人の欲望を満たす「東京爆弾」を巡る物語が描かれたオムニバス作品。人間はそれぞれが様々な欲を持っている。出世したい、長生きしたい、モテたい。そんな十人十色の欲望を満たすことができる不思議なもの。それが「東京爆弾」と呼ばれる小さなカプセル状のものだ。東京爆弾を飲めば能力も寿命も3倍になり、自身の欲望を満たしやすくなる。しかし、東京爆弾を安全に服用するには2つの条件があった。東京爆弾に関わった人間たちの、それぞれの選択と結末が描かれる。
東京爆弾は、飲んだ人間に約3倍もの生命力と肉体の機能を与え、様々な能力をアップさせる力を持っている。しかしその代わり、ある条件を守らなければ体内で爆発してしまうという危険性もはらんでいる。条件は2つ。1つ、東京から出ないこと。2つ、決して感極まってはならない、ということだ。誰かに必要とされているとき、東京爆弾はある男の手の中に突然現れる。彼に東京爆弾を差し出された人間は、自身の欲のためにそれを飲むのか飲まないのか、飲んだあとどうするのかという選択をしなくてはいけない。人間たちが自身の欲にどのように向き合い、選んだ答えによってどのような結末を迎えるのか。一人一人の物語は短いが、考えさせられることが多い濃密な作品だ。
主人公が絶海の孤島で行われる爆弾を使ったデスゲームに挑む、バトルロイヤル漫画。主人公の坂本竜太は、家に引きこもってオンラインゲームにのめり込んでいるニート。ある日、彼は突如現れた見知らぬ男たちに連行され、南海に浮かぶ孤島に放り出された。そこで始まったのは、集められた者たちによる爆弾を駆使したデスゲーム。その内容は、坂本が毎日遊んでいたオンラインゲーム「BTOOOM!」と同じものだった。2012年10月にテレビアニメ化。
様々な爆弾を駆使して敵を倒すオンラインゲーム「BTOOOM!」。坂本はこのゲームで、世界ランク10位に入る凄腕プレイヤーだった。物語は、そんな坂本がリアル版「BTOOOM!」に参加させられるところから始まる。ゲームなら、何度死んでもやり直せる。しかしリアル版「BTOOOM!」ではそうはいかない。本作の見どころは、生き残るために繰り広げられる数々の頭脳戦や心理戦、参加者たちが抱える暗い過去の描写、死の恐怖によって剥き出しになる人間の本性などだ。また、誰が何の目的で坂本たちを集めデスゲームを開催しているのか、という謎にも注目したい。坂本は無事にゲームをクリアし、生きて帰ることができるのか。ページをめくる手が止まらなくなる作品だ。
いじめを受けた生徒による爆弾テロから物語が始まる、衝撃のサスペンス漫画。3年前、城岩中学校で事件が起きた。1学期の途中からずっと不登校だった中学1年生の少年・中越聖が期末テストの日に突然現れ、教室で自爆したのだ。教室にいた生徒で生き残ったのは7人のみ。そのうちの1人である新堂拓己が、生き残った者の中に中越に爆弾を渡した者がいる、と言い出す。一方その頃、都内の私立高校に通う1人の少女が、クラスメイトを巻き添えに自爆テロを起こそうとしていた。
3年前の教室爆破事件の共犯者を見つけるため、新堂はその時の生存者を城岩中学校に呼び出した。それと同時刻、都内の私立高校では女子高生・芹沢睦美が、爆弾を巻いたチョッキを身に着けて登校。その目的は、いじめに対する復讐だった。彼女は復讐相手を絞り込むため、クラスメイトたちを教室に閉じ込めて「いじめ裁判」というゲームを始める。本作は、3年前の事件の謎に迫る新堂パート、復讐のために新たな爆破事件を起こそうとしている芹沢パートに分かれており、2つのパートが爆弾を提供した黒幕によって繋がっていく。3年前の事件の共犯者は誰なのか、芹沢の持っている爆弾はどうなるのか。息を呑む衝撃的な展開の数々から目が離せない。
ダイナマイトを武器とする落ちこぼれヒーローの日々を描いた4コマギャグ漫画。地球から数万光年離れた星、N88星雲「ボムボム星」。そこは、多くのヒーローを生み出し宇宙に送り出してきた正義感の強い星だ。そんなボムボム星から、1人のヒーローが地球へとやってきた。その名はダイナマン。彼は優秀なヒーローを多く輩出してきたボムボム星では珍しい、落ちこぼれヒーローだ。ダイナマンは地球で、様々な敵と爆弾を武器に戦っていくことになる。
N88星雲「ボムボム星」の王室は、落ちこぼれヒーロー・ダイナマンをどこでデビューさせようか話し合っていた。話し合いの結果、ダイナマンがヒーローデビューする場所は地球に決まる。地球なら怪獣もいないため、未熟者には丁度いいと王室は考えたのだ。そんなこととはつゆ知らず、意気揚々と地球へ向かったダイナマン。ダイナマンの魅力は、ヒーローらしからぬ小物っぷりだ。彼は一応ヒーローとして送り込まれたにもかかわらず、ヒーローらしい行いはほとんどしない。それどころか、自分の思いのままに爆弾を使って、悪もそれ以外もことごとく爆破していく。ダイナマンが気に入らないもの、都合の悪いものを爆弾で吹き飛ばしていく様子は、笑えると同時に爽快感が湧く。
教師による生徒への性暴力「スクールセクハラ」について描いた社会派漫画。主人公は、とある中学校で養護教諭として働いている女性・莉生(りお)。ある日、彼女は保健室にかかってきた電話を取り、その内容に困惑する。「あなたの学校に時限爆弾が仕掛けられている」。電話の相手はそう言った。支離滅裂なことを話す謎の人物に当初はいたずら電話だと思っていた莉生。しかし、それが全ての始まりだった。莉生は学校の隠された闇を知り、その闇に1人で立ち向かっていくことになる。
小中学生が「スクールセクハラ」の被害に遭った場合、事件がなかなか明るみに出ないことが多い。被害者が幼く、自分の身に起こったことを理解できていないからだ。しかし理解できていないからといって、傷ついていないわけではない。その傷は時間が経つごとに被害者を苛み、ある日突然爆発する。爆発するとどうなるか。自殺衝動に駆られたり、パニックに陥ったりするのだ。教師の卑劣な行いによって「時限爆弾」を仕掛けられた生徒がおり、しかも現在も被害を受けている生徒がいることを知った莉生は、生徒を救うために孤軍奮闘する。本作を読めば、現実世界で起こっている「スクールセクハラ」の残酷さ、被害者の苦痛を実感し、問題について深く考えることができるようになるだろう。