部活を通じて交流を深める少女たちの姿を描く百合テイストの日常系コメディ漫画。赤座あかりは幼馴染の歳納(としのう)京子と船見結衣が通う私立七森中学校に入学した新入生。京子たちは廃部となった茶道部の茶室を利用し、「ごらく部」として放課後の時間をまったりと過ごしていた。あかりも「ごらく部」の一員となるが、茶道部入部希望だった吉川ちなつも茶道部が廃部になったことを知らずに「ごらく部」の扉を開き、仲間に加わるのだった。2011年テレビアニメ化。
ゆるい「百合」がテーマになっている本作には様々な個性的キャラが登場するが、メインとなるのは「ごらく部」の仲良し4人組。オタク気質でムードメーカーの京子は、魔法少女似のちなつにアプローチをかけるが、ちなつは大人びている結衣に特別な想いを抱いている。一方、あかりはノーマルだが、腹黒い一面もあるちなつからキスやデートの練習相手にされてしまうなど、理不尽な状況に陥ることも多い。周囲の勢いに押され気味の主人公ではあるが、あかりが天真爛漫で友達想いの魅力的な女の子であることは間違いない。あかりたちの楽しげでほのぼのとした日常の中にゆるやかな百合風味のイベントを織り交ぜながら展開されていくところが本作の大きな魅力となっている。
孤独なプロ棋士の少年を中心に、様々な人が大切なモノを見つけていく、将棋を題材にしたヒューマンドラマ。家族が他界して以来、孤独を抱えてきた桐山零(きりやまれい)は、史上5人目の中学生プロ棋士となり、世話になっていた幸田家を離れて一人暮らしを始める。17歳になった零は、将棋も一年遅れの高校生活も中途半端なままだった。しかし、温かな川本三姉妹を始めとした周囲の人々との助け合いが、零の人生を彩り豊かに変えていく。2016年テレビアニメ化、2017年実写映画化。
零が川本家と繋がりを持つようになったのは、悪い先輩に酒を無理強いされた際に川本家の長女・あかりに介抱されたことがきっかけだ。あかりは母親が他界した19歳の頃から年の離れた妹のひなたとモモの母親役を担い、祖父の和菓子屋「三日月堂」と、叔母が経営するスナック「美咲」を手伝う料理上手で心優しい働き者。あかりは家族の前では強くあろうとするが、零の前では弱音を吐いて涙を見せることもあり、繊細な心の持ち主でもある。零は自分の心を救ってくれたひなたと恋仲に発展するが、川本家全体に恩を感じており、皆にとって一番良い形の幸せも考えている。あかりは母親役に徹することに人生を捧げるのではなく、彼女自身の幸せも見つけてほしいと願わずにはいられない。
天才棋士の霊との出会いによって碁を打ち始めた主人公の少年が、ライバルを見つけて急成長を遂げていく囲碁漫画。囲碁に未練を持つ平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)は長い時を越え、古い碁盤に触れた小学生・進藤ヒカルの意識に入り、彼を囲碁の世界へと誘う。同い年の少年天才棋士・塔矢アキラとの出会いがヒカル自身の才能を開花させるきっかけとなり、ヒカルとアキラは互いを強く意識し、競い合うようになっていく。2001年テレビアニメ化。
藤崎あかりは、主人公・ヒカルのことを大切に想っており、ヒカルが祖父の蔵で碁盤を見つけた時にも傍に居た幼馴染の女の子。明るく天真爛漫だが、言いづらいことでもハッキリと自分の意見を示す芯の強いヒロインだ。囲碁に関しては何の興味も抱いていなかったが、ヒカルに影響を受け、中学校ではあかりも囲碁部に入部した。ヒカルがプロを目指すために囲碁部を抜けた後も残り、他の部員と共に強くなるために練習を続けている。ヒカルと揉めて部活に来なくなった三谷祐輝(みたにゆうき)のことを気にかけるなど、人の気持ちに寄り添うことができる優しさを持っている。男キャラが多い中で、あかりはその名の通り周囲を明るく照らす存在であり、物語を華やかにする役割を担っているといえるだろう。
女子高に対する理想を打ち砕かれた少女たちが次第に自堕落な生活に染まっていくハイテンション学園コメディ。高橋絵里子、鈴木由真、佐藤綾乃の三人は、「咲女(さきじょ)」こと私立山咲女子学園富士高等学校に合格した仲良し三人組。絵里子は女子高生活に憧れを抱いていたが、入学式前に下見に来た際に臭く汚い部室を目撃し、女子高の知られざる現実に幻滅してしまう。しかし、入学してしばらくすると、いつの間にか自分たちも女子高特有の感覚に馴染んでいるのだった。2006年テレビアニメ化。
香田あかりは主人公の絵里子たちの友人であり、周囲からは「バカ軍団一軍」と呼ばれている。バカにも色々種類があり、あかりは筋金入りの「激烈バカ」。男子の目を気にする必要が無い同性ばかりの女子高では、除毛も教室や部室で行い、生理用品を剥き出しで置いている。外部生の絵里子と違い、あかりは女子だけの生活に慣れきっている内部生。その上、人一倍ものぐさなあかりは上履きにきのこを生やし、ロッカーに置きっぱなしの食べ物は悲惨な状態だ。作中ではバカ軍団が苦手とする下ネタ好きのAランクギャルやなど、個性豊かなメンバーが続々と登場する。あかりたちの想像を絶する「女の園」で繰り広げられる女子高生活は爆笑必至だ。
不老不死の種族・オキナガと一般人が共存する世界で、女性の新米公務員がオキナガの男性とタッグを組み、怪死事件の解決に挑むミステリー漫画。伏木(ふせぎ)あかりは、保健所で研修中の新米公務員。食中毒事件の調査で訪れた飲食店で、偶然オキナガ殺人事件の現場に遭遇したあかりは、厚労省大臣官房参事・竹之内唯一(ただひと)に真面目さを買われ、夜間衛生管理課に配属となった。オキナガの雪村魁(かい)と共に不可解なオキナガ絡みの事件を追うことになる。
オキナガは吸血鬼に似た性質を持つが心臓を潰されると死亡するため、オキナガの殺人事件も起きていた。たくましい眉毛と高身長が特徴的な新米公務員のあかりは、仕事に忠実な真面目な女性。タッグを組むことになった魁は、あかりより若く見えるが実年齢は88歳のオキナガ。魁が追っている「羊殺し」は12年に一度、ひつじ年のクリスマスに若い女性が狙われ惨殺される連続殺人事件。オキナガの犯行とみられており、彼の元恋人・長尾棗(なつめ)もその犠牲者の一人だった。あかりは魁と様々なオキナガ絡みの事件を追う中で衝突しながらも次第に絆を深め、やがて「羊殺し」の真相にも近付いていく。謎めいた種族のオキナガを巡る過去と未来を繋ぐ壮大なミステリーを堪能しよう。