i・ショウジョ

i・ショウジョ

願望を叶える機能を持つ魔法のアプリを託された少年少女たちが、大切な人のために奮闘する姿を描くオムニバス形式のラブコメディ。美少女キャラクターの衣類がはだけるなど、お色気シーンが多数盛り込まれている。「週刊少年ジャンプ」2014年12号から32号にかけて連載された作品。続編に「i・ショウジョ+」がある。

正式名称
i・ショウジョ
ふりがな
あいしょうじょ
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

第1巻

勝気な性格の女子高校生の宮尾銀子は、同じクラスに在籍している幼なじみの岡尻鉄太と、喧嘩するほど仲がいい関係にあった。ある日、鉄太はクラスメートから銀子を異性として意識していないなら、スリーサイズを聞き出してほしいと頼まれる。クラスの女子の立ち話から、なんでも願いを叶えてくれる「魔法のアプリ」の存在を知った鉄太は、スリーサイズを知るために使用することを思い立ち、さっそくスマートフォンで検索。すると、突然目の前にアイビスが現れ、鉄太に銀子を自由にすることができる魔法のアプリを託す。この魔法のアプリによって、銀子は予期せぬ場面で下着をあらわにするなど、さまざまなトラブルに見舞われてしまう。一方、鉄太と銀子は魔法のアプリのおかげでいっしょにいる時間が多くなり、二人はお互いを異性として意識するようになる。そんな中、鉄太の些細なミスから、銀子に魔法のアプリの存在を知られてしまう。(エピソード「悪魔のアプリ」「アンインストール」「リンク」。ほか、4エピソード収録)

第2巻

幼い頃から空手をやっていた八豆梅也は、小学生の大会で六仙多桜にあっさり負けた過去を持っていた。それ以来、自信を喪失していた梅也だったが、威風音学園に入学したことによって因縁の相手である多桜と再会。その後、二人が所属する空手部では、梅也が多桜に再戦を申し込んでは、むげに断られるというパターンが日課になっていた。ある日、梅也の強い思いを知ったアイビスから、梅也は魔法のアプリの「コピー」を託される。さっそく梅也は魔法のアプリで多桜のコピーと対戦しようとするが、多桜は運悪く入浴の直前だった。下着姿で現れた多桜に動揺した梅也はパニックに陥り、半裸の多桜をさらに何人も出現させてしまう。(エピソード「コピー」「オリジナル」。ほか、7エピソード収録)

第3巻

他人とコミュニケーションを取ることが苦手な穂中甲は、朝から晩まで誰とも話さずに過ごす日々を送っていた。甲は友達と楽しい学生生活を送っている、周囲の人々の姿を見ては強い嫉妬心を抱くようになっていた。そんな甲の目の前に突然エレノラが現れ、使徒のアプリの「プライド」を託す。プライドを介して送信したメールの内容がすべて本当になると知った甲は、クラスの女子を周りにはべらかせ、理想のハーレムをつくり上げる。「(エピソード「プライド」「ツイート」。ほか、4エピソード収録)

登場人物・キャラクター

アイビス

スマートフォンで「魔法のアプリ」というワードを検索した人物の願望を聞き、叶えるための魔法のアプリを与える役割を担う生命体。細身の少女のような姿で、感情を持っている。しかし、スキンシップを取ることができる機能は搭載されておらず、人間が体に直接触れることはできない。魔法のアプリの概要や基本的な操作を説明する役割も担っている。ただし操作方法はほとんど説明せず、スマートフォンに魔法のアプリをインストールした時点でほとんど勝手に消えていく。誰からも呼び出されない時間はアルバイトをするなど、自由に過ごしている。

エレノラ

欲望を持つ人間に使徒のアプリを託したり、取扱説明書役を担う生命体。その存在は「使徒」とも呼ばれている。大人の女性のような姿で、顔半分を仮面で隠している。使用者を幸せにする魔法のアプリを敵対視しており、アイビスを亡き者にしようと企む。

岡尻 鉄太 (おかじり てった)

威風音学園に通う高校2年生の男子。宮尾銀子、木野、羽生朱音と同じクラスに在籍している。好きな女性のタイプは清純派で、大人気アイドルのアユユこと深海月夜の大ファン。銀子とは幼稚園時代からの腐れ縁で、最近かわいくなったとは思っているものの、これまで異性として意識したことはなかった。アイビスから画面上に映された銀子を自由にできる魔法のアプリを託され、銀子と触れ合ううちに、次第に恋心を自覚していく。

