カッパという生き物が存在し、人間とともに共存する世界。
この世界では、カッパをペットとして飼育することがひそかなブームとなっている。
元々は、野生に暮らしているカッパが多くいたが、徐々に見られなくなりその代わりに養殖によって生まれたカッパ達が数多く暮らしている。
そんな中、主人公の「私」もペットショップで赤ちゃんカッパを購入し、飼育していく物語だ。
アニメ化やゲーム化もされており、カッパを飼うという不条理な設定であり、リアリティーのある描写とカッパの飼育が「育児」に近く、育児経験者であればあるある!と共感が持てる作品である。
週間ヤングジャンプにて連載されており、コミックは全15巻が発売中で完結済み。
2004年から半年間、全26話のTVアニメが放送された。
カッパと人間が普通に存在するファンタジーな世界。
現代と近いパラレルワールドとなっている。
私
この物語の主人公。
東京のアパートに住み仕事は普通のサラリーマンの独身男性。
生まれは奈良県の山奥(奥吉野)で天然カッパのカータン(カーさん)と暮らしている。
ペットショップの坂本に恋心を抱いている。
かぁたん
主人公に飼われている子どものカッパ。
人の言葉は理解できるが、鏡に映った姿に驚き威嚇したり自分が出したオナラの臭いに気付かず気絶したりと少々おバカな子。
また、刺激物や恐怖を感じると体中の穴という穴から煙が出るという特異体質の持ち主。
ピエール
フランス生まれの西洋カッパで、元の飼い主に捨てられ、その後主人公に引き取られる。
河童の中でも知能が高く、料理の本を読んで料理をしたり雪ねぶたを作ったりも出来る。フランス料理店で月給300円という給料で奉仕活動中だが、法律で禁じられている為客への料理は作れない。
優しくおっとりとした性格だが、チーちゃんと相撲で渡り合えるほどの力もあり、時にはかいがいしく尽くしたり悪戯にも笑って耐えたりする男の中の漢。
一度オナラでかぁたんを殺しかけたこともある。
ヘラクレス・チーちゃん
いつもかぁたんが行く公園のベンチに座っている推定10歳のカッパ。
強面の外見により怖がられて「ヘラクレス」という呼び名で巷では呼ばれている。
子供の頃に捨てられ拾ってくれた老人と暮らしていたが、老人が亡くなった為、身寄りもなく一時は日本初の老人介護カッパとして活躍していたが、ある事件により保健所へ送られてしまう。処分される直前に今の飼い主、美代ちゃんに引き取られ暮らしている。
いつも公園にいるのも美代ちゃんを見守って居るのだ。見た目でずっとオスだと思われていたが、実はメスで妊娠までしていたことが発覚する。
その為体つきや顔つきまで変わり度肝を抜かれることになる。
カータン・カーさん
主人公の実家で飼われている20年以上生きている老カッパ。
天然の河童で父親が森の中で見つけて飼っている。父親が亡くなったあとも主人公の父親代わりのような存在。
主人公に会いに東京まで出てきたが、環境があわなく日に日に衰弱していくため母親に連絡し一緒に実家に帰る。
長く生きているために他の生き物からも崇拝されている。
なぜ育児に似ているかというと、カッパを飼うことは他の動物を飼うこととは違うからだ。
特に、子ガッパたちの行動や認識は、例えるなら1歳~3歳くらいの幼児と似ているからだ。
躾に関しても猫や犬にするよりも子供に言い聞かせるような描写や飼い主のカッパに対する接し方もわが子のように描かれている。
話の中には、人間の幼児が起こす笑える行動や大変さを子ガッパに置き換えている描写もあり、育児をした人には共感を得られるだろう。
このマンガで、カッパとの暮らしを擬似体験してみよう。
育児との類似性が見つけられるはずだ。