監督は『時をかける少女』や『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』で知られる細田守。
キャラクターデザインは『新世紀エヴァンゲリオン』の貞本義行氏が手掛けたことで劇場公開前から話題となり、興行収入16億円を超える大ヒットを記録した。
今では夏を感じることができるアニメ映画としてすっかりこの時期の定番となった。
作品には花札が重要なキーアイテムとして出てくるなど、馴染みのない人にはやや伝わりにくいマニアックな要素もある。
7月22日(金)に地上波初放送となる『バケモノの子』、その監督である細田守作品、2009年に公開された『サマーウォーズ』を紹介しよう。
出典:サマーウォーズ
監督は『時をかける少女』や『おおかみこどもの雨と雪』、『バケモノの子』で知られる細田守。
キャラクターデザインは『新世紀エヴァンゲリオン』の貞本義行氏が手掛けたことで劇場公開前から話題となり、興行収入16億円を超える大ヒットを記録した。
今では夏を感じることができるアニメ映画としてすっかりこの時期の定番となった。
作品には花札が重要なキーアイテムとして出てくるなど、馴染みのない人にはやや伝わりにくいマニアックな要素もある。
舞台となっているのは長野県上田市。
上田市は上田城の城下町として有名で、真田一族ゆかりの地として注目集めるホットな町、現在は大河ドラマ『真田丸』の影響もあり、かなりにぎわっているようだ。
菅原高原をはじめとした自然あふれる場所でもある。
細田監督夫人が上田市出身で、監督自身が実際に訪れた際に上田の町に日本の原風景を感じ、作品のイメージに合っていたと語っている。
田園風景が広がる田舎が舞台でありながら、作中もうひとつの舞台となるインターネット上の仮想世界OZとのギャップが本作の大きな魅力であるといえる。
主人公となるのは高校二年生の小磯健二。
内気な性格ながらも、国際数学オリンピックの日本代表が狙えるほど数学の才能に長けた天才少年で、憧れの人である本作のヒロイン、篠原夏希から「アルバイト」と称して実家に来るように誘われる。一緒に実家に行くのは夏真っ盛りのお盆。
そこにお盆で集まった夏希の親戚たちと、力を合わせて仮想世界の勝負に挑んでいくことになる。
親族は全員で26人と、とんでもない数の人物が登場するため、本筋はあってもあれやこれや、話が入り組むのが特徴でもある。
現在では盆、正月ですらなかなかそこまで親族が集まるという家庭も少ない中、日本の古き良き田舎をうまく演出した作品だ。
さらにこれらのキャラクターたちが、インターネット上の仮想世界OZで使用するアバターのキャラクターまで登場するのだから、とても覚えきれない。
夏休み、憧れの夏希に誘われ、健二は上田にある夏希の実家へとやってくる。
夏希の多くの親族に迎えられ、愉しく過ごしていたが、その夜、健二に届いた1通のメールの数式を解いたことから事件が起こる。
仮想世界OZでアカウントの乗っ取りが発生し、犯人とされてしまった健二。
それを、夏希の又従妹で、OZの世界では格闘ゲームのチャンピオンにもなるほどの腕前を持つカズマやほかの親族たちの協力も得て、健二と夏希はOZを乗っ取った人工知能ラブマシーンと対峙する。
現実世界にもその影響が出始める中、OZの乗っ取りを阻止できるのか!
健二は、格闘ゲームではラブマシーンに対抗できないと判断すると、最後の勝負に花札を選択する。
本作を観た人の中には、なぜ花札なのだろうか、そんな疑問を抱いた人も少なくないだろう。
日本的なゲームだったら将棋の方がよっぽど馴染みが深いと思うし、そもそも花札には賭博のイメージが付きまとう。
この疑問に対しては、細田監督がインタビューで語っている。
それはズバリ、「花札はお正月やお盆にみんなで集まって遊ぶものというイメージがあるから」とのこと。
なるほど、たしかに家族の繋がりに主眼を置いた本作の筋とも合っている。
夏希たちとラブマシーンが戦う、「こいこい」。
「こいこい」とは花札遊びのひとつで、「おいちょかぶ」と並んで現在でも根強い人気を誇る、花札を代表する遊び方のひとつだ。
トランプゲームでいうところの「ポーカー」のようなゲームで、獲得した札で役を作っていき、その得点を競う。
競技名にもあるように、「こい」、つまり今ある役であがるのか、さらに上の役を目指して札を「来い」と取るのか、そこの駆け引きが醍醐味のゲームだ。
今や夏の定番となった『サマーウォーズ』。
シンプルながら飽きの来ない、花札「こいこい」は、非常に面白いゲームなので、この作品に興味のある人は実際に遊んでみると、作品の感動も深まるだろう。
この作品を観ると、実家に帰りたくなる、そんな気持ちにさせてくれる暖く、泣ける描写も多いのでまだ観ていない人はぜひ、観てみてほしい。
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