若きエンジニアが南極の地で奮闘する姿を描いたヒューマンドラマ。自動車や雪上車のエンジンを開発する会社・ニスズ社は、南極観測隊が使用する雪上車のエンジン開発も手掛けている。雪上車の整備には、特別な技能を持つプロのエンジニアの存在が必要不可欠。主人公の若手エンジニア・高木太朗は、ニスズの精鋭エンジニアの1人として1年半もの間、南極昭和基地で働くことになる。南極では、幾人もの技術者や学者などがそれぞれの仕事に真剣に打ち込んでいた。
高木は日本が世界に誇る砕氷艦「しらせ」に乗り、南極東オングル島にある昭和基地に向かった。南極に向かうのは彼だけじゃない。南極でしか得られない貴重なデータの研究に勤しむために幾人もの「学者」が、そしてそれをサポートする様々な分野の技術者集団「設営」が、ともに南極で仕事をすることになる。極寒の地での仕事と生活は、想像以上に過酷なものだ。高木は雪と氷に閉ざされた環境下で、自然の厳しさや人間関係の難しさに戸惑いながらも自分の仕事に向き合っていくことになる。南極で仕事をしている人は現実に存在しており、本作は綿密な取材をもとにそんな人々のリアルを描き出している。知られざる南極での仕事・生活を、高木を通して体験しよう。
ちょっぴりオタクなサラリーマン「オタリーマン」の日常を描く、ギャグコミックエッセイ。主人公のよしたには、独り身のちょっぴりオタクなサラリーマン。職業はシステムエンジニアだ。彼は仕事や周囲とのコミュニケーションに四苦八苦しながら、日々を過ごしている。今日はどんな出来事がよしたにを待っているのか。作者よしたにの実体験を元に描かれた、多くの人が共感できる4コマエッセイ漫画である。2010年1月にOVA化された。
本作は、作者が自身のウェブサイトに公開していた絵日記が原作となっている。描かれるのはちょっぴりオタクな普通のサラリーマンの日常。深夜残業の大変さや、周囲とコミュニケーションを取るのが苦手なせいで何かとぼっちになってしまう切なさ、オタクのあるあるネタなどである。昨今では、オタクが珍しくなくなってきたため、オタリーマンよしたにに共感できる人は多いはず。オタクでなくても、社会人として働いたことがある人なら、よしたにの社会人としての苦労に共感し、自虐的なネタを楽しむことができるだろう。基本的にストーリーは1ページ完結となっており、手軽に読みやすい作品である。あるあるネタ、自虐ネタが好きな人は、ぜひ手に取ってみてほしい。
ゆとり教育を受けたビジネスパーソン「ユトリーマン」にスポットを当てたコミックエッセイ。1980年度から2010年代初期まで実施されていた、児童生徒の授業時間数を削減して余った時間で生きる力を育む教育「ゆとり教育」。その教育を受けた、主に1987年度以降生まれのビジネスパーソンのことをユトリーマン、またはユトリーヌと呼ぶ。ゆとり世代の働き方は、それ以外の世代を困惑させる。本作では、彼らとのつき合い方のヒントを得ることができる。
常識というものは時の流れによって少しずつ変化していくもの。社会では様々な世代の人間たちが集まり仕事をするため、それぞれが知る常識の違いからぶつかり合いや何らかの問題が発生することは仕方がないことだ。本作では、ゆとり世代のビジネスパーソンであるユトリーマン・ユトリーヌがどんな考えで行動をしているのかを知ることができ、それによって彼らにどう対応すればいいか考えることができる。逆に、自分がゆとり世代であるという読者なら、本作を読むことで違う世代の人がゆとり世代のどんなところに不満を持っているか、どう動いてほしいと思っているかを知ることができるだろう。互いの常識・考え方を知り、気持ちよく仕事をするために歩み寄りの道を模索してみよう。
暴走族の頭が会社員になり様々な人や企業のために奮闘する姿を描いた、暴走族ビジネス漫画。主人公の宮城傭平は、暴走族「走愛會」の頭をしている男。ある日、彼は何を思ったのか会社員を目指し、人材派遣会社「モストマンチョイス」に入社した。傭平は早速「ワールド・インターナショナル・インポート株式会社」に派遣され、そこでの活躍を皮切りに様々な派遣先で奮闘することになる。今日も傭平は暴走族仲間とともに、会社のために働く。2001年にOVA化。
人材派遣会社「モストマンチョイス」に入社することができた傭平。彼はそこから様々な企業に派遣され働くことになる。社会人としての常識が欠片も身についていない傭平に仕事が勤まるのか、読者は不安に思うだろう。しかし傭平には一般常識はなくても、義理人情に厚い性格と、暴走族仲間の応援があった。派遣される以上、派遣先の会社のためなら命の1つや2つは張る。そんな覚悟を持った傭平は、派遣先によって違う様々な問題を、暴走族仲間の協力を得ながら次々と解決していく。傭平が派遣される仕事先は、刃物を販売する店から弁当屋、新聞拡張団など実に様々。どんな場所、どんな相手にも真っ直ぐにぶつかって状況を変えていく傭平の姿に、読者は勇気をもらえるだろう。
甘味好きなサラリーマンが仕事の合間にスイーツを楽しむグルメ漫画。飴谷甘太朗(あめたにかんたろう)は、クールでイケメンな上に仕事もバリバリこなせる優秀なビジネスマン。彼は元々SEをしていたが、出版社「吉朝社(きっちょうしゃ)」の営業職に転職した。転職した理由は、前職では週末しかできなかった甘味処巡りを平日にもするには、外回りをメインとする営業職のほうが都合が良かったから。飴谷は完璧に仕事をこなした上で上手にサボり、毎日様々なスイーツを堪能する。2017年7月にテレビドラマ化。
世の中には様々な息抜きの方法がある。飴谷の場合は、それが甘味処巡りだった。彼はクールな外見からは想像もできないが、実は和菓子洋菓子問わず全ての甘味を愛している筋金入りのスイーツ男子なのである。甘いものが好きすぎて休日の甘味処巡りだけでは満足できなくなった飴谷は、勤務中ほとんど社内で作業するSEから、会社の外で仕事をすることが多い営業職に転職した。甘いものを食べたいがために転職したのは確かだが、だからといって仕事を適当にこなすようなことはしない。彼は文句のつけようがないほど完璧に仕事を片付け、甘味を食べる時間を捻出している。飴谷が口にする美味しそうなスイーツの数々と、飴谷の上手なサボり方に注目しよう。