1人の青年が猟奇殺人鬼である隣人の女性に恋をしてしまう、サスペンスラブ漫画。主人公は、大学受験に失敗した落ちこぼれの青年・黒須越郎。人生に絶望した彼はある日、自殺を決行するのだが失敗。その際、首吊り用のロープを引っ掛けていた金具ごと壁が壊れ、隣の部屋が覗けるようになった。隣室に住んでいたのは、美しい女子大学院生の宮市莉央(みやいちりお)。彼女の私生活を覗くのが生きがいになった黒須は、彼女の恐ろしい一面を知ってしまう。2019年に実写映画化。
偶然空いてしまった穴から、隣人・宮市の様子を覗き見ることが日課となった、引きこもりの青年・黒須。穴から見える景色は、彼に生きる希望を与えるほど絶景だった。食事から着替え、そしてひとり遊びの様子。美しい隣人の全てが、黒須を夢中にさせた。ある日、いつものように隣室を覗いていた黒須は、驚くべき光景を目撃する。それは、宮市をベッドに押さえつけていた男を彼女が殺害する様子だった。夢か幻覚か、それとも現実か。自らの目を疑う黒須。混乱する彼は、ひょんなことから彼女と顔を合わせ、時々料理を分けてもらうという間柄になる。その間にも、宮市の殺人は続いていた。自分も殺されるかもしれないという恐怖と、それでも宮市に惹かれる気持ちに、黒須の心は掻き乱される。
隣人と互いの私生活を覗き合う背徳の日々を描いた、ソリッド・シチュエーションラブコメディ。主人公の城戸龍彦(きどたつひこ)は、春から専門学校に通うため、上京してアパートに入居したばかり。新しい学校と新しい生活に、城戸は胸を膨らませていた。自分の部屋に、小さな穴を見つけるまでは。穴は隣室に繋がっており、隣に住む女性・生野えみるの私生活が丸見えだった。城戸はえみるに穴のことを教えにいくのだが、そこで思いがけない提案をされる。
新居にあった小さな穴。時々、その穴から視線を感じるような気がして、城戸は落ち着かない気持ちでいた。ある夜、目が覚めた城戸は、穴から光が漏れていることに気づき、好奇心に駆られて覗いてみると、そこには自慰に耽る美女の姿が。しかもどうやら、相手は穴が空いていることを承知で行為に及んでいるらしい。城戸は「穴が空いている」という事実だけを告げようと、隣を突撃。すると、隣人の美女・えみるは城戸を部屋に引き込み、驚くべき話を持ちかけた。1日交替で互いのことを覗き合おうというのだ。最初こそ城戸はふざけるなと憤慨するのだが、好奇心に負け、なんだかんだと隣室を覗いてしまう。こうして、城戸とえみるの禁断と背徳の日々が幕を開けた。城戸とえみるを通して、癖になる背徳感を堪能しよう。
時空を超える奇跡の恋を描いた恋愛小説のコミカライズ作品。時は2004年、夏。旅行代理店で働く27歳のOL・北村志織(しおり)は、趣味のカメラを周囲への遠慮なく楽しむため、芸術活動をしている人間だけが住める単身者限定マンション「アビタシオン・ゴドー」に引っ越してきた。ある日、部屋で志織が大切にしているクマのぬいぐるみ・バンホーに話しかけていると、壁にあるエアコンの穴から何者かに話しかけられる。2019年に実写映画化された。
突如、志織の耳に飛び込んできた謎の声。それは壁にあるエアコンの穴から聞こえてきた。隣室に繋がっているのかと疑う志織であったが、穴は隣室の壁とは逆の場所にあり、しかもこの穴は塞がれていてどことも繋がっていない。穴の向こうの人物は、自分のことを1年後を生きる未来の人間だと言い、志織に頼みたいことがあるのだと言い出す。未来の人間からの言葉だなどと最初は信じられなかった志織。しかし声の主が、翌日から1週間の新聞の見出しを見事言い当ててみせたことで、突拍子もないその話を信じざるを得なくなる。声の主の頼みとは、志織の隣人・平野進を尾行してほしいというもの。その不可解な依頼の陰には、大切な女性のために必死になる男の姿があった。
『ノ・ゾ・キ・ア・ナ』のスピンアウトシリーズ作品。高校1年生の須賀(すが)キミオと、そのクラスメイトである小嶺(こみね)ノゾミは、同じマンションに住んでいる。とはいえ、2人はマンションどころか学校でもほとんど話したことがない、顔見知り程度の関係だった。そんな2人が、学校で起こったある出来事をきっかけに急接近。窓越しに互いの素のままの姿を見せ合う「自分見せ合いっこ」を始めることになる。
ひょんなことから、女子更衣室のロッカーに取り残されてしまったキミオ。女子たちが着替えを始めてしまったため出るに出られず、誰かにロッカーを開けられれば終わるという状況でその扉を開けたのは、ノゾミだった。ノゾミはキミオに気がつくも、何故か黙って見逃してくれた。その後、帰宅したキミオのもとに、ロッカーに落としていった携帯電話が届けられた。届け主はノゾミ。その日から、キミオの携帯にはノゾミからのメッセージが届くようになり、そのメッセージの中で、自分たちを見せ合おうと誘われる。2人の部屋は真向かいにあり、窓越しに互いの部屋が見えるようになっているのだ。高校生の男女が互いをさらけ出す様子に、読者はドキドキしてしまうだろう。
スキマ探検から始まる青春コメディ。主人公は大学生のヘイサク。彼は「隙間」に強い愛着を持つ男だった。最近、そんな彼が特に愛着を感じているのは、隣家のカーテンの隙間。その隙間の向こうには文緒という女性が住んでおり、彼女の隙だらけな私生活がちらちらと見え隠れしていた。しかし、ヘイサクは気づいていなかった。自分が相手を覗けるということは、相手も自分を覗けるのだということを。2015年に実写映画化された。
ヘイサクの隙間好きの始まりは、薄汚いビルとビルの間だった。最初の頃は隙間そのものに愛着を覚え、やがてヘイサクは隙間に落ちているものを見て楽しむようになる。隙間に落ちているもののほとんどは、うっかり誰かが落としていったものではない。何かしらの事情で、やましい気持ちと共に棄ててあるのだ。その後、気になり始めたのは、その隙間の向こう側に見える世界。見える部分から見えない部分を想像するのがヘイサクは堪らなく好きだった。だからこそ、彼がカーテンの向こうに見え隠れする見知らぬ女性の私生活に執着し、興奮を覚えるのは当然のことだった。ヘイサクは毎日、隣家の観察を楽しむのだが、逆に自分が女性から観察されているとは夢にも思っていなかった。やがて、隙間から覗き合っていた2人は、真正面から向き合うことになる。