勝利という2文字のために、血のにじむような練習を繰り返し、戦いに臨むボクサー。そんなボクサーたちが織り成す人間ドラマを描いた、最高にスリリングなボクシング漫画5作品を紹介しよう。
様々な思いを拳に宿し、ボクシングのリングに立つボクサー。そんな彼らの生き様を描く、ボクシング漫画を紹介。
出典:amazon
勝利という2文字のために、血のにじむような練習を繰り返し、戦いに臨むボクサー。そんなボクサーたちが織り成す人間ドラマを描いた、最高にスリリングなボクシング漫画5作品を紹介しよう。
出典:マンガペディア
燃える血(Burning・Blood)を持つという意味から、「B・B(ビービー)」と呼ばれる高校生・高樹翎(りょう)。翎が自身に起こった不運を乗り越え、宿命のライバル・森山仁との対決に挑むまでの生き様を描いた、ボクシング漫画。1988年に第34回小学館漫画賞を受賞。1990年にOVA化。続編に翎の娘・高樹愛が活躍するテニス漫画『"LOVe"』がある。
才能豊かな主人公・高樹翎の唯一の不満は「本当にやりたいことが見つからない」ことだ。だがそれも、宿命のライバル・森山仁の登場でボクシングというやり甲斐を見つけ、人生は順風満帆となるかに思えた。しかし、人を殺めたことをきっかけに、翎の平穏な人生は崩れ去ってしまう。闇ボクシングや傭兵生活など、日陰の道を強いられ、波乱万丈な人生を歩む翎。そんな翎の心を支えてきたのは、「仁との決着をつける」という強い意志だった。本作最大の見せ場は、ラストで実現する翎と仁のボクシング対決だ。爆弾のごとき破壊力を持つパンチ「10cmの爆弾」を習得した、鉄拳の悪魔と呼ばれる翎と、究極の防御法「鋼鉄の肉体」を会得した、神の拳を持つ男と呼ばれる仁の激闘の行方は必見である。
出典:マンガペディア
プロボクサーの特訓を目の当たりにしたことで、ボクシングに興味を抱いた少年・八津田太一が、プロボクサーを目指して突き進む、スポーツ根性もののボクシング漫画だ。作画のちばあきおは、本作『チャンプ』連載の最中に逝去。本作が遺作となる。ちなみに、原作の七三太朗はちばあきおの弟で、ちばあきおの長兄は『あしたのジョー』などで有名なちばてつやである。
主人公の八津田太一は負けん気が強く頑固、けれど素直でひた向きな面も併せ持つ、魅力いっぱいの少年。不器用で覚えが悪いながらも、努力と根性で成長していく太一の姿を見て、周囲の人々は徐々に太一を応援するようになる。そんな太一をより輝かせているのが、ボクシングの試合シーンである。ただカッコイイだけではない、勝利に向かって必死にあがく太一と対戦相手の泥臭い攻防が、リアリティと迫力を呼び、読者の心を熱くたぎらせるのだ。まさに、情熱スポ根漫画の第一人者・ちばあきおの真骨頂がここにあるといえる。ただひとつ残念なのは、本作が未完なことだ。太一がプロデビューを果たし、いよいよこれからというところだっただけに残念である。
出典:マンガペディア
爆弾のように危険な男・瀑燎介(ばく りょうすけ)が、ボクシングのヘビー級チャンピオンになるまでを描く、衝撃のボクシング漫画だ。燎介は、学生時代のほとんどを少年院で過ごし、拳ひとつで日本一の極道になると豪語する、18歳の不良少年。少年院から出所後、暴力団に入り、地上げ目的で訪れたボクシングジムで、燎介はボクシングの魅力に気付く。
本作の作者は『魁!!男塾』シリーズでお馴染みの宮下あきら。男の中の男を描かせたら天下一といわれる宮下あきらが、ボクシングを通じて「本物の男」を描く意欲作だ。主人公・瀑燎介の規格外の強さと男気は、まさに「本物の男」。作中では、燎介の人となりや、チンピラからプロボクサーを目指すまでの心情の変化を丁寧に描いている。しかし、燎介のプロデビューを待たず、連載打ち切りが決定。そのため、プロデビュー戦から世界チャンピオンになるまでの軌跡を最終回だけで一気に描き上げるという、衝撃の超展開で幕を閉じた。それゆえに、今でも「伝説の最終回」として漫画ファンの間で語り継がれている。ある意味、宮下あきらの作家性が全2巻に凝縮されている作品だ。
出典:マンガペディア
規格外のパンチ力で世界に挑む、前代未聞の女子ボクシング漫画だ。身長193cm、体重92kgのヘビー級な18歳の女の子・秋野おこめは、いろいろな意味で破壊力満点。おこめは、村の男女混合相撲大会で、大の男を張り手一発で倒して優勝する。その姿が、たまたま女子ボクサーを発掘するために村を訪れていたボクシングトレーナー・夏木茜の目に留まり、おこめはスカウトされるのだが…。
超大柄でパワフルだけど純情で可愛らしい、主人公・おこめの魅力が詰まった本作。対戦相手が男だろうが世界チャンピオンだろうがお構いなしに、並外れたパンチ力でみんなまとめて病院送りにしてしまう。ヘビー級の世界チャンピオンも夢ではない、ボクサーとしてズバ抜けた資質を持つおこめが笑いと感動を届ける、ユーモアたっぷりのボクシング漫画だ。作者は、野球漫画『わたるがぴゅん!』や相撲漫画『うっちゃれ五所瓦』など、熱くて笑えるスポーツ漫画を描かせれば当代随一といわれる漫画家・なかいま強。2017年に日本タイトルが創設され、注目度が高まる女子プロボクシングの、しかもヘビー級を題材とした、なかいま強の意欲作だ。
出典:集英社
誰にも頼れず過酷な境遇におかれた一人の少年が、自らの拳で人生を切り開く、拳闘ストーリーだ。両親の離婚、父の自殺、クスリ漬けの母、そんな理不尽に満ちた世界で少年・芥生(あざみ)リクが出会ったのは、ボクサー崩れの借金取り・所沢京介だった。彼のような強い「拳」を望むリクに、所沢はボクシングを勧める。
正当防衛だったとはいえ、「人殺し」という罪を背負ってしまった孤独な主人公・リク。世間の厳しい風当たりに耐え、「強くなって自分をやり直したい」と、唯一の希望であるボクシングに真摯に向き合うリクの姿に、心が激しく揺さぶられる。『リクドウ』はボクシング漫画であると同時に、リクの生き様を描いた人間ドラマでもあるのだ。そして、それは対戦相手についても同様で、リクが戦う相手はただの敵ではなく、最強のライバルとして、人柄や生い立ち、勝たなければならない事情などが丁寧にクローズアップされていく。そんな互いの未来を賭けた戦いでは、試合の最中にも壮絶な人間ドラマが巻き起こり、見応え抜群だ。
14 Pt.
223 Pt.
544 Pt.
156 Pt.
165 Pt.
235 Pt.
179 Pt.
36 Pt.
いいね!・フォローしてマンガ・アニメのニュースを受け取ろう!