宮尾 銀子 (みやび ぎんこ)

威風音学園に通う高校2年生の女子。岡尻鉄太、木野、羽生朱音と同じクラスに在籍している。男勝りで、サバサバした性格だが、恋愛に関しては不器用なところがあり、素直になれない一面を持つ。運動神経がよく、腕っぷしも強い。現実的なものに対してはタフな対応を見せるが、お化けなど非科学的なものは苦手。かわいらしい顔立ちと抜群のスタイルを持つことから、隠れファンが多い。鉄太とは幼稚園時代からの腐れ縁で、これまで異性として意識したことはなかった。鉄太がアイビスより託された魔法のアプリによって服がはだけたり、下着があらわになったりと災難が続いている。鉄太とかかわっていくうちに、次第に恋心を自覚していく。

木野 (きの)

威風音学園に通う高校2年生の男子。岡尻鉄太、宮尾銀子、羽生朱音と同じクラスに在籍し、美術部に所属している。クラス内ではおとなしく目立たないタイプ。趣味は絵を描くことで、鉄太と銀子を写生することも多く、画力は非常に高い。以前自分の絵を褒めてくれた朱音に片思いをしているが、告白する勇気が出ずに遠くから眺めているだけで終わっている。そんな中、アイビスから魔法のアプリの「パフューム」を与えられ、朱音以外の女性から熱烈な好意を向けられるトラブルへと発展する。

羽生 朱音 (はぶ あかね)

威風音学園に通う高校2年生の女子。岡尻鉄太、宮尾銀子、木野と同じクラスに在籍し、美術部に所属している。一部男子生徒からは「住んでいる次元が違う」と言われるまでのかわいらしさと、つかみどころがない天然な性格の持ち主。周囲からは「天然姫」と呼ばれることもある。また、年齢よりも幼く見えることから、下級生の男子からは「合法ロリ先輩」とも呼ばれている。しかし、羽生朱音自身は美少女であることや、天然であることには気づいておらず、マイペースに行動している。胸が小さいことを気にしており、朱音はスタイル抜群な銀子のようになりたいと思っている。

我波 灰 (がなみ はい)

威風音学園に通う高校1年生の女子。美術部に所属しており、同じ部活の木野に対しては先輩でありながらも、見下してバカにしている節がある。しゃべったあとに、「わかりました(断言)」のように、()内で感情を表す。木野が使用していた魔法のアプリの「パフューム」の香りを嗅いでしまい、木野に熱烈な恋心を寄せることとなる。また、野心家な一面に目をつけられ、エレノラから使徒のアプリの「グリードを与えられる。

八豆 梅也 (やず ばいや)

威風音学園に通う高校1年生の男子。空手部に所属している。小学生の頃から空手に打ち込んでおり、その抜群の強さから女子の人気を集めていた。しかし、出場した大会で六仙多桜にあっさりと負け、それからは空手に対して自信を喪失している。高校に進学して多桜と再会し、何度も再戦を申し込んでいるものの「もう小学生ではないから」「体に触れられるのに抵抗がある」と断られ続けている。どうしても多桜と再戦したいという強い気持ちがアイビスに届き、魔法のアプリの「コピー」を与えられる。

六仙 多桜 (ろくせん たお)

威風音学園に通う高校1年生の女子。空手部に所属している。クールな雰囲気を漂わせた美少女で、やや天然気味なところがある。幼少期から空手に打ち込んでおり、向かうところ敵なしの状態で、これまで男子にも負けたことがない。小学生の頃に、八豆梅也をあっさりと負かしている。高校に進学して梅也と再会し、何度も戦ってほしいと再戦を申し込まれている。しかし、六仙多桜自身がもう小学生ではないことや、男性から体を触れられることに抵抗があるために断っている。梅也に対しては少なからず異性として意識している節がある。

平 心 (たいら しん)

威風音学園に通う高校2年生の男子。生徒会に所属し、副会長を務めている。暴走しがちな生徒会長の乃院桃香のフォロー役を担うことが多い。おとなしくてまじめな性格で、芯がしっかりしている。アイビスから魔法のアプリの「トランスフォーム」を与えられる。

乃院 桃香 (のいん ももか)

