時に魅力的でトゲのある、悪女。その定義は時代や社会背景によって変化しているが、彼女たちが引き起こすのは、いずれも嵐のような出来事ばかり。悪女が登場する漫画5作品を紹介しよう。
悪女が生み出すドラマが面白い5作に注目!
出典:集英社
時に魅力的でトゲのある、悪女。その定義は時代や社会背景によって変化しているが、彼女たちが引き起こすのは、いずれも嵐のような出来事ばかり。悪女が登場する漫画5作品を紹介しよう。
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半同棲している大学生カップル・桐太(きりた)と亜里子(ありこ)。2人の住まいの隣に、桐太が高校時代に片思いをしていた、絶世の美女・花音(かのん)が引っ越してきた。作中で「あの子は大輪の薔薇だ その美しさで 人を魅了して誘き寄せ 血まみれにする」と表現される花音。平穏に暮らしていた2人の世界を悪女が壊す。日常の隣に潜んでいる非日常、隣人×サスペンスLOVEストーリー。
幸せ絶頂のカップルの隣に、悪女が引っ越してくることで2人の歯車が狂い始める。 本作では、悪女・花音の復讐劇が描かれるが、彼女が何を目指しているのかは明かされていない。 また、桐太と亜里子の生い立ちにも闇があり、この2人の関係も「普通の恋人同士」という単純なものではない。新進気鋭の日本画家であり、看護師でもある絶世の美女・花音。彼女が2人に執拗に関わる本意は、一体何なのか。先の展開が見えず、背筋が寒くなるほどゾクゾクしたストーリーがたまらない。
出典:マンガペディア
主人公・田中麻里鈴(たなかまりりん)は、一流商社の近江物産にコネで就職したが、やる気の無い社員のたまり場・資材管理室に配属される。そんな彼女は、偶然出逢った、社内成績トップクラスの男性社員に一目惚れしてしまう。告白するために、彼と釣り合う女性になると心に誓う麻里鈴。彼女の奮闘する様子が描かれた作品だ。1992年にテレビドラマ化された。
職場の先輩・峰岸からアドバイスを受け、出世のために奮闘する麻里鈴。異動先の部署で、嫌がらせをしてくる人々に立ち向かい攻略することで、次のステージ(部署)へ上がっていく。その様子は、企業を舞台にしたロールプレイングゲームのようである。実際、各話の扉絵はゲームを彷彿とさせるイラスト。勇者に仕立てられた麻里鈴が、峰岸から入手したアイテムを使い、攻略していく様子が描かれている。彼女は持ち前の明るさと努力で、出世街道をまっしぐら。峰岸からは、「時に悪女(ワル)に成る事も必要」と言われているが、麻里鈴が悪女になれるかどうかも作品の見どころだ。
出典:マンガペディア
大阪出身の大前有香(おおまえありか)29歳は、結婚するつもりで同棲をしていた彼氏・松谷圭佑(まつたにけいすけ)に振られ、傷心のまま帰省する。 夢も仕事も失った有香は、母親の命令で、妹・澄香(すみか)と東京で同居生活をすることに。母からもらった資金で、妹との家族生活が始まる。
圭佑に振られて実家に帰省した有香は、母・香織(かおり)とのやりとりをする中で、自分の嫌な部分と母の言動を重ね、改めて自身を見つめ直すことになる。母の命令で突然始まった、姉妹の同居生活。掛け値ない言葉をぶつけてくる家族と暮らすことで、恋人に振られてから止まっていた、有香の時間が動き出す。本作のポイントは、姉と妹が、それぞれ人生の岐路に立たされた状態で同居を始め、お互いの生活に少なからず干渉していくところにある。同居するうちに、相手を思いやれるようになっていくことで、姉妹ならではの心模様が見えてくる。
出典:集英社
1970年代から活躍するベテラン漫画化・長浜幸子の作品。杉浦蒼星(すぎうら そうせい)は、会社の受付嬢・香流(かおる)と婚約し、幸せの真っ只中だった。けれど突如、父・哲人(あきひと)が死亡してしまう。父の死を不信に思った蒼星が「35年前の事件」を調べ始めたことで、彼の人生が大きく狂い初めていく。
突然、父を亡くした蒼星。その後も、婚約者が自殺に追い込まれたり、自身の男性機能が奪われてしまったりといった、衝撃的な出来事の連続で、蒼星は生きる希望をなくしてしまう。だが、バーに勤めるケイコに助けられたことがきっかけで、蒼星は、カオルという女性としての生活をはじめる。父や婚約者の復讐のためには手段を選ばないと覚悟をきめて、女として生きていく蒼星。そして、父の死の裏に隠された、35年前の事件の真相が、次第に明らかになっていく。主人公・蒼星の心境を考えながら読み進むことで、よりハッキリと修羅の道が見えてくる。
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ホラー漫画界の巨匠・わたなべまさこの、ホラー作品を集めた短編集。タイトルになっている「蝮蛇草(まむしぐさ)」は、イソップ寓話「オオカミとヒツジ飼い」をモチーフとした作品。炎子(えんこ)という女性が、小学校の同級生・久美(くみ)が嫁いだ質屋に訪れ、あっという間に夫を寝取ってしまう。他に日本の童謡「かごめかごめ」やグリム童話「灰かぶり」(シンデレラ)などを収録。
イソップ寓話「オオカミとヒツジ飼い」は、おとなしい狼に油断した羊飼いが少し目を離したとたん、羊が狼に食べられてしまうという話だ。それをモチーフとして描かれた「蝮蛇草」では、炎子が「おとなしい振りをして近づく狼」、そして、炎子とは小学校の同級生だった久美が「羊飼い」という位置づけになる。羊にとっては、狼の行動は非情そのものだが、美味しそうな羊を狼が食べてしまうのは、自然の摂理。炎子の行動は非道に思われるが、それをせずに居られない点が、彼女が悪女たる所以なのだろう。おとぎ話になぞらえて描かれる悪女たちの本質が、本作の怖さであり、また魅力でもある。
55 Pt.
132 Pt.
17 Pt.
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