どこか憎めない悪役が登場する漫画62 Pt.

憎めないところがある悪役キャラには、人気者も多い。そんな「どこか憎めない」悪役キャラクターが登場する漫画を紹介する。

どこか憎めない悪役が登場する漫画

出典:集英社

主人公達の行く手を阻む悪役は、多くの作品に存在する。ただ、一口に悪役キャラといっても、そのタイプは千差万別。今回は悪役にも関わらず、どこか憎めない魅力的なキャラクターたちを紹介したい。


主人公・浦飯幽助は、不慮の事故で死んでしまう。しかし、霊界から与えられた試練を乗り越えて甦る。生き返った幽助は、人間界で悪事を働く妖怪を倒す「霊界探偵」になる。仲間と共に妖怪たちと戦いを繰り広げる能力バトル漫画だ。1992年にテレビアニメ化、1993年、1994年にアニメ映画化された。

本作で紹介する「憎めない悪役」は、元は人間であった妖怪・戸愚呂弟(とぐろおとうと)。霊界探偵として数々の妖怪たちを倒してきた幽助の前に、大きな壁として立ちはだかる。そんな戸愚呂弟は、強さを追い求めるストイックな性格。正々堂々と戦うという美学を持つ。残酷で卑劣な手段を用いることを厭わない戸愚呂兄とは、兄弟といえども正反対な性格だ。また、戦いにおいては容赦しないが、それ以外では相手を気遣う紳士的な一面を持つ。かつて人間だった時、戸愚呂弟は、己の力不足から妖怪に弟子を殺されてしまった。そのことを悔いた彼は、強さを求めて人間から妖怪に転生したのだ。凄絶な過去を持ち、強さのみを求めた戸愚呂弟の生き方は、読者の共感を呼んだ。


勇者である少年・ニケと魔法使いの少女・ククリが、世界征服を目論む魔王・ギリを討伐するために世界中を冒険する、ギャグファンタジー漫画だ。1994年、2000年、2017年にテレビアニメ化、1996年に映画化された。続編に『魔法陣グルグル2』がある。

本作からは、魔物の悪役・レイドとタテジワネズミを「憎めない悪役」として紹介する。「魔界のプリンス」を自称するレイドは、プリンスと言うだけあって見た目はイケメン。しかし、性格は自信過剰でナルシスト。キザでクサイ台詞が目立つ。レイドは、世界征服を目論む魔王・ギリを倒すために旅を続けるニケとククリの前に、何度となく立ちはだかる。やがて彼は、敵であるククリに恋心を抱くようになる。魔物ながら人間くさいところもあるのが、レイドの魅力だ。一方、魔王軍で一般兵を務めるタテジワネズミは、その名の通り、眉間の縦ジワが特徴的なネズミの魔物。「御意」「笑止」「しからずんば」といった古めかしい言い回しを好んで使う。タテジワネズミの主な任務は、魔王軍の雑用。たびたび登場しては、変な台詞で物語をにぎわせる。


カイジこと伊藤開司が、友人の保証人として多額の借金を抱えたことをきっかけに、命をかけたギャンブルに挑む。福本伸行が描く「カイジシリーズ」の1作目だ。2007年、2011年にテレビアニメ化、2009年、2011年に実写映画化した。続編に『賭博破戒録カイジ』、『賭博堕天録カイジ』などがあり、シリーズ6作目に『賭博堕天録カイジ 24億脱出編』がある。

本作で紹介する「憎めない悪役」は、地下強制労働施設にいる大槻班長だ。大槻はそこであるグループの班長を務めている。借金を返済せず地下強制労働施設送りにされたカイジにも笑顔で接する。一見優しそうに見える人物だ。しかしそれは、人心掌握術に長けた大槻による、私利私欲を満たすための演技だった。大槻は言葉巧みに「地下チンチロリン」というイカサマギャンブルを、カイジに持ちかける。一度はカイジに大勝した大槻。だが、再びカイジと勝負した際にイカサマを見抜かれる。カイジに圧倒的大敗を喫し、「ノーカウントなんだっ…! この勝負はっ………!」と叫ぶ大槻の姿には哀愁が漂う。


正義の心を持つ妖怪の主人公・鬼太郎が、悪事を働くさまざまな妖怪たちを退治する妖怪漫画だ。「週刊少年マガジン」に連載されてから、複数の雑誌媒体にて掲載。1968年にテレビアニメ化され、2018年に第6シーズンが放送開始。2007年、2008年には実写映画化され、舞台化もされている。

本作の「憎めない悪役」と言えば、人間と妖怪の血を引く半妖・ねずみ男だ。ねずみのような顔つきや、薄汚れたローブが特徴的。鬼太郎とは腐れ縁のような付き合いが続いている。だが、ねずみ男は、金と女のためなら平気で鬼太郎のことを裏切る。また、鬼太郎が敵に勝つと分かれば、すぐさま鬼太郎に寝返るという、なんとも都合のいい立ち回りを見せる。しかも、鬼太郎や仲間たちにどれだけ怒られようとも、懲りることはない。悪事をやめる気配は一切ないので、ますますたちが悪い。それでもまれに仲間への一途な思いや優しさを見せることがある。普段のねずみ男とはまるで別人だ。そのギャップこそが、読者を惹きつけるねずみ男の魅力となっている。


伝説の騎士団「七つの大罪」の団長・メリオダスが、リオネス王国第3王女・エリザベスと一緒に、かつての仲間を探しつつ、冒険を続けるファンタジー漫画だ。2014年、2016年、2018年にテレビアニメ化、2018年にはアニメ映画化、舞台化もされた。

本作で紹介する「憎めない悪役」は、リオネス王国・二大聖騎士長であるヘンドリクセン。彼は、「平穏は人々から生存本能を奪う」という考えを持っていた。そして、先代聖騎士長の暗殺に加担したり、より強い騎士を生み出すための実験に騎士見習の若者を使ったり、魔神族の復活を画策したりと悪の限りを尽くした。けれど、ヘンドリクセンが悪に手を染めたのは、実は魔神族・フラウドリンに洗脳されたことが原因だった。かつてのヘンドリクセンを知る王女・エリザベスは、彼のことを「誰よりも穏やかで優しい」と評する。ヘンドリクセンは、メリオダスに敗北したことをきっかけに正気を取り戻す。彼は、過去の罪を抱えつつも、「償いの聖騎士」として生きることを決意する。そして、魔神族の打倒と旧友の救出を目指して世界を旅することになる。


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