ギャルと恐竜のおかしな同居生活が描かれた、コメディ漫画。主人公は22歳のギャル・一杉楓。ある日、彼女は酔った勢いで1匹の恐竜を拾って帰ってきた。その恐竜は言葉こそ喋れないものの、表情やジェスチャーで立派にコミュニケーションが取れる不思議な存在だ。酔いが覚めて、部屋に恐竜がいる風景に一瞬ハッとしたものの、ギャル・楓は深く悩まない。そのまま恐竜を受け入れて、1人と1匹の奇妙な同居生活がスタートすることになる。2020年4月にテレビアニメ化。
ひょんなことから一緒に暮らすことになった、楓と恐竜。生活の中に恐竜がいるというのは、なかなかにシュールな光景だ。しかし楓もその周囲の人々も、当たり前のように恐竜を受け入れている。初対面のときこそ一瞬驚くものの、どうして恐竜がいるのかというツッコミは誰も口にしない。本作で描かれているのは、恐竜がいるという以外はごく普通の平和な日常だ。そしてその日常の中には、ちょっとした優しさがちりばめられている。楓も恐竜も、1人と1匹を取り巻く人間たちも皆、基本的に自由でマイペース。しかし他者への思いやりは持っている。人間のような恐竜の姿に笑いつつ、物語の中で垣間見える様々な人の優しさに、読者はほっこりとした気分になるだろう。
恐竜の世話をする飼育員の日々を描いた、恐竜飼育漫画。1946年、遥か昔に絶滅したと信じられていた恐竜の生存が、未踏の地・バラカン島で確認された。以降、人間は人工繁殖や遺伝子操作で恐竜の個体数を復活させ、世間では恐竜ブームが巻き起こった。しかし、このブームも2006年に起こった飼育上の死亡事故によって終わってしまう。そのまま時は経ち2021年。客不足から経営難に直前しているとある恐竜園に、新人職員・須磨すずめがやってきた。
もし恐竜が絶滅しておらず、現代に存在していたら。有名映画の影響もあり、そんな想像をしたことがある人は少なくないはずだ。本作は、そんな想像を形にした作品である。主人公の須磨は恐竜が大好き。彼女は恐竜の魅力を世間に伝え、事故の日以来開いてしまった恐竜と人間の距離を再び埋めたいという夢を持って、国内最小の恐竜園「江の島ディノランド」に新人職員としてやってきた。しかしそこは、好きの気持ちだけでは務まらない厳しい職場だった。相手にするのは、気を抜けば大怪我を負わされ、下手をすれば命の危険すらある特殊な生き物たち。須磨は先輩の指導を受けながら、恐竜たちとの正しい向き合い方を模索していく。リアリティたっぷりに描かれた恐竜の飼育描写が魅力的な作品だ。
恐竜と一緒に暮らす3姉妹の日々を描いた、ほのぼの日常漫画。舞台となるのは、恐竜が犬猫のように当たり前に人間と共存している世界。主人公の奥村ねね子は、妹のフキと2人で暮らしているアラサーの漫画家だ。ある日、彼女が打ち合わせから帰宅すると、滅多に顔を見せない父が腹違いの妹・よりかを連れてやってきていた。何でも自分は海外へ行くため、よりかを預かってほしいとのこと。ねね子はフキとよりか、猫のコスケ、ペット恐竜のびわとともに生活していくことになる。
化石発掘作業を行うため、モンゴルへ行くことになったねね子とフキの父親。彼は自分が日本にいない間、腹違いの妹・よりかを預かってほしいと言ってきた。最初は好き勝手生きてきた父親の戯言など誰が聞くかという気持ちだったねね子であったが、父親がちらつかせた養育費を前にあっさりと陥落。よりかと、彼女が父にねだって買ってもらった恐竜・びわを預かることになる。こうして新たな家族が増え、賑やかになった奥村家。ねね子はびわを飼い始めたことで恐竜のエッセイ漫画を描くことになり、積極的に恐竜に関わっていくことになる。恐竜をペットにした生活とはどのようなものなのか。ねね子たちを通してちょっぴり不思議でどこか癒やされる日常を堪能できる。
人類が突如現れた恐竜たちに襲われる科学フィクション漫画。2030年の日本。主人公のフランシス・フォード・フィッシャーは、インターナショナルスクールに通うわんぱくな少年だ。ある日、彼は社会見学の一環で、学友たちとともにリニアモーターカーでつくば宇宙センターに行くことになった。友人と会話しながら、平和な時間を楽しむフィッシャーたち。しかしそこである事件が起こる。絶滅したはずの恐竜が現れ、乗客たちを惨殺したのだ。
わんぱくな少年フィッシャー、冷静沈着な少年ガタカ、明るく気さくな少女エミリー、無口で引っ込み思案な少女アリス。4人はライカインターナショナルスクールに通う生徒たちだ。彼らは、宇宙センターへ向かうリニアモーターカーの中で、恐竜が無差別に人を襲うという恐怖に直面した。次々と食い散らかされていく同級生たち。フィッシャーたちは力を合わせ、恐竜から逃げることになる。恐竜はリニアモーターカーの中だけではなく、外にもいる。最早人類は、地球の覇者ではなくなってしまった。本作の見所は、被食者となってしまったフィッシャーたちが、どのようにして恐竜が蔓延る世界で生き抜いていくのかにある。少年少女たちの命を懸けた戦いから目が離せない。
新米竜使いの冒険を描いた、恐竜冒険ファンタジー漫画。竜の国で暮らす矮人族(ナノス)の少年ユタ・パイ・ロンは、新米の竜使いだ。彼は幼い頃から一緒にいる老竜ジサマとともに、隊商(キャラバン)の道案内の仕事に参加することになった。初めて受けた仕事に張り切るユタ。しかしそんな彼らの前に、低地の竜王「暴君竜(レックス)」が現れた。凶暴なレックスに襲われたらひとたまりもない。そんな危機的状況の中、ユタは自分が竜の声を聞く力を持っていることに気づく。
矮人族が暮らす山王国(ナノスランド)。そこは、東の真人族(コモンズ)の国々と、西の巨人族(ギガス)の国に挟まれた、高地にある国だ。高地には、低地ではもう少なくなった野生の竜たちがまだたくさん生き残っている。そのため東西を行き来する隊商は、山越えの際に矮人族の竜使いたちを案内人(ガイド)として雇うのが常だった。竜の扱いに長けた者が同行しないと、野生の竜たちが生息する危険地帯を安全に通れないからだ。物語は、ユタが初めて隊商の案内人として採用されるところから始まるのだが、実は未熟な彼が採用されたのには理由があった。ユタとジサマは、いざというときの囮として雇われたのだ。ユタが危機的状況を乗り越え、成長していく様子を見守ろう。