威風音学園に通う高校2年生の女子。生徒会長を務めており、とにかく目立つことが大好きな派手な性格の持ち主。学園の生徒のあいだで魔法のアプリが噂になっていると聞き、風紀を乱すと危険視している。しかし、その打開策としてゆるキャラを制作して生徒たちの関心を集めようとするなど、やや抜けたところがある。平心をまるで乃院桃香自身の小間使いのように扱っているものの、内心では信頼を置いている。

浅瀬 太陽 (あさせ たいよう)

威風音学園に通う高校3年生の男子。深海月夜と同じクラスに在籍している。月夜扮する人気アイドル「アユユ」の大ファンで、制服の下にはつねに月夜の顔が描かれたTシャツを身につけている。月夜の正体がアユユとは知らず、クラスでの月夜の振る舞いや笑顔に心惹かれるようになる。もっと月夜と距離を縮めたいと願っていた際に、アイビスから魔法のアプリの「クエスト」を与えられ、なぜか月夜と共にRPGの世界を冒険することになる。

深海 月夜 (ふかみ つくよ)

威風音学園に通う高校3年生の女子。浅瀬太陽と同じクラスに在籍している。学園内では眼鏡におさげ髪と目立たないようにしているが、実は日本でもトップクラスの人気を誇るアイドル。ファンからは「アユユ」と呼ばれている。本来は地味でおとなしい性格で、そんな自分を変えるためにアイドルを志した経緯がある。夢が叶ってアイドルにはなったものの、逆にふつうの学生生活を送るクラスメートをうらやましく感じるようになるなど、心がゆれている。アイビスから魔法のアプリの「クエスト」を与えられ、太陽と共にRPGの世界を冒険することになる。また、のちにアイビスから太陽の本音を探るため、魔法のアプリ「ゴーグル」も託されている。

戸成 葉留 (となり はる)

威風音学園に通う高校2年生の男子。バスケットボール部に所属している。同じバスケットボール部の高遠青菜に好意を寄せており、告白するがふられてしまう。告白は時期早々だったと考えを改めて、もっと青菜のことを知ってから再アタックするため、アイビスから魔法のアプリをもらおうと行動を起こす。無事アイビスと接触をすることには成功するが、話の途中で透明になって青葉にエッチなことをしたいだけだとカンちがいされ、「インビジブル」を与えられる。

高遠 青菜 (たかとお あおな)

威風音学園に通う高校2年生の女子。バスケットボール部に所属している。非常にシャイな性格で、言葉ではなく文字を通して相手とコミュニケーションを取ることが多い。女子更衣室を盗撮していた潮路を目撃して指摘をしたところ、逆に撮影した動画を周囲に公開すると脅しを受け、個人的な被写体になれと脅迫をされている。戸成葉留からの告白を嬉しく感じているものの、潮路から脅されていることもあり、素直に受け入れられずにいる。

潮路 (うしろ)

威風音学園に通う高校3年生の男子。バスケットボール部に所属している。学園の不良グループとつるんでおり、後輩を後ろから足蹴にするなど素行が悪く、人望はまったくない。しかし、バスケットボールプレーヤーとしては優れた才能の持ち主。女子バスケットボール部の更衣室にカメラを仕掛けて盗撮行為を行っている。高遠青菜に気づかれてカメラを没収されるが、すぐに2台目を仕掛ける。青菜に対し、盗撮動画を周囲に公開されたくなければ、潮路自身の被写体になれと脅している。

穂中 甲 (ほなか こう)

威風音学園に通う高校1年生の男子。他人とコミュニケーションを取ることが苦手で、彼女はおろか友達さえいない。まるで周囲との関係を遮断するかのように、つねにパーカーのフードを目深にかぶっている。周囲をうらやむ心のスキにエレノラが入り込み、使徒のアプリの「プライド」を与えられ、お気に入りの女子生徒を集めた自分だけのハーレムをつくり出す。同時にアイビスからは魔法のアプリの「ツイート」を託されている。

都道 世 (とどう せい)

威風音学園に通う高校2年生の男子。陸上部に所属している。新1年生たちは抜群の能力を持った者ばかりが集っており、実力の差を見せつけられたほかの部員はほとんど退部している。しかし、顧問から1年生の面倒を見てほしいと懇願され、嫌々ながらも部に残ることになる。1年生の中でも突出した才能を持つ森町緋芽から、からかわれる日々を過ごしており、ついに退部を決意する。そんな中、アイビスから魔法のアプリの「クロノス」を与えられる。

森町 緋芽 (もりまち ひめ)

威風音学園に通う高校1年生の女子。陸上部に所属している。その能力の高さから、特待生として入学している。抜群の才能を誇る1年生の陸上部員の中でも突出した存在で、率先して都道世をからかっている。

