知的で激しいレースバトル!ラリー漫画オススメ5選37 Pt.

ラリーとは、主に公道で1分1秒を争う自動車レース競技の一種である。完走さえ難しいともいわれる競技であり、まさに命がけのスポーツだ。そんなラリーに己を捧げる者たちの激しく、熱い戦いがここにある。競技者たちの雄姿にきっと目が離せなくなるはずだ。

作成日時:2020-01-08 10:00 執筆者:マンガペディア公式

知的で激しいレースバトル!ラリー漫画オススメ5選

出典:小学館


『SS』

『SS』

出典:小学館

中年男性らの自動車を介した夢の実現を描いたカーレース漫画。主人公・自動車整備工の大佛、通称「ダイブツ」は学生時代はラリードライバーであった中年男性。ラリードライバーとしての夢はついえたが、平穏な生活を送っていた。だがある日、峠で走り屋とすれちがったことがきっかけで、忘れていたレースへの情熱が再燃する。整備会社の社長より譲り受けた「スタリオン4WDラリー」で「走り」を再開したダイブツは、走り屋の中で話題になっていく。2008年に実写映画化。

本作はダイブツや、彼のラリードライバー時代の相棒であった自動車評論家の栗原など中年男性を中心にして物語が進んでいく。作中には彼らが過去に思いをはせる回想シーンが多くあり、その心情によせたノスタルジックな描写が秀逸である。ダイブツが果たせなかった夢や失われた日々への思いからくすぶっている感情が呼び起こされ、レースに向かっていく描写は胸が熱くなるものがある。迫力あるレースの描写もさることながら、自動車を介した人間ドラマが非常に丁寧に描かれているのが本作の特徴であり、白眉である。代表作『キリン』など、バイクをモチーフとした作品を多く発表している作者。その作者が初めて4輪車をモチーフとした、新境地となった作品である。


『オーバーレブ!』

『オーバーレブ!』

出典:小学館

陸上選手としての夢を絶たれた主人公が、カーレースとの出会いによって再び「走る」ことの意義を見出していくレースバトル漫画。主人公・志濃涼子(しのりょうこ)は、陸上競技中の事故により選手になるという目標を失ってしまう。そんなある日、偶然訪れた峠でのカーレースで森田佐和子(サワコ)の駆る車・シルビアに目を奪われる。涼子の走り屋としての成長と仲間との交流を描いた本作。2001年に実写ビデオ化、続編に本作の10年後を描いた『クロスオーバーレブ!』がある。

本作は、夢を一度失った涼子がサワコの「走り」や、カーレースを介した出会いによって、「走る」ことの喜びを取り戻していく再生と成長の物語である。高校卒業が迫り、進路にざわつく教室で涼子は夢を絶たれてしまった陸上への思いを隠し、明るく振る舞っていた。ある日、免許を取りたての幼馴染、武内徹(たけうちとおる)に誘われて行った先で、涼子は峠での「走り」で魅せられたサワコと再会し、物語は動き出す。本作のタイトルは「Over revolution」の略。アクセルの全開や無理なシフトダウンなどで、エンジンが許容回転数を超過することである。本作もその名の通り、スピード感あふれる大迫力のカーレースが繰り広げられる。青年誌を中心に多彩な作品を描いてきた作者の代表作だ。


『ガッデム』

『ガッデム』

出典:KADOKAWA

世界ラリー選手権(WRC)を題材にし、企業の裏側や思惑といった側面も詰め込んだモータースポーツ漫画。いまだこれといった実績を残せずにいる直情型の青年ラリードライバーの主人公・轟源(とどろきげん)、通称「ゲン」。彼が日本の大手商社である聖王グループの六甲寺司(ろっこうじつかさ)に、新たに立ち上げるラリーチームのドライバーとして見出されることから、物語は始まる。1990年にOVA化。

完走さえ難しいといわれるラリーの世界で、大きな事故を起こしても生還することから「ミスター・サバイバル」の異名をとるゲン。物語の冒頭のラリーで、彼の車は激しい接戦の末に崖下に転落するも、ゲンは生還する。その話題性に目をつけた聖王グループのトップ・六甲寺に引き抜かれ、彼のチームのラリードライバーとして契約する。ラリーというなかなかない題材で読者を惹きつける本作。のみならず、企業の裏側といったマネーゲームをもう一つの柱として描いたことで物語に奥行きを持たせている。代表作『エリア88』『ふたり鷹』など、多数かつ多彩な作品を描いてきた作者。本作に関しても、作者の得意な「メカニック」と「人間」を絡めたロマンある作品に仕上がっている。


『FLAT OUT』

『FLAT OUT』

出典:講談社

18歳の日本人青年レーサーがラリーの頂点を目指すカーレース漫画。冒頭、スバルのラリーチームを雪の山中で待ち伏せる剣龍也(つるぎりゅうや)と晃一、茜の立花兄妹。彼らは、走りなれた雪山のコースで、スバル所属のドライバー、帝王「リチャード・ウィルソン」を迎え撃とうとしていた。帝王の世界ラリー選手権(WRC)仕様のインプレッサに、オンボロのレガシィで挑みかかる龍也。彼には走り慣れたこのコースで絶対に負けられない理由があった。

本作冒頭からの龍也とWRCの4連続優勝者である帝王・リチャードとの熱戦で、いきなり心をつかまれる。龍也が地の利と体を張った走りで帝王を追い詰める様子は、息をするのも忘れてしまうほどの大迫力だ。その勝負でリチャードに力を認められた龍也はWRCの道に進んでいくことになる。ラリーを通した龍也の成長の物語であり、龍也と強豪との激しいラリーでの戦いが徹頭徹尾大迫力で繰り広げられ、目が離せない本作。そこに加えて、自動車やラリーについての丁寧な説明描写も多数登場するため、知識のない読者にとっても非常に分かりやすい。前作『KING』をはじめ、自動車・バイクなどといった「走り」を題材とする漫画を追求し、多数手がけてきた作者による本格カーレース漫画は一読の価値ありだ。


『フルスペック』

『フルスペック』

出典:講談社

少年らが10年もの歳月をかけてつくり上げた愛車で、難敵との死闘を繰り広げるカーレースバトル漫画。主人公のアラタとその友だちチンタ、ブーヤンの3人は小学2年生の時から10年をかけてロータリーエンジン搭載のユーノス・ロードスター「ブルースリー号」を造り上げる。そして彼らは幼馴染の同級生・マキちゃんをめぐって、お金持ちの同級生・北里の駆るランサー・エボリューションナインと対決することになる。自動車を通して少年たちの成長を描いた作品。

車たちが熱いカーレースを繰り広げるという、少年誌らしく分かりやすいバトル漫画である本作。アラタは北里との対決をきっかけに、強豪たちと対決し、WRCを目指すこととなる。冒頭から破天荒な印象の本作だが、アラタらの成長とともに、本格的にラリーの道に挑戦する物語へと進んでいく。序盤の青春物語的な展開から一変し、WRCを目指す熱いカーレースバトル漫画へとなっていくのだ。また、カーレース中に無茶なテクニックによって、逆転をするといった展開なども少年誌らしいといえる。シリアスな物語の中にもコメディを差し挟むことが巧みな作者ならではの描写はさすがだ。短命作品であったため、消化不良ぎみな部分もあるが、自動車とカーレースへの愛をもって描かれた作品である。


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