女子柔道漫画はオリンピック級の名作ぞろい！オススメ５選48 Pt.

未知は特別柔道が上手いわけではない。しかし、誰よりも柔道が好きで心の底から楽しんでおり、底抜けの明るさとひたむきさは、周囲の者に「一緒に柔道がしたい」と思わせるような魅力がある。永遠は未知のキラキラとした表情や柔道に取り組む姿に惹かれ、高校では彼女と一緒に柔道がしたいがために青葉西高校を志望校にした。二人は青葉西高校で再会し、早苗も含めた三人で、廃部寸前だった柔道部を再始動させる。未知の幼馴染・南雲安奈（なぐもあんな）は、そんな三人を見守りつつ、未知を剣道部に誘い続けていたが、悩んだ末に自分が剣道部をやめて柔道部に入部。男前な女性教師・夏目紫乃が顧問となり、強敵と試合を重ねる毎に、未知たちは少しずつ強くなっていく。

本作では、飽きっぽく短気だったえもが、柔道と出合ってから次第に日本女子柔道界で注目される選手へと成長していく過程が丁寧に描かれている。えもは高校の新人戦で勝利してから更に練習を積んで北海道制覇を目指すが、春高予選準決勝では敗北。しかし、負けず嫌いのえもにとって、この敗北は余計に闘争心に火をつけることになった。えものモデルとなっているのは原作者の恵本裕子本人であり、えもが世界柔道選手権大会を初戦で敗退して悔し泣きをするところから始まるが、次の年にはオリンピックで金メダルを取ることが作中で明言されている。オリンピックとは長い間厳しい練習に耐えた者同士が互いを敬いつつ、成果を出し合う場であるということを、改めて思い出させてくれる作品だ。

舞台となるのは、京都の名門女子高の私立望月女学院高校の柔道部。主将の大石は学園内の唯一のスポーツ特待生の実力者。雅以外の新入部員は、それまで柔道に触れてこなかった初心者ばかりだ。雅は新入部員の中で唯一の柔道経験者であり、柔道に関する知識も豊富。部内では大石に次ぐ実力を持っており、他の部員たちにも理論を解説して知識を広め、指導者のような役割も担っている。また、柔道未経験者だった京は小柄ながらも高い運動能力に加えて特殊な記憶能力も持っており、負けず嫌いな性格も相まって急成長していく。各々の事情を抱えている部員たちは、部活や学園生活を通じて心を通わせ合い、大きな目標に向かって努力を積み重ね、少しずつ強くなっていく。

柔は祖父で元柔道家の滋悟郎によって英才教育を受け、小柄ながら巨体でも投げ飛ばすことができる柔道の才能を持つ美少女。柔本人は周囲の期待とは裏腹に、とある事情により柔道に対して後ろ向きで複雑な感情を抱えていた。しかし、バレリーナの夢を諦めた伊東富士子と親友になり、様々なライバルと出会う内に、次第に柔道と真剣に向き合うようになっていく。スポーツ界における次世代のスーパースターを探し求めていた松田は、柔にそのスター性を見出して以来、彼女を追い続けることになる。柔の柔道の強さのみならず、女同士の熱い友情、ライバルの本阿弥さやかのコーチ・風祭進之介と松田との間で揺れ動く恋心、父親との確執なども描かれ、様々な角度から楽しめる。

「そばっかす」という不名誉なあだ名で自尊心を傷つけられてきた一にとって、将来の目標は父親のような立派なそば職人になることだった。しかし、そば打ち一筋に生きてきた一は茂吉と出会ったことをきっかけに、入学したばかりの桜ヶ丘高校の女子柔道部に入部。運動をあまりしてこなかった一は落ちこぼれに分類されるものの、そば打ちで鍛えた握力は、柔道選手として成長する上で大きな武器となっていく。茂吉は「無冠の女王」と呼ばれているが、それにはワケがあり、足のケガが関係していた。そのケガの原因を作った因縁の相手は、レスリング界の女王で柔道でもそのパワーを武器に一気にのし上がってきた堺優美。一は強力なライバルたちと様々な激しい試合を通じて憧れの茂吉に一歩ずつ近づいていく。