場所

威風音学園 (いふおんがくえん)

男女共学の高等学校。比較的自由な校風で、ヘアスタイルや制服の着こなしなど、生徒の個性が尊重されている。校章入りのワッペンを付ければ、基本的に私服での通学も問題ない。

その他キーワード

魔法のアプリ (まほうのあぷり)

スマートフォンで「魔法のアプリ」といったワードで検索すると、手に入れることのできる不思議な機能を持つアプリ。検索が完了するとアイビスが現れ、検索者の叶えたい願望を聞き、それを手助けをする機能を持つアプリを与える。アイビスが説明書の代わりだが、概要や基本的な操作を教えるだけで、使用者が手探りで機能を探っていく必要がある。アイビスが出現すると魔法のアプリのダウンロードは拒否できず、さらに願いが叶うまでは消去することもできない。

使徒のアプリ (しとのあぷり)

欲望を抱くことで、スマートフォンに勝手にダウンロードされる不思議な機能を持つアプリ。ダウンロードが完了するとエレノラら「使徒」と呼ばれる生命体が現れ、欲望を叶える手助けをする機能のアプリを与える。魔法のアプリと機能は似ているものの、使用した者が不幸になる結末を招く。エレノラいわく、魔法のアプリが天使なら、使徒のアプリは悪魔。過去に魔法のアプリをダウンロードしたスマートフォンに関しては、容量の関係でダウンロードできないこともある。

パフューム

アイビスが木野に与えた魔法のアプリ。アプリを立ち上げ、上下に振ると女性にしか認識できない香りが噴出する。その香りを嗅ぐと、振った人物のことを盲目的に好きになってしまう機能を持つ。その人物に好かれるためならなんでもするといった、非常に危険な状態に陥る。

コピー

アイビスが八豆梅也に与えた魔法のアプリ。アプリを立ち上げ、表示されるボックスのアイコンに好きな画像を入れることで、実物になって出現する機能を持つ。元の画像の対象には「コピー」に使用されたことは通知されない。ただし画像そのままではなく、対象の画像の現在の姿が出現するデメリットを持つ。梅也が「コピー」を使用した際、六仙多桜は入浴する直前であったため、下着姿で呼び出されてしまった。

インビジブル

アイビスが戸成葉留に与えた魔法のアプリ。アプリを立ち上げ、表示される枠内に顔を写すことで透明人間になれる機能を持つ。アプリ上で「解除」するまで効果が継続される。透明になるのは本人のみで、服など身につけているものは透明にならない。透明になっていても物には触れることができる。

ツイート

アイビスが穂中甲に与えた魔法のアプリ。アプリを立ち上げ、ポケットに入れるなど身につけることで、スマートフォンの所持者の心の声が周囲に聞こえるようになる機能を持つ。

アイビス

アイビスが読者に与えた魔法のアプリ。立ち上げることで現実世界にアイビスが現れ、デートできる機能を持つ。3巻収録のエピソード「アイビス」にて、読者目線でアイビスとのデートストーリーが公開された。

クロノス

アイビスが都道世に与えた魔法のアプリ。アプリを立ち上げて画面にタッチすることで、スマートフォンの所持者以外の時間を止める機能を持つ。魔法のアプリの中でも最強クラスの機能を誇る。犯罪防止機能としてストップされている側の人間にも、時間が止まっているあいだに何をされたのか記憶が残るようになっている。

ゴーグル

アイビスが深海月夜に与えた魔法のアプリ。アプリを立ち上げ、カメラに写した対象の人物の欲望が映像になって現れる機能を持つ。

グリード

エレノラが我波灰に与えた使徒のアプリ。人々の欲望をあらわにする機能を持つ。灰は人間同士が欲望をぶつけ合い、混沌とした世界をつくり上げるために使用する。

プライド

エレノラが穂中甲に与えた使徒のアプリ。アプリを経由してメールを送信することで、どんな無理な事柄であっても、受信者は従ってしまう機能を持つ。

続編

i・ショウジョ+ (あいしょうじょぷらす)

高山としのりの『i・ショウジョ』の続編。大筋は前作と変わらず、願望を叶える機能を持つ魔法のアプリを託された少年少女たちが、気になる異性のために奮闘する姿を描くオムニバス形式のラブコメディとなっている。... 関連ページ:i・ショウジョ+

SHARE
EC
Amazon
logo