『サイボーグ009』、『さるとびエッちゃん』、『HOTEL』などの漫画作品や、『仮面ライダーvシリーズや『人造人間キカイダー』といった特撮ヒーローものの原作者としても活躍。
多作なマンガ家としても知られ、一人の著者による最も多いマンガの出版の記録としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている。
「マンガの神様」と呼ばれた手塚治虫に対し、そのマンガ人気の継承者として「マンガの帝王」と称されたマンガ家、石ノ森章太郎。
希代のマンガ家、石ノ森章太郎のマンガ論を紹介しよう。
出典:仮面ライダー (1)
『サイボーグ009』、『さるとびエッちゃん』、『HOTEL』などの漫画作品や、『仮面ライダーvシリーズや『人造人間キカイダー』といった特撮ヒーローものの原作者としても活躍。
多作なマンガ家としても知られ、一人の著者による最も多いマンガの出版の記録としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている。
科学と芸術の統合をはかった万能の天才、レオナルド・ダヴィンチ。
ダヴィンチは、音楽、建築、数学、幾何学、動植物学、天文学、地質学、地理学、物理学などのあらゆる分野で現代にまで伝わる業績を残した人物で、とにかくその活動の分野は多岐にわたる。
石ノ森が自伝につけたタイトルは、「ボクはダ・ヴィンチになりたかった」。
タイトル通り、石ノ森は幼少期からレオナルド・ダヴィンチに憧れていた。
学生の頃は運動や芸術の垣根を越えて5つの部活動に参加していたといわれ、その興味の幅がのちの制作活動の大きな原動力になる。
胃袋よりも、興味と好奇心を満たすほうが優先だったのだ」
石ノ森のマンガ家としての大きな力となったのが、多岐にわたるその好奇心。
マンガ家になってからもそのスタイルは変わらず、役に立つからという理由ではなく、ただ好きだからという理由で本や映画鑑賞といった趣味に収入のほとんどを使っていたという。結果としてその好奇心が石ノ森を人気マンガ家へと押し上げたのだ。
どこかいびつでしょう。僕らは凡庸だから、妙にバランスがとれてしまっている。そういう性格が作品にもあらわれてしまっている。物足りない。手塚さんのようなつきつめたところがない。それは自分でもわかってる。」
石ノ森は人生の目標にレオナルド・ダヴィンチ、現実的な近い目標に手塚治虫の名を挙げていた。
上のことばは、その実質的な師匠ともいえる手塚に対して発言した有名なものだ。
印象的なのが、自身をバランスが取れてしまっていると評している点で、そのせいで自分の描く漫画には突き抜けた面白さがないとしている。
別の時に、世の中には均衡が取れていてマンガ家が必要とされるといった発言もしているため、ある程度は自身に対して自信のようなものを持っていたことも確かだろうが、神様と呼ばれた手塚に対してやりきれない劣等感を持ち続けたのもまた事実のようだ。
現に手塚が石ノ森に与えた影響は大きく、石ノ森の代表作のひとつである『ジュン』という作品を描いていた時は、手塚のとあるひとことを聞いたがために編集部に自ら連載の打ち切りを申し出たほどだった。
手塚治虫という圧倒的な存在を意識し続けたがために、石ノ森はギネスに認定されるほど制作に命を燃やすことができたのだ。
いかがだっただろうか。
石ノ森的マンガ論、自身に身を置き換えてみると、こんな生き方ができただろうか、と考えさせられるものだった。
これらを踏まえてもう一度石ノ森作品を読んでみたい。
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