魅力的なおじいちゃんが出てくるマンガ5作!252 Pt.

おじいちゃんキャラだって主人公並みに輝かしい魅力を放っている! そんな元気で面白いおじいちゃんが登場する作品を5作品ご紹介。

国民的柔道マンガ。スポーツ新聞記者の「松田耕作」はひったくり犯を見事な巴投げで撃退した女子高生に出会う。女子高生の名は「猪熊柔」で、世界的に有名な柔道家「猪熊滋悟郎」の孫娘だった。
「柔」は幼い頃から「滋悟郎」より柔道の英才教育を受けるが、父が失踪した原因となった柔道を止めたいと思っていた。しかし、試合になると手を抜くことができず、負ける予定で対戦した試合でも勝ってしまい、柔道家としてデビューしてしまう。
そんな主人公の「柔」以上に目立っているのが「猪熊滋悟郎」。目立ちたがり屋で、頑固。武勇伝を語り出したらきりがない。しかし、世界中の柔道家から尊敬もされている凄いおじいちゃんなのだ。孫である「柔」には特に厳しいが、それは孫へ対する愛情の裏返しのようにもみえる。柔道七段と言う時もあれば、気分によって八段だと言ったり、十段と言ってしまう。そんな所もお茶目で面白いおじいちゃんである。『JIGORO! 』という、「滋悟郎」が主役の単行本も発行させるほど強烈なキャラである。

「平賀=キートン・太一」は日本人の動物学者の父「太平」とイギリスキートン家の息女「パトリシア」の間に生まれたハーフで、大学で考古学を教える一方、「ロイズ保険組合」の調査員として、様々な事件の調査をしていた。
そんな主人公「太一」の父「大平」こそこの作品のおじいちゃんとして取り上げたい魅力的なキャラである。女好きで、自由奔放。「太一」と孫娘「百合子」を心配させる事もあるが、行動力と交渉力で「太一」以上の活躍をする事もある。動物学者としての知識を活かし、競馬に興じたりもしている。
一見穏やかだが、元軍属で怒ると恐いという部下の証言もあるが、本編中に「太平」を主人公にしたエピソードも登場しており、そこに登場する「太平」は実に自由でおおらかに過ごしている。その姿はどこにでもいるおじいちゃんといった感じでほっこりしてしまう。

毎朝5時半に起床し、毎夜9時に就寝するという規則正しい生活を送る「Y大経済学部」の教授「柳沢」の日常を描いた作品。博識で知的探求心は人並み以上の「柳沢教授」はまさに品行方正なおじいちゃん。マナーやルールを厳格に守り、横断歩道以外では道は渡らない。ヤクザが相手だろうと、迷惑な行為をしていたら躊躇なく注意するというほどルール―には厳しい。夜9時を過ぎていたら例えディスコでも寝てしまうという徹底っぷりである。
若い頃は美青年、現在は紳士なおじいちゃんといった容姿でカッコよくスーツを着こなす男性で、ここまでみると、お堅い人物なのかと思いきや、実は愛情と感情に富んだ性格であり、作中では様々な表情をみせてくれる。鼻の下の髭がなんともチャーミング。そんな「柳沢教授」の日常が気になってつい手に取ってしまう作品だ。

指揮者を目指すエリート音大生「千秋真一」は、子供の頃にあった飛行機事故が原因で、クラシック音楽の本場ヨーロッパに行く事ができず、将来に思い悩んでいた。泥酔した「千秋」はゴミ部屋の中で美しいピアノソナタを聴く。ピアノを弾いていたのは同じ音大のピアノ科の学生「野田恵」こと「のだめ」である。「のだめ」の才能に惹かれ、「のだめ」と共に「千秋」も音楽家として成長していくのだった。
この作品で紹介したいおじいちゃんは、世界的指揮者「シュトレーゼマン」。その弟子となった「千秋」に「エロジジイ」と言わせる程、女好きで、滅茶苦茶な人物。一方で音楽に対しては一切妥協を許さない厳しい人であるため「千秋」を振り回しながらもいろんな事を教えてくれるメリハリの利いたおじいちゃんである。ぶっ飛びすぎた人間性に度々笑わされる。

小学3年生の「まる子」こと「さくらももこ」の日常を描いた作品。この作品に出てくる魅力的なおじいちゃんは「まる子」の祖父「友蔵」である。つねに「まる子」の味方で、孫を溺愛しているおじいちゃん。俳句好きでよく「友蔵」心の句として詠んでる姿も見かける。
家族を唖然とさせる事が多く、つっこみ所が多いが、「さくら家」に、この人はなくてはならいというぐらいの存在感を放ち、「まる子」と「友蔵」のやり取りは温かく微笑ましい。そんな「友蔵」のほっこりする出で立ちに癒される人も多いはずだ。