どうしようもなく追い詰められたり、生きる目的を見失ったり、辛いときには誰かに頼ってほしい。物語に救われることもあるかもしれない。漫画で命について考えてみませんか?
9/10は世界自殺予防デー。命の大切さを考えるきっかけになる作品を紹介します。
出典:小学館
どうしようもなく追い詰められたり、生きる目的を見失ったり、辛いときには誰かに頼ってほしい。物語に救われることもあるかもしれない。漫画で命について考えてみませんか?
出典:マンガペディア
ギナジウム(高等中学)で、アイドル的存在だった少年トーマが転落死する。ユーリは彼の死が自殺であることを知りショックを受ける。数日後、トーマにそっくりな転校生・エーリクがやってきて、ユーリの心はさらにかき乱される……。『ポーの一族』をはじめ数々の作品を生み出した萩尾望都の手による青春漫画の傑作。
主人公のユーリは友人トーマに愛情を寄せていたが、その恋の行方が賭けの対象だったことがきっかけで、トーマを振ってしまう。その後に起きたトーマの死が、ユーリに愛を捧げるための自殺であったことを知り、困惑するユーリ。さらに数日後、トーマにそっくりな転校生エーリクが現れる。エーリクにトーマの姿を重ねてしまい困惑するユーリだが、同時にエーリクの存在がユーリを救うことになり…。同性愛のことがよく話題に上がる本作だが、「人間の愛」という極めてシンプルで宗教的なテーマが本質にある。人種差別というデリケートな問題にまで踏み込み、作者の深い慈愛でそれを描ききっている。小説家・森博嗣によってノベライズもされている。
出典:マンガペディア
『ホーリーランド』で人気作家となった作者が紡ぐサバイバルアクション。「生きる義務」を放棄した自殺未遂常連者を集めて隔離する「自殺島」で、彼らはときに争い、ときに助け合う。自殺未遂者たちが命の意味と向き合いながら、必死に生きていくサバイバルが幕を開ける。
本作はIDによって国民が管理されている日本が舞台。自殺未遂を繰り返すことは生きる義務を放棄したとみなされ、IDを消滅させられてしまい、国民としての全ての権利を失うことにつながる。主人公・セイはオーバードラッグとリストカットによる自殺未遂を繰り返した末、自殺島に送り込まれる。島には他にも多くの自殺常習指定者が送り込まれているが、その理由が性同一性障害を咎められてのものだったり、恋人を失ったり、莫大な負債を背負ったりといった、我々にも他人事でない理由ばかりだ。他人の死を目の当たりにし、仲間の出産に立ち会うことで、「命とは何か」を悟り、セイは生きていくことを決意するようになる。アクションやサバイバルの知識も豊富に描かれているのが特徴。
出典:マンガペディア
人間にそっくりだが死ぬことがない新生物「亜人」。主人公の永井圭は、ある日交通事故に遭い死亡するがすぐさま生き返ってしまう。圭が亜人だと知った政府や周囲の人間たちは、人体実験や賞金目当てに襲ってくるようになり…。追われる亜人たちがどう生きるのかを描いたアクション長編。2015年にアニメ化、その後実写映画化もされた。
「亜人」は決して死なず、車の下敷きになっても無傷の姿で蘇る。例え麻酔を打ち込まれても、即座に自殺することで無効化できてしまう。その特性を利用して、主人公の圭や亜人のテロリスト・佐藤は自殺をまるで躊躇わない。自分の頭を躊躇なく撃ち抜き、蘇る。一見して無敵の存在だが、当然ながら周囲からは恐怖を持って拒絶される。日常が一変する中、自衛のために集まる亜人たちが時に友情を築き、時に敵対する。数少ない亜人同士でも敵対するのだから、これを人間らしいと言うのは皮肉だろうか。「死なない人間は人間なのか」など、人間性そのものに疑問を投げかけてくる作品だ。「黒い幽霊」などを駆使するアクションも見応え抜群だ。
出典:マンガペディア
ある爽やかな春の日、何事もポジティブにしか受け取れない少女・風浦可符香と、首つり自殺中だった何事もネガティブにしか受け取れない青年・糸色望は出会った。可符香の担任となった「絶望先生」こと望と、キャラの濃い生徒たちが日々騒動を巻き起こすブラックコメディ。
“糸色望”をつなげると“絶望”先生。糸色望本人は、そう呼ばれることを嫌っている。随所に文豪・太宰治の影響が見られる望のキャラクター造形が、知っている人にはにやりとできる。作風はとにかくブラックで風刺的。時事ネタ・自虐ネタ・あるあるネタ・メタギャグ、何でもありで、今でも世間にあふれている事象を取り上げては望が「絶望した!」と叫ぶのがお約束。といはえギャグなので、世を儚んで自殺しようとしていた望が、生徒に理不尽に殺される「猟奇オチ」を含めて笑い飛ばせる。また、全30巻の連載すべてを通じて張られた伏線が最終巻で収束していくと、シリアスな意味で「命の尊さ」というものについて深く染み込んでくる傑作でもある。
111 Pt.
58 Pt.
73 Pt.
185 Pt.
124 Pt.
108 Pt.
いいね!・フォローしてマンガ・アニメのニュースを受け取ろう!