歴史モノはもちろん、歌舞伎に落語に神道など、和の要素をモチーフにしたマンガはその美しさが特徴のひとつだ。日本ならではの表現の美しさやおもしろさが際立つ、魅力的な作品を紹介する。
日本ならではの表現の美しさやおもしろさが際立つ、魅力的な作品を紹介する。
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歴史モノはもちろん、歌舞伎に落語に神道など、和の要素をモチーフにしたマンガはその美しさが特徴のひとつだ。日本ならではの表現の美しさやおもしろさが際立つ、魅力的な作品を紹介する。
「上杉謙信は女性だった」という説をもとに、戦国時代を生き抜いた強く美しい「長尾景虎」の姿を描く歴史モノ。「虎千代」として男のように勇ましい子供時代を過ごした「景虎」。彼女の女性としての目覚めと葛藤、家や周囲の思惑と戦いながら成長する姿、そして意を決して戦へと身を投じる凛々しさが、美しいほどにカッコイイ。着物、野の花、戦、ひとつひとつが物語の強さを訴えかけてくるような美しさだ。
歌舞伎の演目「三人吉三巴白浪」をモチーフに、校内の悪事を裁く謎の集団「三人吉三」を描く学園モノ。新聞部の「八百屋七々子」通称「やぁや」は「三人吉三」の正体を暴くつもりが、巻き込まれるままにその一員「三代目お嬢吉三」となる。先代の二人、イケメン生徒会長「鈴木申三郎」と頼れる先輩「音瀬京子」とともに、「吉三」の活動を通して「やぁや」は成長していく。「こいつぁ春から縁起がいいわぇ」「知らざぁ言って聞かせやしょう」などの歌舞伎の名科白が物語に軽妙に取り入れられ、和風で粋な世界観と劇場性の高さが魅力の作品である。
備前国、岡山藩主「熊田治隆」が参勤交代で江戸へ向かう道のりを描く、絵巻物のような物語。若くして家老の仲間入りを果たした真面目な「熊田和泉」と、密偵として暗躍する御庭番「倉知九太郎」を中心に、参勤交代の最中のストーリーが展開される。思惑うごめく家老どうしのやりとりや、ちょっと荒めの殿「治隆」に振り回される家来たちのコミカルな姿も魅力。独特のタッチで描かれる江戸の世界は必見だ。
父親の借金で行き場をなくした高校生「桃園奈々生」は「土地神」である「ミカゲ」と出会う。彼の気まぐれにより、人間でありながら彼の神社「ミカゲ社」の神様となってしまう。狐である「神使」の「巴衛」を従えて各地の神々と交流をし、永劫その土地を守る……。はずが、神様としては未熟な「奈々生」は失敗続き。「巴衛」に助けられてばかりの「奈々生」は次第に彼のことを好きになり、彼のためにも神様としてひたむきに奮闘する。個性豊かな各地の神様が織りなす日本の神々の世界と、二人の恋の行方にワクワク&ドキドキが止まらない。
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江戸へ渡る船「そらりす丸」。「三國屋多門」が金にものを言わせてこしらえた、金魚水槽も内蔵する特別仕様だ。荒波を超えるその船旅の道中では、様々な異形のもの「モノノ怪」が現れる。「薬売り」を名乗る青年は「退魔の剣」を用いて「モノノ怪」を斬ることができるが、全てが謎に包まれた存在。なんといっても独特の和風の世界観が特長!和紙や織物のような、凝ったテクスチャやパターンがふんだんに使われたビジュアル表現により、船の豪奢さと、異形のものに出会ったときの恐ろしさを強調している。
平安時代の姫「桜」はかぐや姫の血を引く「月の国」の姫。秘刀「血桜」を手にし、「妖古」を退治するために立ち上がる。キャラクターは皆それぞれに呪いやトラウマを抱えるが、誰もが強い意志を持って生きている。それに呼応するかのように読み手に訴えかけてくる和の世界観が魅力的。文字通り平安の世だった時代だが、こんなふうに強くて美しい戦いが、きっとあったのではないだろうか。
昭和最後の名人と称される落語家「有楽亭八雲」を中心とした、落語界の盛衰や現代における落語のあり方までをも描く、文化的な要素もあるマンガ。「有楽亭八雲」が「菊比古」として修行していた時代の同門「初太郎」との悲喜交々な過去話はまるで落語の一作品のよう。反対に、服役していた元チンピラ「与太郎」のように、思いもよらないものに魅了され夢中になる若者が、現実にいることもあるだろう。落語の噺と現実が入り混じったようなドラマチックな作品だ。
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