地政学リスクコンサルタント・八田百合(はったゆり)が世界各地でまきおこる紛争を解決する人間ドラマ。八田は、フリーの地政学リスクコンサルタント。依頼があれば世界中のどこへでも駆けつけて、地政学の知性とちょっとの荒技で問題を片付ける。ロンドンでつかの間の休日を楽しんでいた八田のもとに舞い込んできたのは、ミャンマーにある日本の企業からの依頼だった。本作は世界情勢を地政学の視点からとらえ、社会問題と人間ドラマを交えて描いていく。
グローバル化が進み、世界情勢がますます身近な問題として迫ってきている昨今、世界情勢を読み解く上で欠かせない視点として注目を集めているのが地政学だ。世界各地でおこる問題を個別にとらえるのではなく、各国の抱える地理的な事情を含めて地球規模で把握して問題解決のアプローチを探るというものだ。ヒロインの八田は、地政学を駆使して紛争地の問題を解決するスペシャリスト。依頼を受けて現地に飛ぶ、八田の最大の武器は知性だ。現地の言葉をマスターするのは当たり前、歴史、宗教、政治、経済、軍事、文化、すべてを頭に入れて交渉のカードに利用する。複雑に絡み合う事情を巧みに利用して、依頼に応える八田の凄腕ぶりは圧巻かつ痛快。楽しみながら世界情勢を学べる作品だ。
武器を憎む少年兵ヨナが武器商人ココ・ヘクマティアルとその仲間たちと共に紛争地帯を渡り歩くガンアクションストーリー。少年兵のヨナは若き女性武器商人ココに雇われる。両親や仲間を殺された過去を持つヨナは、武器に関わるすべてを憎んでいたが、同時に武器によってしか生きる術をもたない少年だった。ヨナは、武器を売りさばくココとその仲間たちと共に世界中をまわることになる。2012年にテレビアニメ化された。
ヨナが身を置く世界では、常に戦闘がおきており、常に誰かが武器を必要としていた。HCLI社のヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門を担うココは、世界を飛び回る日々を送っている。ビジネスとはいえ、交渉相手は戦いの渦中にあり、仕事は常に危険と隣り合わせ。ココはボスとして8人の凄腕の傭兵を率いていた。少年ながらスナイパーとして腕利きのヨナはその9人目としてチームのメンバーに加わることになる。クールに武器売買のビジネスを進める一方で、ココは争いの絶えない世界を憎んでおり、その矛盾を乗り越えるため、謎のプロジェクト・ヨルムンガンド計画の実現を目指していた。武器を憎み武器によって生かされてきたヨナは、ココの傍らで自らがどう歩むのかを考えることになる。
世界一の成功率を誇る交渉人・別府勇午(べっぷゆうご)の活躍を描く国際サスペンスアクション。別府勇午は、成功率97.4%を誇る凄腕の交渉人(ネゴシエイター)だ。知る人ぞ知る存在である彼のもとを、最後の望みをかけて訪れる依頼人は絶えることがない。反政府ゲリラによって誘拐された商社マンの救出を求めてやってきたのは、娘の岩瀬繭子(いわせまゆこ)。パキスタンでの人質返還交渉は難航し、身代金の交渉にむかった人間は、「兵隊」に撃ち殺されてしまったというのだ。
依頼人の目的を達成するため、勇午は銃や暴力ではなく言葉を駆使して相手の懐に入りこむ。交渉人の武器は、言葉であり、それを裏打ちする確かな知識とそれを操る知性と精神力だ。しかし、世界一高いともいわれる成功率を誇る彼のもとに持ち込まれる依頼は、身一つで飛び込むには危険すぎるものばかり。繭子が持ち込んだ依頼も、紛争地帯でおきた難しい案件だった。繭子の父である商社マンを誘拐したのはパキスタンの山岳地帯を拠点にする反政府ゲリラの「ダコイット」。複雑な政治背景から、味方のはずのパキスタン政府も頼りにはならない。交渉相手のダイコットをとりまく複雑な利害関係や宗教対立、人間心理を読みこみながら、勇午は交渉を成功に導くポイントを探っていく。
紛争地帯のど真ん中に作られた非武装地帯(DMZ)のコンビニを舞台にしたミリタリーコメディ。川口洋一はコンビニDMZポイントチャーリー店の店長だ。ポイントチャーリー店は品揃えも店構えも一見すればごくごく普通のコンビニだったが、出店場所が問題だった。店が位置するのは連邦軍、反乱軍、民兵の戦線が交わる激戦地。もちろんお客様は各軍の兵士たちだが、コンビニだけは、DMZ(demilitarized zone)=非武装地帯。敵も味方も店に入れば皆同じお客様。店員と兵士たちの日常をコミカルに描く。
お弁当はもちろん、ちょっとしたお菓子から日用品まで、何でも一通り揃うコンビニは、忙しい時にはほっと一息つける場所だといえる。そんな気持ちは戦場にあっても変わらないはずと、コンビニDMZは、連邦軍、反乱軍、民兵による紛争の真っ只中にあるヨーロッパのとある地に出店。戦闘中ではおちおち買い物もできないというわけで、NATOと国連、各軍の話し合いにより、コンビニDMZポイントチャーリー店は非武装地帯=DMZに設定された。そのため、店内には銃火器の持ち込みは禁止。敵対する者同士も、店内ではおでんや漫画を買い込む普通のお客。とはいえ、敷地の外は銃弾飛び交う非日常の戦場。平和な日常の象徴ともいえるコンビニとのギャップがとんでもない笑いを展開させる。
最強の女傭兵・ジェニーの活躍とその生涯を描くアクション&ラブストーリー。元米陸軍将校ユージェニー・ヴィクトリア・スミスは、依頼を受けて、北アフリカのとある国に降り立った。それは解放戦線のゲリラによって誘拐されたオエファー財閥オーナー・アーネム氏を秘密裡に救出するというものだった。美しく強く、気高い女傭兵、ユージェニーことジェニーの活躍と、その波乱に満ちた人生を一話完結方式で描いていく長編シリーズ。
「はした金じゃ私達の腕は買えないわよ!!」。ヒロインのジェニーは、依頼者側を前にしてこう豪語するほどの腕利きだ。自他ともに認める一流の実力の持ち主で、傭兵たちからは「炎の月」と呼ばれる伝説的な存在。特定の軍隊に所属することも、主義主張によることもなく、依頼があればどんな紛争地にも現れるのだ。アッシュブロンドにグリーンアイズ、美しくゴージャスなルックスで銃火器を軽々と扱い、どんなハードな局面も己の才気と腕一つで切り抜けていく。そんなジェニーの気高さにあふれた魅力に惹きつけられる者は後を絶たず、腕利きの男たちが彼女と行動を共にしていくことになる。ジェニーをリーダーに、個性豊かな一流の男たちのチームが様々なミッションをクリアしていく。