同じ下宿に住むことになった女子高生同士の生活を描いたほのぼの4コマ漫画。主人公・川和桜子(かわわさくらこ)は、15歳の高校1年生だ。彼女が通う高校は入学と同時に寮か下宿に入るという変わった校則があり、下宿を選ぶことにする。入居初日、まだ見ぬルームメイトとの初対面に胸をときめかせる桜子だったが、彼女の前に現れたのはゆるふわ系の超絶美少女・山吹かすみだった。桜子はさっそく荷物を片付けようと提案するが、かすみは意外な行動を取り始める。
かすみはバッグひとつで他の荷物を一切持たずに入居し、さっそく部屋着に着替えくつろぎ始める。余りにもズボラな姿に桜子は驚きを隠せずにいたが、持ち前の「お姉さん気質」が発動し彼女の世話を焼き始める。かすみは見た目は美少女だが、極度の暑がりで服を2枚以上着ず、おまけに大食いで寝てばかりのナマケモノ体質だ。そんな彼女の面倒を見るうちに、桜子の中であわい恋心が芽生えるのであった。本作は、しっかり者の桜子とズボラ女子のかすみの正反対な二人が、お互いを支え合い仲睦まじく暮らしている様子を描き、微笑ましい気持ちにさせられる。高校卒業後も一緒の大学に通いながら二人暮らしを継続していく彼女たちの歩みを、温かく見守りたくなるだろう。
2人の小人と、その周囲の者たちの生活を描いたスローライフ漫画。赤毛で元気いっぱいのハクメイと黒髪で料理上手なミコチは、立派な大人の女性であるが身長わずか9センチメートルの小人だ。2人は、森の中にある木のうろに作られた一軒家で仲良く暮らしていた。ある日、夜明けに出会ったらひとつ願いを叶えてくれるという「夕焼けトンビ」が現れたという情報を知り、ハクメイたちはトンビを捕まえようと登山を開始する。2018年にテレビアニメ化。
道中現れたクワガタに乗って山道を登2人であったが、ミコチはかつて自分が餌づけしていた鳥「カフゥ」の話をし始める。毎日彼女の作るミネストローネ目当てにやってきていたが、ある日突然来なくなったというのだ。夜明けと共に山頂で遭遇した巨大な鳥がカフゥの正体だと知った2人は、カフゥの背に乗って帰宅し、大量のミネストローネを作ってやるのであった。本作は、小人の視点から描かれた森や町並みの描写が緻密であり、不思議な世界観に浸ることができる。川で魚釣りをしたり、山菜採りをしたりと、自然の中でのスローライフに心が癒されるだろう。また、2人の身長より大きな動物や、小人の仲間である吟遊詩人のコンジュなど個性的な登場人物たちと巻き起こすドタバタ劇も面白い。
シェアハウスを舞台に、夜な夜な女子たちが宅飲みを繰り広げるほろ酔い4コマ漫画。主人公・天月(あまつき)みちるは転職を機に「東京人」を目指してはるばる岡山から上京した。上京初日に東京駅で引ったくりの被害に遭うが、偶然通りかかった女性に助けられる。みちるはその後、女性専用シェアハウス「ステラハウス春野」へ無事入居することになるが、彼女を待ち受けていたのは酒好きな住人たちとのドタバタな日常だった。2018年にテレビアニメ化。
ステラハウス春野には個性的な住人たちが住んでいた。姉御肌で料理上手なウエディングプランナー・緑川香枝(かえ)と、大の酒好きであるアパレル店員・桐山直(なお)の2人は、歓迎会と称してみちるを交えて酒盛りをする。そこに直の妹の女子大生・真(まこと)が帰宅するが、なんと真は昼間に東京駅でみちるを助けた女性だった。年齢も職業等もバラバラな4人は「宅飲み」を通じて打ち解け合い、かけがえのない仲間になっていく。本作は、毎回さまざまな種類のお酒が登場するのが特徴だ。そのお酒の作られた背景や美味しい飲み方がレクチャーされており、知識を深めることができる。また、宅飲みには欠かせない「おつまみ」も幅広く紹介されており、グルメ漫画としての要素もたっぷりだ。
OLと、訳あり家出少女が同居生活で絆を深めていく4コマ漫画。「ナルさん」こと成瀬胡桃(くるみ)は20代の社畜OLだ。この日もナルさんは5時間にも及ぶ残業の末、満員電車に揺られ帰宅する。車内で上司から仕事の説教を食らうサラリーマンの姿や、ストロング系チューハイに溺れる乗客たちを見るうちに、ナルさんの精神はどんどんすり減っていく。命からがらたどり着いた自宅で彼女を出迎えたのは「ユキちゃん」こと雪村つぐみという15歳の家出少女だった。
帰宅して早々に缶チューハイをあおるナルさんに、ユキちゃんはお酌をし彼女を感動させる。そのうちビールを飲み始めたり、おつまみを作ったりと幸せな時間が過ぎ、2人は仲良く布団を並べて眠りにつく。なぜか隣で涙を流すユキちゃんに、ナルさんは「私はここにいるから、ユキちゃんもここにいてね」と告げる。年齢も立場も違う2人が、お互いを思いやりながら寄り添って生きていく描写がほのぼのしつつも、どこか切ない気持ちにさせられる。有給を取ってデートをしたり、健康ランドでお風呂に入ったりと2人が絆を深めていく一方で、ユキちゃんの事情や2人がかつて家庭教師と生徒の関係であったことなどが明かされる。2人の秘密の同居生活はどこへ向かうのか、行く末が気になる。
親同士の再婚により「姉妹」となった女子高生二人が、料理を通して心を通い合わせていくホームコメディ漫画。主人公・サチは父親の再婚により、相手の連れ子である「あやり」の姉になる。海外出張中の両親に代わって姉らしい振る舞いを見せようとするも、長身で目つきが鋭く笑顔を見せないあやりが怖くてたまらない。ある日父親から小包が届くが、中を開けるとなんと生ハムの原木だった。戸惑うサチの横で、あやりの瞳が急に輝きを帯びる。2019年にテレビドラマ化。
あやりは生ハムを慣れた手つきで削ぎ落とし、あっという間にバゲットサンドを作ってしまう。彼女の生き生きとした表情を見て、サチはあやりが自分を嫌っていると思っていたことを打ち明ける。だが、あやりは緊張の余り人相が悪くなっていただけであることが判明し、すっかり誤解の解けた2人はゆっくりと距離を縮めていくのであった。あやりはそれまで孤独に暮らしていたが、サチとの関係を深めていくことで少しずつ世界が広まり、サチもそんな彼女を可愛がるようになる。料理を通じて、本当の姉妹のように仲良しになっていく2人に心温まるだろう。なお、料理漫画研究家・杉村啓のコラムも掲載されており、登場する料理のレシピや蘊蓄なども楽しむことができる。