先日「手塚治虫大賞2017」の候補作品が発表された。そんな話題の8作品の見どころを紹介する。選考結果は4月下旬の朝日新聞紙面で発表予定。贈呈式は、5月31日(水)に東京・浜離宮朝日ホールで行われる。
先日「手塚治虫大賞2017」の候補作品が発表された。ノミネートは8作。どれも今年の話題になった作品ばかりだ。今回はその8作品の見どころを紹介する。
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先日「手塚治虫大賞2017」の候補作品が発表された。そんな話題の8作品の見どころを紹介する。選考結果は4月下旬の朝日新聞紙面で発表予定。贈呈式は、5月31日(水)に東京・浜離宮朝日ホールで行われる。
アイヌの隠した黄金を探せ! 退役軍人の「杉本」とアイヌの少女「アシリパ」は互いの利害の一致から北海道のどこかに眠るという黄金を探して旅立つ。キャラクターそれぞれが非常に個性的でかつ魅力的。容赦のない殺害シーンの後に、美味しそうなアイヌグルメを登場させるなど、冒険活劇としても、異色のグルメマンガとしても楽しめる。非常にエンターテイメント性のあるバランスの良い作品。昨年もノミネートされていたが惜しくも受賞をのがしている。
砂の海に浮かぶ「泥クジラ」と呼ばれる船。そこで身を寄せ合って暮らす人々。超能力があるが短命な人と、能力がなく長命な人の2種類がいる。「チャクロ」は能力はあるが操るのが下手な少年。彼がある日一人の少女と出会ったことで運命は大きく動き出す。政治や短命など骨太で暗い話を優しい線で描くファンタジー。考え、成長し、そして何かを見つけて行く子供達のストーリーに引き込まれる。2016年には舞台化、2017年はアニメ化する。
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短編集。読み切りの小作がいつくか収録されている。表題作『SAD GiRL』は、アル中の夫を身限り家出した「詩織」の凋落ストーリー。こんなはずじゃなかったのに。と思いながらもずるずると居続けてしまう「詩織」が意を決して家出する。人気作家の友人の家や、元恋人の家など転げ落ちる様に墜ちて行く。その先にあるものとは……。フランスの「バンド・デシネ」を読んでいる様に横書きであり、左展開のコマ割がマッチした、ドライでどこか退廃的な美しい作品だ。読み切り全1巻なので即読み奨励作品。
テレビアニメ2期も好評の『昭和元禄落語心中』。噺家、八代目「有楽亭八雲」の人生と、彼の周りを彩る人々の物語。噺のプロとしての覚悟、苦労と苦悩、そして恋。「八雲」が老いてなお一層色っぽい紳士萌えマンガでもある。高座で演じる直前、演じている最中の描写が細やかで繊細で積み重ねて来た職人芸の「八雲」と朗らかで愛されキャラの「助六」の比較も楽しい。
商社につとめ、そつなく仕事をこなすOL「仲村 叶」(26)には秘密があった。合コンを笑顔で断り家路を急ぐ理由は誰にも言えない。実は「女子力」ならぬ「女死力」みなぎる特撮オタクだったのだ! カラオケの選曲、ガチャガチャの攻略法、同士の見つけ方など、現代の社会人オタク誰もが「そうだそうだ」と頷く事必至の特撮愛に溢れたマンガ。
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売れっ子漫画家だった父は作品が描けなくなると急に荒れ出した――。「ど根性ガエル」の作者の娘が赤裸々に語る「父」についてのノンフィクションマンガ。人気作家のプレッシャー故かパチンコに逃げた父、落ちる原稿、転がり落ちて行く家計、読んでいて辛いが目を背けてはいけない。ふんわりした優しい絵柄が一層切なさを醸し出す。「吾妻ひでお」の『失踪日記』や「松田奈緒子」の『重版出来』が好きな人にぜひ読んで欲しい。
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『いつもポケットにショパン』など揺れる男女の胸の内を描くのが得意な「くらもちふさこ」の作品。8巻で完結。「比々羅木神社」の息子である 「陽大(はると)」と「陽大」に魅せられて弓道を始めた「花乃(かの)」、そして「陽大」の従姉妹「雛(すう)」。弓道を通じて穏やかに過ごす日々は、神社からの出火で一変する。両親と兄を亡くした 「陽大」は兄を救えなかったという自責の念に囚われ、炎に飛び込もうとする。そんな彼を必死で止めた「 花乃」の苦悶。引き絞る弓の様にキリキリとざわつく人間模様。中学から大学までの時間の流れとともに変化してゆく彼等の気持ちの移り変わりに胸が痛くなる。
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どこにでもいるような青年「雨宮瀑(あまみやたき)」。しかし、母の死をきっかけに働く事になった「超心理学研究所」で「瀑」には脳がない事が判明する。脳がないから霊も見ない? 脳がないなら彼の意思、思考は一体どこから!? 人間の未知なる能力や限界の謎に迫る。重厚感があるのに見やすい絵。キャリア40年の美しいテクニックに酔いしれたい。
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