福山リョウコの代表作の一つ。現代の高校を舞台に、歌うことでしか自分を表現できない主人公、ニノが、幼いころに別れた初恋の相手であるモモと音楽仲間のユズとの再会を果たす物語。高校でユズと再会したニノは、彼の所属するバンド「in NO hurry to shout」(イノハリ)のボーカルに誘われる。しかし、モモはニノのために作った曲を金のために売ってしまった自責の念からニノを避けるという複雑な心境を抱えており、ニノ、モモ、ユズの三角関係を中心とした複雑な人間関係が展開される。本作は、音楽と片想いをテーマにしたラブストーリー。聴く者を惹きつける歌声を持つ少女と音楽的な才能に恵まれた高校生たちの等身大の悩みと成長が描かれる。直接伝えることができない想いを音楽に置き換えて表現する手法が特徴的である。白泉社「花とゆめ」2013年10号から2019年4号まで連載。2017年4月から6月までテレビアニメ版が放送され、同年11月に実写映画が公開された。