少女が体験した不思議な夏と、海の世界を描いた海洋冒険漫画。主人公である女子中学生の安海琉花(あづみるか)は、所属するハンドボール部で仲間にケガをさせたことから、夏休みの練習を禁止されてしまう。落ち込んだ琉花はあてもないまま出かけた東京で不思議な少年、海と出会う。第38回日本漫画家協会賞優秀賞、第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞。2019年劇場アニメ化。
本作の主人公である琉花は、夏休みの部活動で熱意のあまり仲間にケガをさせ、謹慎処分となってしまう。失意の中東京へ向かった琉花が出会ったのが、海という不思議な少年だ。海は兄の空と共にジュゴンに育てられた子どもであり、水の中を自由自在に泳ぎ回ったり、海洋生物と心を通じさせることができた。しかし長時間水に触れないと火傷のような症状を負ってしまうため、海と空は水族館で暮らしているという。琉花はそんな不思議な海に導かれ、夜空に流れる隕石を見たりと交流を深めていく。そんな中、水族館から生物が消えるなど、世界には少しずつ異変が起き始めていた。やがて海と空のふたりが、その異変に深い関わりを持っていることが明らかになっていく。
人魚の伝説が残る港町を舞台に描かれるファンタジー&恋愛漫画。フランス人の母親を持つ青年、歩美は港町で便利屋を営んでいる。ある日歩美は町を出た幼なじみ、海果の帰郷を知る。彼女が帰ってきた理由は、夫を亡くしたためだった。歩美をはじめ、海果を密かに思っていた町の男たちは、彼女の帰郷にざわめく。だが海果にはとある秘密があった。
本作の舞台は人魚の伝説が残る海を臨む竜宮町。フランス人である母親譲りの金髪を持つ歩美は、かつて幼なじみの海果に淡い恋心を抱いていた。そして時は流れ、結婚して町を離れていた海果が夫を亡くして故郷の竜宮町に帰郷し、町の男たちの話題となっていた。そんなある日、歩美は海で溺れていたところを海果に助けられ、彼女の正体が人魚であることを知ってしまう。海果は人間の男性に恋をして結婚したが、夫は彼女を残して死去。人間との愛を喪ってしまった海果はやがて人魚に戻り、二度と人間にはなれないという。もう一度誰かと愛し合えばその制約は消えるらしいと知った歩美は、海果に自分を選んでもらえたらと願うようになっていく。だが海果は、亡き夫との愛を忘れられずにいた。
海底人の末裔と知らされた男子中学生を巡るSFギャグ漫画。ある日、中学生の新巻圭は自分の手には水かきが、首にはエラが生えて驚く。そんな圭に父親は、圭が海底人類であると伝え、故郷に戻れと言う。訳もわからず家を追われ、海に向かうことになった圭は、海底王国の権力闘争という壮大ながら低レベルな戦いに巻き込まれていく。
主人公の圭は、自分をごく普通の中学生だと思っていた。しかし圭は海底人類アンチョビー王国の末裔で、その王族しか使えない金属「オリハルコン」の継承者であった。海へ向かった圭の前に親衛隊長と名乗るスモーク・サーモンが現れ、王国は先日滅亡したと告げる。王国復活には興味のない圭だったが、宿敵であるホンダワラ帝国の剣客、オキアミス王女に狙われることになった。ところが強敵だされていたオキアミス王女の戦闘力は、極めて低レベル。そして圭が武器とする伝説の金属「オリハルコン」は所有者の望んだ形状となるのだが、争いごとが嫌いな圭が「ドツキ漫才は好き」という理由から、なんと「ハリセン」となってしまう。こうして、はた目からはドツキ漫才にしか見えない低レベルの闘いが繰り広げられるのだった。
海を汚す人類を成敗、支配するためにやって来た少女、イカ娘が巻き起こすギャグ漫画。海で暮らしていたイカ娘は人類が海を汚すことに憤慨し、人類の支配を目論む。だが人間の世界に無知だったイカ娘は、拠点にしようとした海の家「れもん」を営む相沢姉妹に丸め込まれ、壊した壁の修理代のために働かせられることになるのだった。2010年TVアニメ化。
本作の主人公「イカ娘」は、イカの形をした帽子を被っている可愛い女の子だ。一見すると普通の人間と変わらないように見えるが、髪の毛はイカの触手と同じように意志を持って動かすことが可能で、時にイカスミを吐くこともある。また、話す時は語尾に「ゲソ」「イカ」がつく。そして彼女の名前である「イカ娘」は種族名兼固有名でもある。そんな謎に包まれたイカ娘だが、人間の文化に触れて人間社会に染まっていく。TVやゲームに夢中になり、相沢姉妹を通じて知り合った人々とも交流するように。そんな地上生活に慣れ過ぎたイカ娘は、海に入った時に触手がつって溺れかけ、パニックを起こしたことも。当初は人間に怒りを持っていたイカ娘は、やがて人間の世界に愛着を抱いていく。
ダイビングに賭ける女子高校生たちの青春学園漫画。東京から伊豆に転校してきた女子高校生、大木双葉は海岸でクラスメイトとなる小日向光と出会う。引っ込み事案だった双葉はダイビングのインストラクターを目指す光に誘われて、ダイビング部に入部することに。そしてふたりはダイビングを通じて様々な人たちと出会い、夢に向かって邁進する。2016年TVアニメ化。
本作はダイビングの盛んな伊豆を舞台にした物語。主人公は幼い頃から伊豆の海に慣れ親しんでいる光と、東京からやって来た転校生の双葉だ。光は祖母の営む海の家「海女人屋(あまんちゅや)」に入り浸り、将来の夢はダイビング・インストラクター。一方、東京から来た双葉は当初体力もなく、泳ぐこともできなかった。しかし光から誘われてダイビングの魅力を知り、ダイビング部に入部する。そして双葉は地道な体力作りと共に水を克服していく。光たちは部の顧問である火鳥真斗の指導の元、さらなる目標に向かって練習に励む。光と双葉はダイビング部の仲間だけでなく、学校行事も通じて様々な人たちと出会い、彼女たちの青春は鮮やかに彩られていく。