1984年~1992年「スタジオジブリ」作品198 Pt.

日本の代表的アニメ映画「スタジオジブリ」。本記事では1984~1992年の代表的作品について見所・特徴を含めて紹介する。

作成日時:2017-09-03 14:00 執筆者:マンガペディア公式

1984年~1992年「スタジオジブリ」作品

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概要

名作揃いの「スタジオジブリ」の中でも、初期の作品を紹介していく。誰しも一度は見たことがあるとは思うが、アニメとは思えないほど深いテーマが込められている作品に今一度注目して欲しい。

『風の谷のナウシカ』

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1984年公開作品。文明を崩壊させた「火の7日間」と呼ばれた最終戦争から千年後の世界が舞台である。汚染された大地には「腐海」と呼ばれる有毒な瘴気を発する菌類の森や「腐海」を守る「蟲」と呼ばれる巨大な昆虫が出現していた。「腐海」のほとりにありながらも、風の力によって瘴気から守られている小国「風の谷」の族長の娘「ナウシカ」が主人公である。あるとき、輸送機が「風の谷」に墜落し、中から「火の7日間」で世界を焼き尽くしたとされる「兵器・巨神兵」が発見される。「巨神兵」は「ペジテ市」の地下から発掘されたもので、世界統一を目論む「トルメキア王国」が奪ったものであった。これを機に「トルメキア王国」は風の谷へ大編隊を送り込み、「風の谷」を巻き込んで「ペジテ市」との戦争に突入していく。まだ小さい「王蟲」をおとりに使い、「王蟲」の大群を「風の谷」に向かわせる「ペジテ市」と、「巨神兵」を使いそれを迎え撃つ「トルメキア王国」とたった一人で「王蟲」を止めようとする「ナウシカ」の戦いが見どころである。人間のエゴや環境汚染といった重いテーマが込められている作品だ。

『天空の城ラピュタ』

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1986年公開作品。主人公の少年「パズー」は両親を亡くし、鉱山で働きながら一人で暮らしていた。そんなパズーのもとに、一人の少女が落ちてくる。少女の名は「シータ」。実は「シータ」はかつて天空から地上の全てを支配していた古代国家「ラピュタ」の王族の末裔であった。それゆえに盗賊の一味や軍隊から追われる身となっていた「シータ」を連れて「パズー」は逃げ出す。そんな「シータ」を執拗に追い続ける特務機関の諜報員である「ムスカ大佐」。「ムスカ」には「シータ」を手に入れ、「ラピュタ」を復活させて地上を支配しようという大きな野望があった。目的のためなら手段を選ばない冷酷な「ムスカ」と、「シータ」を助けるためにどんな困難にも立ち向かう「パズー」の戦いは胸を打つものがある。この作品の一番の魅力は「ドーラ」一家や「ムスカ」といった敵にあると言えるだろう。姉御気質で破天荒、男共を従え最後は頼れる仲間になる「ドーラ」、冷徹でありながらも紳士的、多くの名言を持つ「ムスカ」の二人は、主人公たちを差し置いて多くの人気を獲得した。

『火垂るの墓』

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「野坂昭如」の同名の小説を、「高畑勲」監督によって1988年に映画化した作品である。主人公「清太」の、「昭和20年9月21日夜、僕は死んだ」というナレーションから物語が始まり、「清太」と4歳の妹「節子」が過去を振り返っていく作品である。「清太」は海軍大尉で出征中の父、体が弱いが優しい母、「節子」の4人家族であった。あるとき「清太」の住む神戸が空襲を受け、「節子」と逃げ出すが、火の手に閉ざされてしまう。なんとか難を逃れ、先に避難していた母を探すと、母は変わり果てた姿となっていた。母と家をなくした「清太」と「節子」は西宮の親戚の家を頼ることになる。学校へも行かず、訓練にも参加しなかった「清太」たちは親戚の家では疎まれるようになり、「清太」もまた母の形見と交換した米を自分の子供にばかり食べさせる親戚に不満を持つようになった。そして我慢の限界を超えた「清太」は「節子」を連れて親戚の家を出る。兄妹二人の自由な生活は初めは楽しかったが、次第に困難なものとなっていく。厳しい戦争の中家も持たず、子供だけで生きていくことがいかに難しいことであったかを物語っている作品である。

『となりのトトロ』

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1988年公開作品。体が弱く入院中の母を、空気の良い土地で迎えるため、「サツキ」と「メイ」の姉妹は父とともに都会から田舎へ引っ越してくる。引っ越し先の家は「お化け屋敷」と言われるほどの古い一軒家であった。好奇心の強い妹の「メイ」は「まっくろくろすけ」や「トトロ」といった不思議な生き物に度々遭遇する。初めは信じていなかった「サツキ」も、雨の日に自身が「トトロ」に出会ったことで信じるようになる。夏休みのある日、母の一時退院を心待ちにしていた姉妹のもとに病院から電報が入る。それは母の一時退院が延びるという知らせであった。言い聞かせても駄々をこねる「メイ」に、「サツキ」はとうとう怒って大喧嘩をしてしまう。「メイ」は一人で病院に向かってしまい、村中で「メイ」がいなくなったと捜索をはじめた。探し疲れた「サツキ」が助けを求めたのは「トトロ」であった――。不思議な生き物で優しい心の持ち主の「トトロ」と姉妹の温かい交流を描いている。自然の奥深くに行けば、「トトロ」に出会えるのではないかと思わせてくれる作品である。

『魔女の宅急便』

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1989年公開作品。「13歳の満月の夜に故郷を旅立ち、魔女のいない街に移り住み、魔女としての修行を積むこと」という掟を守るため、魔女の一族の女の子「キキ」は、相棒の黒猫「ジジ」を連れて故郷を旅立つ。海に囲まれた町「コリコ」にたどり着き、親切なパン屋の夫婦と出会った「キキ」は「魔女の宅急便」を開業する。馴れ馴れしい態度で接してくる少年「トンボ」と出会い、初めは彼を疎ましく思いながらも次第に打ち解けていった。しかし突然、「キキ」は魔法の力を失ってしまう。自信を無くした「キキ」は宅急便の仕事の最中であった「ウルスラ」という女性に相談し、平静を取り戻していく。そんな時、テレビのニュースから飛行機のロープに引っかかり、宙ぶらりんになった「トンボ」の姿が映るのだった――。「トンボ」を救うため、トラウマを抱えながらもデッキブラシにまたがる「キキ」の姿は胸を熱くさせる。魔女といっても13歳の少女であり、思春期ならではの挫折などに悩みながらも、魔女として成長していく「キキ」の姿が見どころである。

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