウマから超絶自虐家となり、彼氏いない暦29年で、現在29歳。そんなリアだが、脳内に彼氏を作って早5年。悲しい時も、健やかなる時も、エア彼氏ツトムくんがリアの心の支えとなっていた。職場は大阪の片隅にある「すみれ宅配給食」という、主に老人施設などにお弁当を宅配する小さな会社で、職場はおじいちゃん、おばあちゃんばかりで和気あいあいと楽しく、宅配先のお年寄りとも家族みたいに過ごしていた。
それなりに楽しい毎日を過ごしていたが、会社が東京のIT会社に買収されてしまう。リアと同期の京ちゃんだけ東京に行って働く事になった。孫のように可愛がってもらったみんなに見送られて……。エア彼VSリアル男子。リアが選ぶのは果たして!?
29歳リアル恋愛歴ゼロのハーフモデル体型美女。英語が話せそうな外見だが、英語がわからない。エアな彼氏、ツトムくんと脳内で付き合っている。周りからは派手な外見のせいで、色恋の多い男性をたぶらかす女性と勘違いをされるが、性格が泣けてくるほど純情で世間知らず。周りから疎まれ、さげすまれているのは自分のクド過ぎる顔とデカ過ぎる体のダメな人間だからと勘違いをしている。
リアの妄想彼氏=『エア彼』交際歴5年。優しいメガネくん。どんな付き合い方かは謎。どんなときもリアの味方で完璧なエア彼。技術研究職に勤めている。完璧過ぎて一つの命を宿しているかのような描写が多数ある。リアのミスの挽回策を考えて提案したり、パソコンソフトの使い方まで教えてくれたりする。
成長著しいIT企業を率いる若手イケメン社長。世界を股にかけるモテ男子。リアに対して何を考えているのかは不明であるが、クビではなく社長秘書に任命した。
リアのバージンを守る守護聖人のような親友。リアの清らかさを守り、妖精になるのを待っている。社長に対しては警戒を強めている。遠距離恋愛の彼氏がいて、明るく朗らかな性格で友達も多い。
リアと周りの勘違いが面白く、裏目に出ているのに本人が気がついてない。どんな辛い事が起きようが、エア彼のツトムくんに励まされ、前向きに頑張っているところが可愛く思える。特に狙うこともなくできあがっているものが本作品におけるギャップなのだろう。ここまで「こじらせた」リアの恋愛がどのような決着を迎えるのか。社長に攻略され、現実に戻っていく姿もみたいが、京ちゃんのように妖精でいて欲しいという気持ちも否定できない。全3巻で完結で完結しているので、週末の一時に読んではいかがだろうか。